まさかMMAの文脈でこんな言葉を耳にする日が来るとは思わなかった、と誰しもがあ然とした、UFCデミトリアス・ジョンソンとONEベン・アスクレンの“トレード”劇。実際には、プロ野球で見られるようないわゆるトレードというわけではなく、UFCがONE行きを前提としたデミトリアス・ジョンソンのリリースに合意、ONEもかねてUFC行きを希望していたアスクレンをリリースしたというもので、UFCとONEが団体同士で選手の頭ごなしに交換を決定したというわけではない。ただ、両者ともに契約試合数をまだ残していた状態だったと報じられており、結果的にはMMA史上初のトレードと同じ効果を生み出したディールとなった。
ESPNの報道によれば、8月のタイトル防衛戦でヘンリー・セフードに敗れたジョンソンがUFCに離脱を申し出たことがきっかけだったという。ジョンソンとUFCはかねて、金銭面で見解の相違を抱えていた。この申し出に対してUFCが見返りにベン・アスクレンを要求、ジョンソンの代理人を務めるFirst Round Managementのマルキ・カワがONEを説得したのだという。ジョンソンのコーチ、マット・ヒュームが、ONEのバイスプレシデントであることも、話が迅速に進んだ要因だった。
ちなみに、ズッファの標準的な選手との契約書には、ズッファが選手の契約を他団体に割り当てたり、ライセンスしたり、移管する権利があることが明記されている。必ずしも想定外の出来事ではないのである。
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