中井りんが帰ってきた!! 6月9日『DEEP JEWELS 24』のメインイベントで、ムエタイをバックボーンに持つゲウチャイ相手に見事な打撃テクニックで快勝した中井りんインタビュー。師匠のWILD宇佐美館長と共に復帰戦を振り返っていただきました!(聞き手/松下ミワ)
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――そうですよ。こうして対面で取材させていただくのは、じつに2年ぶりです。しかも、6月9日DEEP JEWELS(以下、JEWELS)で中井さんが激勝したばかりなので、非常に感慨深いというか。
中井 激勝、激勝……。いや、ぜんぜん激勝ではありませんでした……(落ち込んで)。
――え! ムエタイで実績のあるゲオチャイ選手を相手に、2ラウンドTKO勝利というのは激勝じゃないんですか?
中井 それが、館長(中井の師匠のWILD宇佐美)や私の中では、全然ダメだったんですね。試合が終わったあと、コーナーのほうに帰ろうとしたら館長がすっごい怒った顔をしていまして。「あー、怒ってる……」と思って、私、リング場で館長に謝ったんです。
――TKOで勝ったのに! どうしてまたそんなことを?
中井 だって……。
宇佐美館長 コホン、正直言いましてね、ボクは怒りすぎてリングに上がる気もしなかったぐらいですよ。セコンドの荒川医師からマイクのメモを渡して、ボクはその場を動かなかったんです。しばらく身動きすることもできず、立ち上がることもできませんでした。今日までやってきた厳しい練習はなんだったんだろうと悲しくなったんですね。あんな相手ただ勝つだけなら、試合はじまってものの十何秒もあれば充分にすぐに勝つこができるんですから!
中井 練習してきたことが全然できなかったので、病気の身体で無理してずっと付き添って一緒に練習してきてくれた宇佐美館長に申し訳ないと思って謝りました……。
――そうだったんですか……。
館長 まあ、今回の試合についてですが、してはいけないと言っていることをして、しなければいけないことをしないというか……。簡単に言うと、何年も前のレベルに戻っているんです。今回の試合について、練習してきたとおりにならなかったので、それからお説教をしたわけなんです。
――高い理想を掲げているからこそ。
館長 でもね、こんなボクだって、中井はちょっとかわいそうかなあとも思っているんですよ。
――と言いますと?
館長 中井はもう誰と対戦しても、勝ってあたりまえの選手になっていますので。ですから、観ているお客さんたちも内容を問うかたちになっていると思うんです。
中井 なのに、練習していたことが試合で出せなかったんですね……。私がもう少し我慢して、館長が立てた作戦どおりにできればよかったんですけど、それができずに終わってしまいました……。だから、だから、私が悪いんです!
――いやいや、自分を責めないでください!
中井 やっぱりそういう目標を持って試合をしないと強くならないというのはわかっているので。競技力を向上していかないとダメだというのは、常々、館長には言われていますから。
――しかし、あんなに打撃が冴えわたっていて、個人的にも「やっぱり中井りんはメチャクチャ強い」と思ったんですけども。
館長 それが、ぜんぜん冴えわたってないんです。練習の10分の1とまでは言いませんけれど、ホント5分の1以下ぐらいでしょうか。
――えっ! あの打撃で!?
館長 いまの日本はまだまだ弱いので、まずそうやって中井が日本を引っ張っていかないといけないですからね。テイクダウンや寝技なら中井は世界中の誰と戦っても勝てるというのはありますから。まあ、とはいえ試合は勝つことが一番大事なので。これは試合後の会見でも言ったんですけど、そういう意味で昨日の試合は30点ということなんです。
――はー、そこまで辛口評価になってしまうわけですか。それにしても今回、中井さんはJEWELS初参戦ということで、メインイベンターという役割とはべつに、開会のあいさつを任されるという大役もありました。開会式では、アントニオ猪木さんの「1、2、3、ダー!!」の掛け声が印象的でしたね。
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