この記事は「新日本プロレスでは何かが起こる」……リアルとファンタジーの虚実皮膜を語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)
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ここ最近の新日本プロレスを見ていると、リアリティとファンタジーの境目をなぞるさまは、さすがアントニオ猪木が立ち上げた団体だなって頷くことしきりなんですね。ここ最近というか、じつはここ10年近くずっと感じているんですけど。
オールドファンは「俺の知っている新日本プロレスは変わってしまった」とか嘆きがちじゃないですか。そりゃあ時代が変わっているのに、ずっと同じままだったら飽きられるだろうし、実際に何度も壊れかけた歴史は新日本にあるんですけど。
新日本は昭和の時代から、90年代のドームプロレスまでは「何が起こるかわからない」という緊張感にみなぎり、ハプニング性がひとつの売りでした。試合や仕掛けにはアドリブ性が高くて、事前に何も知らされてなかった当時の副社長の坂口征二さんが「人間不信」の張り紙を置いて失踪することもあったり。大まかに言えば、ある意味で予定調和的世界観だったジャイアント馬場さんのプロレスに対するカウンターでもあったわけです。
ところは90年代のドームプロレス以降は、スタイル的にはアメプロ方面に寄ったことで「新日本プロレスの魅力がなくなった」という酷評をマニア界隈から浴びるわけですが、ただまあG-1クライマックスで誰が優勝するのかを出場選手たちが誰も知らされてなかったり、緊張感が保たれてる環境はあったはずなんですね。
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