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「おしゃべりアベマ野郎」こと大沢ケンジ師匠が「那須川天心vs堀口恭司」を分析! 



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――ここ最近大沢さんにインタビューすると、進化し続けるMMAの打撃の話になってましたよね。

大沢 そういう話が多かったですね、ミクル(朝倉未来)との対談(http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1659616)もそうでしたし。ボクの中ではMMAは「打撃競技」になってるんですよ。その中で関節技や絞め技でも試合を終わらせることができる。日本の中では組みが強ければ、まあまあ勝てるし、トップにはなれるんですよ。でも、世界で戦うとなると、相手を仕留められる打撃がないと厳しい。その中でも朝倉兄弟とか打撃が強い日本人が出てきてるんですよね。

――そういう話を聞いていたので、堀口恭司がキックルールで戦っても全然強いんだろうなと思ってたんですけど、今回の相手が相手じゃないですか。

大沢 あの那須川天心だからね(笑)。堀口くんは思った以上にやるなって思いましたよ。堀口くんが勝つんだったら天心くんが動きに慣れる前にバコーンと一発当てるしかない……と思っていたら、ちゃんと勝負できたじゃないですか。

――そこが一番ビックリしました。

大沢 ボクのイメージだと、天心くんが距離を詰めて、もうちょっと手数を出してくると思ってたんですよ。距離が詰められていくうちに堀口くんは足が使えなくなって……堀口くんに勝機があるなら、そうなる前に倒すしかないんじゃないかと。

――足が使えなくなる前に仕留める。

大沢 そうしたら天心くんが堀口くんのフェイントにけっこう反応したりして、動きを見ちゃってましたからね。思ったより詰めることができなかった。

――那須川選手は戦前から堀口選手のことをかなり警戒してましたね。

大沢 そこは見たことないモノを見る怖さですよね。やっぱりいままで天心くんが戦ってきた打撃とはまるで別物なんですよ。ソフトボールの一流のピッチャーが投げる球って凄く速いですけど、ソフトボールに慣れていないプロ野球の選手がいきなり打てのるか?って話で。けっこう空振りすると思うんですよね。

――テレビの企画で史上最高の日本人投手・上野由岐子とプロ野球選手が対戦したんですけど、中田翔や糸井嘉男が空振り三振してましたね。

大沢 ですよねぇ。それと同じ話で、フットサルの日本代表なら、サッカー日本代表のディフェンダーを抜けちゃうと思うんですよね。それは動きを知らないから。

――那須川天心でも堀口恭司の動きを初見で捉えるのは難しいってことですね。

大沢 球筋が見えないし、天心くんは自分の土俵でやるから絶対に負けられないプレッシャーもある。たとえばムエタイのトップの選手とやるんだったら想像できたと思うんですよ。それはいま天心くんが戦ってる延長線上にいる相手だから。

――堀口恭司は延長線上にいない相手ではあるんですね。

大沢 天心くんもMMAルールでやったり、MMAファイターとキックで戦ったりしてますけど、堀口くんはUFCのランカーだったわけですからね。天心くんは100メートル走のチャンピオンなんだけど、最後にハードルを一つ飛び越えるみたいな競技をやったようなもんですよ。

――最後にひとつ障害があるだけでいろいろと狂ってくるんでしょうね。

大沢 逆に堀口くんからすれば、天心くんの動きは想像できたと思うんですよ。どんなに強くても「こう戦ってくるだろう」と。だから堀口くんがやり方を変えないで戦ったのは、キックボクサー相手には凄く有効で。今回やりやすかったのは、じつは堀口くんのほうじゃないですかね。

――でも、それは堀口選手にレベルの高い打撃技術がないと無理ですよね?

大沢 堀口くんは自分のフェイントにもの凄く自信があったんでしょうね。総合格闘技っていろんな局面で勝負しきゃいけないじゃないですか。そのせいで打撃のフェイントが進化してるんですよ。たとえばすべての打撃を同じようなモーションで見せる。金ちゃん(金原正徳)なんかのフェイント技術も凄く高くて。まったく同じモーションで同じ場所に違うパンチを続けて打てますからね。


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