Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム「MMA Unleashed」――今回のテーマは痛い!怖い!つらい! MMAファイターが語るダメージとケガのリアルです!!


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国内外で毎週のようにMMAイベントが開催されている昨今、われわれ格闘技ファンは、気絶した人や大けがを負った人を見ることに、余りにも慣れすぎてしまってはいないだろうか。そして、勝者の陰に隠れて、試合の直後だけでなく、その後長い間にわたって、リアルな痛みやダメージに苦しめられている生身の人間がいることを、忘れがちではないだろうか。

今回はさまざまなダメージの中から、最も耐え難い痛みだとされるボディショット、長い治療期間が地獄だというアゴの骨折に焦点を当てて、選手の声を集めてみた。これをよめば、MMAを見ることがよりありがたく感じるようになるかもしれない。


第1部 ボディショットの衝撃

●ラシャド・エバンス

いい一発をボディにもらうと、魂が抜かれたようになるんだ。体中を支えている筋肉の張りがなくなるというか、力が抜けるというか。その場ですぐにダウンはしないとしても、パンツの中に漏らしそうにはなる。

本物のボディパンチは、身体の中から殴られたような痛みがある。刺されたのかと思うこともある。余り感じたことのないような、おかしな痛みだ。そして、身体の中がこんなに痛いのは、完全にやばいと感じる。それで動きが止まってしまうんだね。目を打たれて視界がおかしくなった時と似ている。試合のことがどうでもよくなって、2度と目が見えなくなったらどうしよう、という気持ちでいっぱいになってしまうんだ。ボディショットもそんな感じだ。

●トニー・ファーガソン

オレが習ったのは、ごく小さい面積を思い切り殴る、ということだ。パンチングバッグでいえば、揺らすのではなく、折りたたむイメージ。映画『キル・ビル』の突きのイメージだね。エネルギーを集めに集めて、野球のバットを振るかのように打つ。

オレがボディショットを打つ時には、相手の全身に衝撃波が行き渡るよう、できるだけ身体の中心を打つようにしている。相手の身体が吹き飛ぶような感じでね。そうすると自動的に衝撃波がレバーに届くんだ。

●カマル・ウスマン

いいボディを入れられると、その場で漏らしたくなる。本当だぞ。それから、直ちに痛くなるわけではない場合もある。ドスンと打たれてすぐにダウン、ではないんだ。ドスン、お、大丈夫、大丈夫……ああダメだ。これはいかん。そしてかがみ込んでしまう。身体の中で何がおきているのかはよく分からないが、血尿が治らないこともある。

中にはタフなヤツもいてね、いいボディを当てているのに、ポーカーフェイスを崩さないんだ。セルジオ・モラエスがそうだった。「うそだろ、効いてないの?」と焦ったよ。でも後から試合映像を見てみれば、よく分かるんだ。手がずっと下がったままなんだ。ボディを守らなくちゃ、という本能なんだろうね。
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