◎マネジメントから見たRIZINvsクレベル問題■シュウ・ヒラタ
ウィスコンシン州ミルウォーキー「ルーファススポーツ」で修行中の平本蓮インタビュー!!(聞き手/ジャン斉藤)
――朝倉未来YouTubeのメンバーのひとりで、格闘家の佐々木大選手が平本選手に対戦要求したことが話題になってます。未来選手と出演したYouTubeでは「試合で勝ったら1000万円」という賞金もかけると。
――平本選手はその動画がアップされる前に佐々木選手とツイッターで絡んでましたけど、平本選手としては試合はやる気はないという意味合いの投稿をされていて。
平本 まったくやる気はないです(笑)。
――1000万円もほしくはないと。
平本 ほしくないです。大金は大金ですけど、あれで試合を受ける奴っているんですかね(笑)。
――この試合を受けたくない一番の理由ってなんですか?
平本 いやあ、自分で言うのも変ですけど、こっちはマジメにMMAをやろうとしてるんですよね。アメリカに来て一日中格闘技のことを考えて練習してるんで。向こうは格闘技を真剣にやろうとしてないというか、自分の名前の前に朝倉未来で売れちゃったわけじゃないですか。変に名前がある、朝倉未来の取り巻きとして。それであんなにイキってるのはなんか気持ち悪いなーって。
――佐々木選手はキャリアが浅いので戦績的にやりやすくないですか?
平本 というか、まずこれって朝倉未来の挑発だと思うんですよ。
平本 そうです。たぶん向こうはこっちがやるとは思ってないんじゃないですか。向こうも確実にやる気のない挑発ですよ。さすがにちょっとイラっときたので、いい挑発だなと思いましたけど(笑)。 うまく煽られましたね。
――平本選手からすれば、向こうは本当に戦うつもりはなく、単なる煽り行為じゃないかと。
平本 格闘家だったら朝倉未来のファンが一番多いじゃないですか。それをうまく使ったテロ行為ですよ(笑)。その構造を理解していれば、朝倉未来とSNS でバトルしていても楽しいんですよ。俺に何か文句を言ってくる奴がいても、それは格闘技好きだからっていうよりも、朝倉未来ファンだから攻撃してくるんだろうなって。そこは斎藤裕チャンピオンもハンパなかったと思うんすよね(笑)。
平本 斎藤選手のほうがもっと攻撃されてるとは思うんですけどね。
――しかし、試合でもないのにこうやって話題になるのは平本選手らしいですね。
平本 「試合しろ」って言われ続けて、ボクも試合をしたいんですけどね。11月に沖縄大会があるという話は夏ぐらいに聞いていて、 そこに出るつもりでいたんですけど、シュウさんから「なくなった」と聞いて。 そうしたらまたやるんだって。
――コロナで状況が二転三転しましたからねぇ。
平本 なので、もうちょっと待ってくれっていうか、アメリカに来て本当に強くなってるので。もっと試合を積み重ねていけば強くなると思うんですけど、 とりあえずこの1年間はちょっと待ってくれよっていうか。修行期間だと思って楽しんでいただければいいかなって。『ドラゴンボール』で悟空が界王星を修行しているようなもんで(笑)。
――ハハハハハハハ。
平本 RIZINと共にでかくなってるとこがあって(笑)。そういう意味でもRIZINには貢献しないといけないなって。
――戦いたい相手は弥益ドミネーター聡志選手なんですよね。
平本 ドミネーターとやりたいっすね。
平本 どうなんですかね。 まだ対戦相手の話はしてないんですけど、やるんだったらちゃんとした総合の選手がいいのかなって思ってますね。そこはウソをつかずにやっていきたいなって。ちゃんと総合格闘家にリベンジをして、そこから総合格闘家としての道を切り開いていきたいなって思います。 キックボクサーとしてのプライドってまったくないので、総合格闘家として総合格闘技にリベンジしたいっていうのがあるっすね。
――最近のRIZINだと久保優太選手をはじめキックからの転向組が多いですけど、そういったカードはやりたくないんですか?
平本 そこは意味がないのかなと思ってて。ボクと久保優太が試合をしたらそれは面白いとは思うんですけど、いまやってももったいないのかなって思うんですよね。お互いにRIZINで2勝3勝して強くなった状態でバーンとやったほうがビックカードなのかなって。いま潰さなくてもいいカードなんじゃね?って向こうも同じように思ってるはずなんですよ。
平本 そうです、そうです。いまやるんだったら「K-1ルールでやれよ」みたいな内容になっちゃうのかもしれないですね。
――そういえば皇治選手もMMAの練習風景をツイッターでアップしてましたけど。
平本 ……そうなんですか(笑)。でも皇治はもう時間がないから無理じゃないですか。いろいろと忙しそうじゃないですか、毎日。
――平本選手の場合はMMA 転向で、皇治選手がMMAをやるとなったら特別企画ということなんでしょうね。
平本 “令和の格闘技”って感じですよね。エンターテイメント性があって現代の格闘技って感じで、皇治のMMA はちょっと見てみたいような気がしますけどね(笑)。
――平本選手にはあちこちから対戦要求の声があがっていて。レスリング五輪銀メダリストの太田忍選手からも。
平本 太田に関していえば、レスリングはめちゃくちゃ強いと思うんですよ。 太田忍クラスのタックルって見えないぐらい早いと思うんで。極める力や打撃、パウンドとかはそんなに威力はないのかなって思うんですけど、 寝かす部分では相当強いじゃないですか。その展開になったら強い選手だとは思うので、 大晦日にちゃんとした総合格闘技をやって、その次に太田とやるのは面白いのかなって。太田忍は世界レベルのレスラーで、ちゃんと強敵なので、そんな適当に扱いたくないなって思いますね。
――日本にはいつぐらいに帰ってくる予定なんですか。
平本 本当は11月7日ぐらいに帰る予定だったんですけど。ボク的にはこっちでいいトレーニングができてるので、 ギリギリまでこっちにいようかなって。 年末の試合には会長が来てくれるんですよ。こっちは作戦が大事みたいなところがあるので、会長としては「早く相手を決めてくれ」っていう感じですね。
――ルーファススポーツのチームとして大晦日の試合に臨むってことですね。
平本 ボクも信頼しているというか。アメリカでも日本でも強くなる奴は強くなると思うんですけど、なんていうんですかね、トレーナーの凄さって選手の強さどこまで引き出せるかじゃないですか。 自分にムチを打つのは限界があるし、だったらムチを打ってくれるところに行ったほうが早いのかなって。 だから年末日本で試合をしたら、またこっちにも戻りたいなって。最初は時差ボケがめちゃくちゃキツくて、ずっと気持ち悪かったんですけど。そんな時差ボケの中、スパーとかにも参加してたから「……アメリカってこんなにレベルが高いんだ」ってテンション落ちたんですよ(苦笑)。
平本 練習もキツすぎるみたいな。それでも頑張ろうって思ったんですけど、時差ボケが治った瞬間、全然普通で。次にアメリカに来るときは一週間休もうと思いましたね(笑)。練習内容はキツイはキツイんですけど、ここにいれば間違いなく強くなれるなっていう安心感。それがあるからこそ心地いいのかもしれないですね。 日本により充実してる感じがします、生活も練習も含めて。
平本 日によりますけど、まだまだ多いんだろうなって思いますね。いつも20人弱くらい集まってますけど、他にもプロがたくさんいるんだろうなって。誰が誰だかわからないす(笑)。セルジオ(・ペティス)がちょうど時差ボケが治ったときぐらいに来てくれたんですよ。それでセルジオとMMAの打撃のスパーリングをしたら、ジムのみんなの反応が変わったというか。
平本 ……これ、自分で言うのもなんかイヤなんですけど。UFCの(コーリー・)サンドヘイゲンがセルジオとスパーリングをやりに来てるんですけど、ジムの仲間に「キミはサンドヘイゲンよりセルジオといいスパーリングをできている」と言われて。
――そんなお褒めの言葉が!
平本 だいぶつきましたね。まあセルジオはバンタム級なので……とはいっても、セルジオはめちゃくちゃデカイんですよ。ライトとフェザーどちらでも戦えますみたいなぐらい身体がデカくて。あんなゴリラ体型の人がバンタム級にいるんだってビックリでした。ボクもこの1年でだいぶデカくなりましたけど、もっと身体を大きくしなきゃって。
平本蓮ツイッターよりセルジオ・ペティスとのツーショット
――日本の年末にやる動きもあったみたいですけど。
平本 ですよね。そういう話を若干聞いていたので、日本でやるとなったらチームのみんなも来日するので、ボクも助かるなあと思ってたんですけど。
――すっかりルーファススポーツの一員って感じですねぇ。
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