Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム「MMA Unleashed」――今回のテーマは米MMA・プロレスニュースサイトが振り返る2017年! 



年末年始になると米MMA・プロレスニュースサイトはこぞって、年間まとめ記事を掲載する。主要サイトのほとんどが、年間ベストファイトや年間ベストファイター、ベストノックアウト、ベストサブミッション、ラウンドオブザイヤー、ルーキーオブザイヤーなど、さまざまなくくりで年間ベストを選定し発表している。それらの中から今回は、MMA Unleashed的に気になったランキングをいくつか、解説付きで紹介してみたい。


●MMA Fighting選定の『2017年トップMMAストーリーライン』

最大手MMA Fightingでは、2017年MMA界の重要ニュースを5本選定している。

5位 相次ぐ計量失格

……2017年のUFCでは、38大会のうち実に36大会で、計量失格選手が出たり、大会当日もしくは数日前に選手の急な欠場が発表されたりした。そのほとんどが、急激な減量を原因とするものだ。欠場選手が出ない場合でも、公式計量の時間になかなか選手が現れないなど、息詰まるシーンがしばしば見られた。

3月のUFC 209では、ハビブ・ヌルマゴメドフが減量中に入院、トニー・ファーガソンとの暫定王座戦が流れた。UFC 210ではダニエル・コーミエが、タオルを握りしめて計量に合格するという茶番があった。UFC 213とUFC 215では、減量に起因する原因でタイトルマッチが2試合流れている・・・

4位 マネー、実績、暫定タイトル

……これは古くさいテーマではあるのだが、ベストなファイターが必ずしも、最も稼ぐ選手ではないことが問題なのだ。選手がUFCのチャンピオンになった途端に、コンテンダーよりもマネーファイトに興味が向くのは当然のことではある。UFCにしても、チャンピオンにマネーファイトをさせればメリットが享受できる。

MMAを純粋なスポーツとしてみたい人、タイトルマッチは実績だけに基づいて決定されるべきだと考えているハードコアなMMAファンにとって、2017年にUFCが取った方向性には不満が残るだろう。プロモーターにはこういう傾向が常にあるとはいえ、2017年にはこの傾向がかつてなく強まった・・・大企業というのは、短期的な現金収入を取りに行くものなのだ。本当の問題はこうだ。「マネーファイトが、新しいスターを作り出すのに、役に立っているだろうか」・・・


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