80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマは「レッスルマニアウィーク現地取材レポート」です!
Dropkick「斎藤文彦INTERVIEWS」バックナンバー
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■旭日双光章受賞!! 白覆面の魔王ザ・デストロイヤー
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■職業は世界チャンピオン! リック・フレアー!!
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――フミさんはニューヨーク・ニュージャージー現地取材でレッスルマニアウィークを楽しんできたそうですね。
――4泊6日で東海岸までは大変ですね!(笑)。ニューヨークまで片道12時間のフライトですし。
フミ 日本を木曜日に発って、木・金・土・日とニューヨークに滞在して、月曜日朝6時にニューヨークを出て火曜日に帰国しました。若ければまだいいですけど、本当に疲れましたね。 スターダムのロッシー小川さんともその話になったんですが「これがこなせなくなったら、もう この仕事はできないでしょう」と。
――タフな旅はプロレスの世界にはつきものという。
フミ レッスルマニアウィークということで、現地ではたくさんのイベントが行なわれてました。土曜日の新日本&ROHのMSG興行と、日曜のレッスルマニア本戦。この2つだけは皆さん絶対にスケジュールに組み込んでいたはずですが、インディー系各団体の興行、ファンフェスもいろいろとあったんです。レッスルコンではレジェンド中のレジェンドが現れて、日本人ではJBエンジェルスの山崎五紀さんのサイン会もありましたね。
――ニューヨークで日本食レストランを経営中の!
フミ 新日本&ROHのMSG興行と同じ時間帯にはブルックリンでWWEのホール・オブ・フェイムのセレモニーもありました。
――殿堂入りしたブレット・ハートがスピーチ中に暴漢に襲われるという事件が起きちゃいましたね……。
フミ 金曜日の午後4時からは日本の女子プロレス団体スターダムの『アメリカンドリーム2019』という大会があったんですが、ボクは現地でPPV解説をやらせていただきました。この大会はiPPV形式で配信されたんですが、iPPVとはインターネット上で視聴できるストリーミング形式のPPVで、9ドル99セントで購入できます。スターダムの日本人14選手がアメリカに大移動して、ニューヨークのクイーンズで自主興行を行なって、会場は600人超満員札止め。もしかしたら当日券が必要かもしれない……ということで、小川さんは日本から選手たちのポーズ写真が印刷されたチケットを持っていってるんですが、 ほとんどのファンはネットで前売り券を購入してたんですよ。つまり集まっていたのは本物のマニアなんですね。
――日本から当日売り用のチケットを持参したのも面白いですね(笑)。
フミ 客層は日本のスターダムのお客さんがそのままアメリカ人になったみたいでした。お客さんはほぼ男性で、試合も大事なんですが試合後の物販もまた同じくらい大切。大会自体は5試合で2時間ちょっとのコンパクトなものだったんですが、そのあとは物販タイム。選手とツーショットが撮れて、サインをもらえて、少しだけお話できるチケットを1選手10ドルで販売。それを10枚単位で購入したお客さんがたくさんいたんですよ。
――そこも日本のスターダム興行と変わらないんですね。
フミ 岩谷麻優の列に並んでいたかと思えば、木村花のところに並び直したりしている。物販だけで2時間半近くやってましたからね。日本人でもアメリカ人でもオタク度は変わらないところがあるってことですね。
――日本の女子団体がアメリカで興行を打つなんて滅多にないことですもんね。
フミ いままでもアメリカの興行に日本の女子選手が数名参加することはありましたけど、今回はスターダムの主力選手がアメリカに渡って、リングアナウンサーの選手紹介から入場式まで、いつもどおりの興行をやりましたからね。白いベルト(ワンダー・オブ・スターダム選手権)を懸けた渡辺桃 vs 林下詩美は試合後、誰もキューを出していないのに観客全員が立ち上がってスタンディングオベーションが起きたんです。 その様子を見て、お客さんたちは日本の女子プロレスそのものを見たかったんだなっていう気がしましたね。
――物販を含めて日本の女子プロ直輸入を待ち望んでいた。
フミ これもレッスルマニアウィークならではの熱気ですよね。レッスルマニアは世界最大のプロレスの祭典ですけど、アメリカ全50州と世界60カ国からファンが詰めかけたんです。
――いったいどれほどの経済効果があったのか……。
フミ ニューヨークは観光地でもありますから。例年以上にプロレスファンが集まってましたね。町を歩いていると「この人はプロレスファンなんだろうな」ってひと目でわかるんですよ。アメリカ人なのにバレットクラブの T シャツを着ている人があちこちにいて、レプリカのチャンピオンベルトを肩にかけて悠然と歩いていたり、腰に巻いちゃってる人もいて。
――プロレスファン大確定!(笑)。
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