令和の時代に骨法を堪能しろ! 先日実現したヤノタクこと矢野卓見のDropkickニコ生配信。90年代の格闘技界をリードした喧嘩芸骨法の裏話をたっぷりと明かしてくれたが、その文字起こしをお届けします。 骨法が好きか、嫌いか、ハッキリさせろ!
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――世の中が新型コロナウイルスで騒いでいるこんな時期ですが、今回は生配信というかたちで矢野さんに骨法についてお話をうかがいたいと思います!
――いやでも、骨法は90年代で活動がほぼ停止しているのに、ネットでは骨法人気が非常に高いんですよ。
矢野 骨法の何があの人たちを惹きつけているんですかね? ツイッターとかで「骨法」と検索すると、もうクソみたいな話題しかないですけど。
――クソですか(笑)。たしかにノリで骨法をイジっているところがあるかもしれないですね。
矢野 まあでも、星野源と堀辺師範のコラボ動画はスゲえ面白かった。
矢野 なんかね、あれは安倍総理のギスギスした流れを笑いに引き戻していて、いい感じだったなあ、と。……というか、この流れで高田(延彦)さんのことにも触れときます?
――ええっと、高田さんのことというのは、ツイッター上での矢野さんと高田さんの政治方針に関するやりとりのことですかね。そもそも、矢野さんの政治思想というのは、骨法創始師範の堀辺正史先生の影響を受けているんですか?
矢野 それは、あんまりないと思います。もちろん、先生のお話とかで物事の視点が変わったところはあるんですけど、それよりも、基本的にウチの家庭って「赤旗」を取っていたんですよ。
矢野 ウチの母親のほうのじいさんが共産党の市議会議員をやっいてたみたいで。まあ、世代的にもそういう世代なんでね。だから、自分は「赤旗」を読んで育った少年だったんですよ。つまり、政治に対しては子供の頃から一家言あるというか。
――そういう家庭環境だったからこそ、誰かの政治的発言に疑問を抱いてしまう。
矢野 疑問というか、要は人権だのなんだのってキレイごとを言ってますけど、結局アイツらはイデオロギー優先なんですよ。たとえば、北朝鮮みたいに人権を踏みにじることをやっていても、イデオロギーが近い人間のことは非難しないんでね。そういうのが気持ち悪いなと思っていて。これは、右とか左とかじゃなく、自分の感覚的な部分で。
――そういう点で、高田さんの政治的発言には納得がいかないわけですか。
矢野 高田さん、何かいいことを言おうとしているのは伝わってくるんですけど、薄っぺらいんですよ。
――「いいことを言おうとしている」(笑)。
矢野 須藤元気くんもそうだけど、格闘家で発信力のある人が頭の悪いことを言っていると、俺までバカだと思われてイヤだなって。
――なるほど(笑)。
矢野 元気くんなんかもオレオレ詐欺に騙されている年寄りと一緒で、PCR検査する・しないに関わらず、これだけ出歩いたらダメだとみんなに注意されているのに、何も理解していないというか。なんなんですかね?
――まあでも耳障りがいいんでしょうね。
矢野 でも、アレを支持している人はほんの一部だと思いますよ。本質を理解できてない一部の人が「そうだ、そうだ」と言ってるだけで。だって、PCR検査にしても、あんな精度の悪い検査をして安心してどうするんだよって。ウロウロと出歩いて移すのが一番ダメだと言われているのに、いまさら何を言ってるんだろうなって。みんな理解していることを議員が理解していないのってヤベエんじゃねえの? と。
――そういうところで一時騒然となったのが、矢野さんが高田さんにツイッターでブロックされたということですよね。
矢野 俺が伝えたかったのは、単純に「いま議論すべきはコロナでしょう」と。だけど、そんな言い方じゃ高田さん自身に刺さらないじゃないですか。だから、まず高田さんが「安倍総理や麻生大臣が森友の疑惑を調査しないのは、後ろめたいことがあるからだろ」と書いていたんで、俺が「ああ、さすが“そういう経験”がある高田さん」と。ノリとしてはそういうことですよね。
――つまりは、高田さんにも、そういう後ろめたいことがあるんじゃないですかと。
矢野 俺としては、目に留めてもらうためにちょっと刺したつもりが、どうも相当深く刺さっちゃったみたいで。
――そしたらブロックされたわけですか(笑)。
矢野 だから、俺はある意味賛同したんですよ。高田さんはそういう気持ちがわかるから、こういう主張ができるんだなって。
――もの凄いイヤミですよ! でも、高田さんは本当に◯◯◯をやっていたんですかね? 証拠はないですよ!
矢野 あー、そこは俺もTさんから聞いたんで。
――人の責任にしない!(笑)。
矢野 いや、まずTさんから聞いたのは◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ですよね。控室で彼から「◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯」と聞いたという話と、あとは◯◯◯◯◯◯◯◯ですよ。これはもう、Tさん自身が情報を出しているんで。
――これからヤバイ話は全部「Tさんに聞いた」と言えば、責任回避できそう(笑)。というか、いつか高田さんと会うことがあったら、ぜひ和解してください。
矢野 いや、俺も考えたんですよ。怒らせたらいいことないじゃないですか。ただ、やっぱりここは「コロナの話が優先じゃないですか?」と言わなきゃダメかなって。まあ、そこは俺のメッセージで伝わったと思いますけどね。
――ホントに伝わったんでしょうか(笑)。というわけで、そろそろ本題に入りますが、骨法というのは非常に謎多き格闘技というか、いまの新しいファンにとっては「なんのこっちゃ」ということだと思いますので、いろいろ教えてください!
矢野 たしかに、ゲームとか漫画とかいろんなメディアで取り上げられて、ユーザー側から見りゃ「なんか凄そう」ということだろうし、俺も当時はやっぱり凄いのかなと思ってましたからね。
――廣戸(聡一)さんがいた骨法初期は本当に凄かったという話ですよね。
矢野 俺ね、廣戸さん、知らないんですよ。たしかに堀辺師範が出した本のモデルは廣戸さんとかがやってたんですけど、俺が道場に入門したときにはもういなかったですから。というか、本とかで見ていたメンバーは誰もいないんですよ。
――骨法を支えていた指導員たちがみんな抜けちゃったということですよね。
矢野 だから「あれ? 誰もいねえじゃん」みたいな。その脱退経緯も聞いちゃいけないような雰囲気だったんで。
――矢野さんが入門した当時、練習はまともにされていない感じだったんですよね?
矢野 長時間、同じ動作を繰り返す練習はしていましたよ。掌打の素振りとか、あと足さばきとか。足さばきというのは、踵でスネを蹴るという、それの素振りですね。
――延々と素振りですか(笑)。そういう練習でも、当時は格闘技をやっているという手応えはあったんですか?
矢野 うーん、骨法道場では、寝技や関節技はある程度熟練者がやるような感じだったんで、最初は基本の手技と足技、あとは構えもそうですけど、とにかくそれを徹底的にやるという。
――練習場も2つに分かれていていたんですよね?
矢野 入ったばかりの人は2階で練習ですね。で、骨法の帯を持っている人は3階で先生たちと練習させてもらえるというです。
――帯があるんですね。
矢野 黄帯、オレンジ帯、青、緑、赤だったかな。なんかそんな感じでしたよ。
――矢野さんが入った当時は何人ぐらいいたんですか?
矢野 トータル100人以上はいたと思います。で、月謝が3ヵ月に1回、前払いで3万1,500円。
――けっこうな収入になりますね。ボクがビックリしたのは、道場生なのに先生にご祝儀を渡さないといけないという(笑)。
矢野 そう。そういうご祝儀は年7回なんですけど。
――年7回!
矢野 まずお年賀、お中元、お歳暮、その3回と、父の日、母の日、あとは先生の誕生日と局長(堀辺師範の妻)の誕生日、その7回です。
――それは道場生がお金を払うんですか?
矢野 一般道場生はいつもお世話になっているから2000円以上、そして特訓生は5000円以上という。
――普通、お年賀ってお年玉という意味で師匠から弟子に渡すものなので、まったく逆じゃなんですかね?
――誰がいくら出したかわかっちゃうわけですか!
矢野 生徒の気持ちを集めてお渡しするというのに、なんで金額順に並べて誰がいくら出したかわかるようにするんだよと思いましたよ。
――「2000円以上」となっていても、2000円よりだいぶ多く払うと評価されるということなんですか?
矢野 俺が言われたのは「特訓生は、一般道場生と同じ金額だと恥ずかしいだろ?」と。で、俺は「恥ずかしくないです」と。
――ハハハハハハハハ!
矢野 でも、凄くしつこいんですよ。
――それは堀辺先生や局長の意向もあるからですか?
矢野 というか、先生や局長の意向がないことはやれないですからね。一応ね、いやらしい話だから先生や局長から出た話ではないという体でやっているんですけど。でも、そんなの徴収して金額表と一緒に2人に提出したら「おかしいよな」となるだろうって。
――しかし、けっこうなお金になりますよね。
矢野 まあ「2000円ぐらいだったらいいだろう」ということで広く浅く集めるという目的だったんだろうと思いますけど。池袋に極真のでっかい本部道場ができたときなんて、先生が「骨法会館を建てよう」と言い出して、「キミたちが給料の10%を毎月入れれば実現する」みたいなことを言い出したことがありましたね。
――ハハハハハハハハハハ!
矢野 さすがにみんなドン引きというか(苦笑)。月謝払ってるのに、なんで給料の10%を出さないといけないの? と。もう、考え方が消費税の先取りなんですよ。
――それって、生徒がそれぞれ務めている給与の中身を報告するわけですよね。たとえば「キミは給与が30万円か。じゃあ3万円よこしなさい」と(笑)。
矢野 まあ、そうですよね。でも、具体的に取るみたいな話になったら、さすがにみんな骨法を辞めたと思いますよ。その話された時点で、「さすがにそれはねえだろ」みたいな感じでしたから。
――そうして骨法会館の夢は潰えてしまった。その手の話では、宝くじをみんなで買ったという話もありましたよね。あれも骨法会館を作るためだったんですか?
矢野 いや、宝くじは骨法の大会を開く資金にすると言っていました。それも、先生・局長の提案というかたちじゃなくて、特訓生が提案したという体で一般道場生に説明するんですよ。ある人から「あれは局長のアイデア」「局長に言わされた」という話を聞いたんで。
――それはどういうシステムだったんですか?
矢野 1人につき月300円を集めて、生徒の代表が宝くじ売り場に行って買ってくるという。
――当時、生徒は100人ぐらいいたわけだから、……毎月3万円分。
矢野 俺も何度か買いに行きましたよ。で、当選発表の日に「いくら当たった」「いや、はずれた」とかね。普通の宝くじって連番で買うと10枚に1枚、300円が当たるじゃないですか。だから、だいたい10分の1に減ってましたよね。
――確率どおり戻ってくる(笑)。<明日更新に続く>
ヤノタク次回の骨法トークは5月9日22時から!非会員でもチケット(¥200)を購入すれば聞けます!!
https://live2.nicovideo.jp/watch/lv325516572
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