「危険な技を解禁?」「ブレイクが早いよ!」「攻めてるのに指導?」――議論のタネが溢れかえった今回のQUINTET――QUINTET審判部長にして元祖・総合格闘技原理主義者の中井祐樹先生が徹底解説!な、な、なるほど〜〜と痺れますよ!
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――『QUINTET FIGHT NIGHT2 in TOKYO』も一本続出で面白かったですが、今回のQUINTETはルールに関して議論が起きてますね。「首への攻撃」(一部のネッククランクやネックロック)と「指導」に関してです。
QUINTETルール改訂でネッククランクが解禁に!
https://www.quintet-fight.com/2019/02/08/rule-revision-2/
中井 まずネッククランクに関していえば、今回山田崇太郎選手がこの技で見事に一本を取り続けて。解説のボクが「ネッククランク」と技名を言ったんですけど。これまでのQUINTETでは「頚椎のみをねじる行為」「体重を乗せたネックロック」が禁止だったんですが、山田選手のそれは「絞めを伴うもの」「複数箇所の極め」と審判団が判断したと。
――でも、大会後に「ネッククランクは禁止じゃないのか」という声が相次いだんですね。
中井 もともと桜庭(和志)さんが作成したオリジナルルールでは禁止じゃなかったんです。ただ、ボクらはブラジリアン柔術色が強い審判団だったこともあって「ヒールフックが禁止ならネッククランクも禁止ですよね」ってことで審判団で不可にしたんです。
――それで「頚椎のみをねじる行為」「体重を乗せたネックロック」というルールになったんですね。
中井 禁止しているのは、藤原(喜明)さんが使うような体重をかけて顔を潰すようなものだったり、クルックと言われる足でウエイトをかけてねじるようなものですね。スリーパーのかたちで後ろで密着したかたちは、ネッククランクじゃないからありにしよう、ということになってたんです。
――それがチョークを伴うものはありってことですね。
中井 ただ、それがルールとして反映されておらず、ルールミーティングで選手に周知していたところはあったんですよね。この大会後にも審判団の中で議論がありまして。結局チョークを伴う、伴わないということにしても、技をかけられた選手から「チョークではなかった」というアピールもできちゃうじゃないですか。
――あー、 区分けが難しいってことですね。
中井 文言にするのはなかなか難しい。技名を禁止にしてしまうと、どこまでがその技なのかという議論が付きまとうわけです。それはQUINTETで禁止されているヒールフックの定義もそうで。脇で足首を抑えて腕でひかっけるのは禁止なんですが、手で持っていくぶんにはオッケーなんです。でも、その定義はあくまでボクらの認識なので、ワールドワイルドに持っていけば定義が違う可能性もあるわけです。
――ネッククランクもどこまでが首を極めているのかと。
中井 たとえば、真っ直ぐ後ろから締めるのはいいけど、横からはダメ……という定義したら「この角度はどうなんだ?」という議論は起きちゃうでしょうね。ツイスターも柔術では首を取るとネッククランクになって禁止なんですよ。その代わり道着を引っ張るぶんには背骨だからオッケー。それはブラジリアン柔術の解釈なんですけどね。それでQUINTETの審判団としては議論した結果、ネッククランクを解禁するか、チョークごと禁止にするかの2つしかないじゃないか……ってところに達してしまったんです。
――なるほど、チョークのつもりでも相手は「ネッククランクだ」とアピールできちゃう。そこまで考えないといけないんですね……。
中井 最終的にオリジナルールに戻して、ネッククランクを解禁にしました。 審判団全員で可決しました。反対意見はなかったです。あえていえばボクは若干反対だったんですけどね。それは「安全なスポーツに見えたほうがいい」と思って。
――「見えたほうがいい」。「安全なスポーツであるべきだ」ではなくて。
中井 はい。ネッククランクがあると危険に見えるというのが議論になってるポイントだと思うんですね。
――実際はネッククランクは危険なんでしょうか。
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https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1735789
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