アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは盟友の死、コロナで破綻する生活……それでも血を流すデスマッチファイターです!
<1記事から買えるバックナンバー>
オスプレイも加害者? 史上最悪のプロレスセクハラ問題「#SpeakingOut」の衝撃
その後のセクハラ告発運動「#SpeakingOut(声に出して言う)」
「ワン! ツー! スリー!」
割れた蛍光灯の粉塵が舞い、破片が散乱する中、レフェリーがスリーカウントを数えた。満身創痍の己の身体に鞭打ち、この日、3試合目となる過酷なデスマッチトーナメントを制したアレックス・コロン。この日は自分のために戦ったわけではなかった。亡き盟友ダニー・ハボックに捧げるために戦ったデスマッチトーナメント大会だった。
優勝者として自分の名前がコールされると、空を見上げ、天国のダニーに語りかけるアレックス。場内にはダニーのテーマ曲がかかり、観客もダニーの名を叫んだ。何度も天を仰ぐアレックス。そして、ここ最近起きた、いろんな出来事が頭の中を駆け巡った……。
昨年の「TOS 4」(2019年6月1日)で、決勝の対戦相手Gレイバーが開始わずか40秒でリングから落ちて失神。急遽シュラックとジミー・ロイド相手に3WAY戦へと変更されるというハプニングの中、初優勝を遂げたアレックス・コロン。その後、念願でもあった日本遠征を二度体験し、今年のTOS大会で初の二連覇に向け、充実した一年となるはずだった。しかし、当初6月開催を予定されていた「TOS 5」が、新型コロナウイルスの影響で延期となってしまい、非常事態宣言も出され、プロレスができなくなり、ジム閉鎖でトレーニングもできず、プロレス以外に携わっていた仕事も一時休業となってしまった。
そして、アレックスが人生で最も心を痛めたと語る出来事は、やはり、良き友でもあり、メンターとして慕っていたダニー・ハボックが5月31日に急逝したことだった。
そして、アレックスが人生で最も心を痛めたと語る出来事は、やはり、良き友でもあり、メンターとして慕っていたダニー・ハボックが5月31日に急逝したことだった。
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