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修斗王者・岡田遼を破りバンタム級GP1回戦を突破した元谷友貴インタビュー!!(聞き手・松下ミワ)


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――
RIZIN東京ドーム大会は凄かったですね!

元谷 ああ、凄く楽しかったです。

――
やはり、出場選手としてもテンション上がりました?

元谷
 まあ、会場が広くてよかったのと、やっぱり18年ぶりの東京ドームというところで記念すべき大会だったんで、はい。

――
でも、元谷選手ってまだ試合が東京大会か大阪大会かに振り分けられる前、あんまり「東京大会がいい!」みたいなアピールってされてなかったですよね。

元谷
 いまずっと東京に住んでるんで、東京で試合するほうがラクというのはありますけど。

――
そういう理由ですか(笑)。

元谷
 フフフフ。いや、やっぱり東京ドームで試合をしてみたいというのもありました。正直、絶対に東京ドームがいいと思ってました。

――意外と思いは熱かったんですね。その東京ドームで行われた岡田遼戦は打撃戦での完封勝利になりました。

元谷
 うーん、一本かKOで決着できなかったのがちょっと悔しいですけど、まあしっかり勝てたので。

――
これ、RIZINのYouTubeでも検証してましたが、選手・関係者の戦前の予想では岡田選手の勝利を予想する人が多かったんですよね。それってご存知でした?

元谷
 ああ(苦笑)。なんか、そういう話を人から聞いたり、いろんなのを見たり。ちょこちょこ情報は入ってました。まあ、自分も岡田選手は弱くはないと思っていたんで「そんなもんなのかな……」と。自分自身も結果はどうなるかわからなかったんで、五分五分やなあと思ってましたかね。

――
自分を過信しすぎず、過小評価しすぎず、冷静に見てたというか。

元谷
 客観的に見ても「どっち勝つんかなあ~」と思ってたんで。

――
まるで他人事ですね(笑)。

元谷
 もちろん、試合には勝ちにいくつもりで戦うんですけど、最近の戦績を含めて客観的に見たら、五分やろうなというイメージはありました。

――
抽選会で対戦カードが決まったときは、あんまり岡田選手の試合は観たことがないと言われてましたよね?

元谷
 そうですね。試合が決まってからは修斗の試合映像がYouTubeに上がっていたので、そっからはけっこう観ましたけど。だから、そこで相手のクセとかを見ながらいろいろ考えて。

――となると、あの打撃戦は最初から決めていたということですか?

元谷
 はい。打撃で戦って、それでやってこうと思ってました。

――それは、なぜそういう作戦を?

元谷
 寝技の展開を考えて戦うとあんまりいい流れにならないんで。いつも打撃でいくと、まあ勝手に寝技になったら寝技で極まるし、打撃で攻めてるほうが全部試合はいい流れになるんで。

――
へえ、それは面白いですね。

元谷
 うまく組み立てようとすると失敗するんです。あんまりなんも考えんと、ガチャガチャいったほうがいいんでね。

――
うまくいかなかった試合って、たとえば何戦とかですか?

元谷
 井上直樹戦とかもそうですね。ちょっと打撃を当ててテイクダウンして上を取れたらラクやなあと思って戦ってたら、ああいう感じで失敗したり。

――
だからこそ、今回は打撃で組み立てようと。

元谷
 今回も1ラウンドでだいたい「いけるな」という手応えはあったんで、この調子でいけば、2・3ラウンドももうちょっと効かせられるかなというのはありました。

――
試合前、岡田選手は「自分も元谷選手も総合格闘家として5教科7科目の選手だと思うけど、元谷選手は寝技が飛び抜けている」という話をされていましたが、今回は打撃でも上手を取ったということですよね。

元谷
 ああ、そうかもしれないです。

――
打撃戦というのは、寝技を警戒していた岡田選手の意表をついたというのもあるんですかね?

元谷
 うーん、意表をついたというか……。でも、岡田選手が苦手そうな戦い方かなあとは思いました。なんか、岡田選手は自分のペースで自分の想像どおりの感じで進めていると強いと思うんですけど、自分みたいにあんまり様子見んとガチャガチャ来ると、たぶん考えれなくなっていくというか。

――
つまり、考えさせる時間をつくらない。

元谷
 ああ、そんな感じです。だから、1ラウンドはダメージは何もなかったし、全体を通してとくに効
いた攻撃もなかったんで。

――
あと、試合前に気になっていたのがRIZIN CONFESSIONSでの発言で。ちょっと笑ってしまったんですが、さわやか系の岡田選手とは「キャラが正反対ですね」みたいな質問をされていたときに、「自分もそっちの部類だと思ってました」という話をされていましたよね(笑)。

元谷
 え、さわやか系…………? いや、全然そういう意味の正反対と言われていたとはわからなかったです。

――
あ、そうなんですか?

元谷
 ……自分、さわやか系じゃないです。

――
ハハハハハハ!

元谷
 そこじゃなくて、岡田選手が「頭脳派だ、理論派だ」と言われていることに対して、「真逆ですね」と言われたんかなと思ってました。なので「自分もそういう感じなんだけどな……」と。

――
ああ、つまり自分もけっこう分析派なのに、と。

元谷
 なんて言うんですか? やっぱり考えたり技術をしっかり持っていないと勝てないんで。岡田選手がホワイトボードにいろいろ戦術を書いていたじゃないですか。あれは書いてあるだけで、自分の場合は頭の中にありますし、べつにノートにもしっかり書いたり、メモったりもしますし。それは一緒なのかな、と。

――
「さわやか」はさておき、そう聞くとたしかに同じ部類ですね。

元谷
 なんか、自分はよく「感覚でやる選手だ」と言われますけど、感覚じゃなくて、もう毎日考えているんで。自分の中のホワイトボードじゃないですけど、あんな感じなのはあります。

――
つまり、「修斗工学」ならぬ「元谷工学」。というか、元谷選手の頭の中のMMA理論は凄そうです。

元谷
 自分のはザックリですよ。ケータイでもノートでも、今日の練習でよかったところとか、細かい技術をパパパと書いたりするぐらいで。でも、頭の中ではずーっと毎日「こっからこの技をつなげて、こうなって……」とかいう流れは続いている感じで。だから、何ページとかいうんじゃなくて、見開きのページにずーっと書き足している感じというか。そのページがどんどん大きくなっている感じですかね。

――
書き足しすぎて見開きのページが巨大化しているという。

元谷
 まあ、そんなに複雑でもないし、自分の中ではちょっとずつ足していくだけなので。

――
それ、ぜひ覗いてみたいです。

元谷
 そうですか?(笑)。でも、そういうのは強い選手はみんな持っていると思います。

――
大会中はほかの試合はご覧になれました?

元谷
 ええっと、会場ではあんまり観れなかったんですけど、昨日の夜にアーカイブで全試合観ました。全体的に面白いカードだったなと思いましたし、やっぱり三角絞めとか朝倉未来選手とかは印象的でしたね。

――
今回、RIZINの話題がYahoo!のトップニュースになったり、ツイッターのトレンドワードになったりしてますけど、そもそも元谷選手から見て「RIZIN、きてるな」というのは感じたりします?

元谷
 いやあ、そうですよね。やっぱりみんなもう凄く知ってるなあと思います。地元も人たちも凄い知ってますし、反響も凄いんで。

――
そこに、朝倉未来選手が「引退も視野に……」という話をされたことで俄然話題に火がつきましたけど、選手としては敗戦時にはやっぱりそういう気持ちになったりするものですか?

元谷
 でも、あれは朝倉選手のことなので、負けたら「引退」とか言うのは決めてたんじゃないですかね? なんか、そのほうが話題になるじゃないですか。

――
ああ~、なるほど!

元谷
 頭いい人なんで、そんな考えがありそうな気がするんですけど。朝倉選手の場合は「引退」と言っただけで盛り上げられるんで。

――
たしかにそういう狙いはありますね。その「引退」に関しては今日さっそく撤回してましたが。

元谷
 だから、話題になって「やっぱり続けます」ということなのかなって。

――
でも、純粋に落ち込んで「もう、引退しかない……」みたいな気持ちになることは?

元谷
 うーん、そう思っても、そんなすぐに口に出しますかね? もし、そんなすぐに口で言ったとしたら、それもある意味、情緒不安定というか(笑)。

――
情緒不安定(笑)。

元谷
 で、次の日に「やっぱり続けます」というのは……、まあやっぱり自分は話題づくりなのかなと思ってます。

――でも、それであれだけの注目を集められるのも、やっぱり朝倉選手の凄いところですよね。そのほか、バンタム級1回戦では扇久保博正選手や井上直樹選手が勝ち上がりました。

元谷 まあでも、あの2人はしっかりとした強さを持っている選手だと思うので。

――元谷選手としては、リベンジの機会もありそうですよね。

元谷
 次に直接対戦したいという気持ちはないんですけど、トーナメントの中で当たったらしっかり倒しますし、結局は優勝してリベンジというかたちになればいいかなと思ってます。

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