米国時間4月8日(日)にニューオーリンズのスーパードームで開催されたWWE年間最大のイベント、『レッスルマニア34』は、アスカ、中邑真輔、ロンダ・ラウジー出場もあって、日本人ファンやMMAファンにとっても注目度が高い大会だった。そこで今週は、この3選手の試合について、米国メディアがどのように伝えたのかをまとめてお伝えしよう。
●シャーロット・フレア def. アスカ(WWEスマックダウン女子タイトル戦)
(Figure Four Weekly, Bryan Alvarez記者)
シャーロットは3人のグラジエーター風の男と入場。昨年のレッスルマニアでは、シャーロット自身がHHHに付きそうグラジエーター女子だったことを思うと感慨深い。
アスカがエプロンのシャーロットをヒップアタックで場外に吹き飛ばす。アスカがバックを取ってスリーパーホールド、しかしシャーロットはスタナー風に自分のお尻を落としてアスカを振り払う。シャーロットがムーンサルト、アスカがそれを捕まえて三角締め、シャーロットがそれを切り返してボストンクラブ。アスカがエプロンでシャーロットにブレンバスター、2人とも場外マット上に転落。シャーロットがスピアでニアフォール。そこから8の字固めを極めるとアスカがタップ。アスカの一本負けという驚きの結末に。アスカの連勝記録が途絶える。フィニッシュではかなりの盛り上がり。アスカがシャーロットに「シャーロット・ワズ・レディー・フォー・アスカ」と告げ、抱き合って祝福。
(Figure Four Weekly, Joseph Currier記者)
アスカの連勝記録を止めるタイミングとしては、これが良かったとは思わない。チャンピオンになれば、アスカの価値はさらに確立されていたはずだ。しかし、負けなければならないとしたら、こんな風に負けるべきではあった。つまり、試合はすばらしかったし、舞台はレッスルマニアだし、相手もしっかりした選手だったのだ。
(筆者の観察記)
ウィークリーベースでWWEを追いかけているわけではない筆者にとっては、まずはリック・フレアの娘シャーロットの入場シーンが印象的だった。女リック・フレアにふさわしい、ド派手できらびやかなコスチュームでゆっくりと入場、ゴールドの照明を浴び、歩きながらもったいぶってガウンを脱ぎ捨てる様も好ましい。
ただ、シャーロットはヒールではないからなのか、元々のアスリート体質のせいなのか、親父(おやじ)のイヤミっぽさに比べるといささか上品すぎる(もっともクセの強さで親父を越えるというのは無理筋かもしれないが)。入場テーマは親父譲りの『ツァラトゥストラはかく語りき』、ただしEDMバージョンに編曲してある。水平チョップの打ち方や、コーナーに振られるとなぜか1回転してそのまま場外に落ちるムーブなど、試合中にもそこかしこに遺産を引き継いでいる模様であるのは、いちいち腑(ふ)に落ちる。
試合は“Empress vs. Queen”と謳(うた)われていた。アスカがEmpress、シャーロットがQueenということのようだ。アスカのニックネームがいつのまにか、”Empress of Tomorrow”になっている。アスカは漢字で書くと明日華のようなので、Tomorrowは分かるのだが、Empressはおそらく女性天皇もしくは皇后という意味なのだろう。あまり直接的に日本語に直さずに楽しむ方がいいかもしれない。
筆者の目にはアスカが1人で攻めて、1人でやられているような試合に見えた。
シャーロットもアスカが相手でなければこんな試合はできないのではないかと思えてならなかった。良い試合だったのだが、試合時間は12分強と短く、本来ならまだまだここからギアが上がるべきところ、フィニッシュ唐突にやってきた印象だった。8の字固めというと筆者などは、ジョニー・パワーズのあの不可解なレッグロックを思い出すが(4の字の倍痛い、と触れ込みだったが、どこがどう8の字なのかがさっぱり分からないのだ)、シャーロットの8の字は、4の字固めをかけたまま大きくブリッジをするというもので、身体全体を見れば確かにねじれた8に見えるということなのだろうと了解した。シャーロットがなぜ、片手でブリッジをしていたのか、なぜ試合後に泣いていたのかは筆者には分からなかった。なおオブザーバーは、アスカはどうやらフィニッシャーのアームバーの使用禁止を命じられていたらしいと報じている(ロンダと被るかららしい)。
この続きと、朝日昇、アンドレ特番、宮戸優光×中井祐樹、レッスルマニア、安田忠夫、RIZINジャッジ対談などの記事がまとめて読める「15万字・19本の記事詰め合わせセット」はコチラ
この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!
コメント
コメントを書く