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アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは「WCWを潰した俳優」デヴィッド・アークエット、血まみれの贖罪です


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11月16日、ロサンゼルスで開催されたGCW(ゲーム・チェンジャー・レスリング)の大会「LAコンフィデンシャル」の会場に、ブルーザー・ブロディのTシャツを着た俳優デヴィッド・アークエットが現われた。

会場に入ると、その場にいるスタッフ一人ひとりに握手をしながら、自己紹介をして歩き回った。俳優気取りのようなものなど一切なかったアークエットはこの日、「WCWを潰した俳優」としての汚名を晴らすための大勝負をする。WCW崩壊からのこの18年間は、アークエットは苦しい時間を過ごしてきていた。


1971年9月8日、アメリカ・バージニア州で生まれたアークエットは、祖父、父親、3人の姉、そして、兄も俳優という一家に育ち、子供の頃からプロレスが大好きで、ハルク・ホーガンやアンドレ・ザ・ジャイアントのファンだった。

彼もまた家族と同じく俳優の道に進み、映画『スクリーム』出演で脚光を浴び、俳優としての地位を確立した。そして、2000年に公開されたプロレス映画「Ready To Rumble(邦題:ヘッドロックGo!Go!アメリカン・プロレス)」で主演に抜擢。WCWの全面協力のもと、レスラーも多数出演した映画だった。大のプロレス好きであり、映画の中でも大のプロレスファン役。アークエットにとっては、願ったり叶ったりだったが、この映画に出演したことがアークエットを苦しめることになるとは、このときは思いもよらなかった。

2000年4月、低迷していたWCWの人気回復の起爆剤として、アークエットは一役買うことになった。与えられた役目は “WCW世界ヘビー級王者”になること。

WCWは、 “プロレス映画「Ready To Rumble」に出演した俳優” アークエットをチャンピオンにすることで、普段プロレスを見ない人たちからも注目を浴びることを期待したのであったが、プロレス好きでプロレス映画に出演しただけの俳優が団体の最高峰に就く茶番劇には、ファンはもちろんレスラーたちからも大ひんしゅくを買い、目論見が大きく外れてしまった。あまりにも愚かで陳腐なストーリーラインに、肝心のプロレスファンから愛想を尽かされ、ここからWCWが崩壊へ向けての迷走が始まったとも言われている。

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