この記事は小川直也引退を語ったDropkickニコ生配信を編集したものになります(語り:ジャン斉藤)【関連企画】
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負けたら即引退試合SP、過激な舞台裏「新日本プロレスはあのとき橋本真也がいらなかったんです」 今回は、先日プロレスから引退表明した小川直也について振り返りたいと思います。
この引退を受けて小川直也は2016年2月IGFの青木真也戦が最後の試合となったんですが、ボクはこの青木戦も、そして小川直也のデビュー戦となった1997年4月の橋本真也戦も現地観戦してるんですよ。これはね、自慢することでもないですが、なかなかいないんじゃないかと思います(笑)。とくにIGFのほうは放送もしてなかったので、試合自体を見た人も少ないんじゃないですかね。試合内容はとくに印象に残ってないんですけど(笑)。いやもうここ10年近く小川直也の試合はほとんど見てるんですけど、ホント印象にないんですよね。なぜ印象が薄いのか……を含めて語っていきます。
小川直也は他競技からプロレスに転向した「最後の大物」と言えますよね。バルセロナ五輪柔道の銀メダリスト。193センチ、115キロの巨体。こんなヘビー級日本人がMMAにほしいです。
小川直也がデビューしたのは1997年です。UFCはすでに始まっており、U系ではパンクラスが真剣勝負を足を踏み込んでいて、翌98年にはPRIDEが誕生します。ガチンコがあたりまえのように行われることで、外部からプロレス自体が揺らぎつつある時期ではあったんですね。プロレス内からも全日本プロレスの「四天王プロレス」が全盛を極めていた。猪木さんはかつて「こんなプロレスを続けていたら10年持つ選手生命が1年で終わってしまう」という名言を残しましたが、その言葉がリアリティをもって感じられるのは、ストロングスタイルより四天王プロレスではあったんです。
こうしてプロレス内外から「猪木プロレス」つまりストロングスタイルの存在意義を問われる中、プロデューサー・アントニオ猪木による壮大な実験が始まりました。それが小川直也のプロレスデビューだったんです。
小川直也はデビュー戦のテーマ曲からして異様で。「風の音」だけが流れたんです。なんだこりゃって感じで(笑)。そこからも猪木さんが既存のプロレスからの脱却を狙ってることが伺えますよね。結局猪木さんのプロレスって「一寸先はハプニング」という言葉に表すように、観客の裏をかきたい傾向が強いんです。セオリーどおりのものを見せたくない。
そういう意味では、小川直也がデビュー戦で「IWGPヘビー級王者の橋本真也に勝つ」ことはサプライズではあったんですが、1ヵ月後大阪ドームのリターンマッチで星を返すということは、猪木さんからすれば不服ではなかったのか。プロレスの様式美のひとつ「いってこい」ですら、猪木さんは覆したかったんじゃないのか……って話は後に繋がります。
デビュー後も小川直也は巡業に出ることはありませんでしたが、ドーム路線だった当時の新日本に合ってはいたんですけど、プロレスの基本的な技術を覚える機会を失ったとも言えるんですね。小川選手のパートナーだった村上和成選手はインタビューでこう言っています
村上 だからプロレスの練習をしたことがなかったんですよね。それに猪木さんが小川さんに出した指令が「村上にはプロレスの練習をさせるな!」ですから(笑)。
――ハハハハハ! プロレスをやるのに!
村上 「おまえは本能のままに戦え!!」と。それはいまでもそうなんですけどね。受け身とかは現場で勉強していくというか、「これは痛いな」「このまま受けるとヤバイな」ってそんな状態。だから最初は「なんでみんなロープに振られるんだろう?」ってバカにしてたんですけど。でも、ちゃんと背中にロープを当てて返らないと危険なんですよね。
――ロープの中には鉄のワイヤーが入ってるから、ヘタに受けると危険ですね。
プロレスデビューしながらプロレスに交わらなかった小川直也に、プロレスラー人生を大きく変える試合が訪れます。いまなお語り継がれる通称「1・4事変」、橋本真也とのシュートマッチです。
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コメント
コメントを書く(ID:3784289)
小川直也を通して改めて知る橋本真也の偉大さ。リアルタイムで両雄の戦いを観ることができて幸せでした。
(ID:2309109)
プロレスはやられて覚える所が大きいから格闘技で実績のある選手が転向してきても難しいよね