向かって左がシュウ・ヒラタさん。インヴィクタで勝利した魅津希選手と勝利の記念撮影
©Invicta Fighting Championship
多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるDropkickニコ生配信コーナー。深くてタメになるトークを活字でもお届けします! 今回お送りするテーマは「選手の売り込み」です!(4月に配信された一部を書き起こしたものです)。
――シュウさんがマネジメントする井上直樹選手のUFC参戦が発表されました。おめでとうございます!
――前回の生放送では「これからUFCと井上選手の交渉をする」というお話でしたね。
ヒラタ UFCが井上選手に興味を示したのはグラディエーター王者だった南出(剛)選手との試合だったんですよ。打撃戦の末、2ラウンドの判定勝ちだったんですけど。井上選手の戦績を見ると、7つの一本勝ちに目を引くのでグラップラーだと思われてるんですね。でも、UFCはその試合映像を見て「なんという卓越したボクシングテクニックを持ってるんだ」と驚いたんです。ボクサーのようなヘッドムーブメントができたり、ディフェンス技術が凄い。打撃も寝技もできる理想のMMAファイターという評価を受けたんですね。
――UFCのアンテナに引っかかったんですね。
ヒラタ そのあとにモンキー(柴田monkey有哉)選手に一本勝ちしたじゃないですか。モンキー選手はDEEPで和田竜光選手とタイトルマッチをやったほどの選手。その相手に完勝できたことも大きいです。前回の試合はここ最近の中ではあまり内容はよくなかったんですけど、それだけではUFCは評価しないんですね。いまのUFCは若くて才能のある選手と積極的に契約してるんですけど、それには理由があるんです。5月にUFCの新社屋がラスベガスにオープンするんですよ。関係者は新社屋を「キャンパス」と呼んでるんですけど、まさに大学のキャンパスのような大きな敷地の中にビルがバンバン建っていて。その中の一つがトレーニングセンターなんですが、そこでTUFをやったりしてこれからの若い選手を育てていこうとしてるんですよ。なのでUFCが若い選手が求めていることはわかっていたんです。
――売り込んだ時期もよかったんですね。
ヒラタ じつをいうと、井上直樹選手の話はずいぶん前からUFCとはしていたんです。日本のファンや関係者の一部のあいだでは「堀口恭司選手が抜けたら日本人枠に入れたのでは?」みたいな意見が聞かれますが、堀口選手が抜ける前からマッチメーカーのミックからは「契約したいと思う」とは言われていたんです。ちなみに佐々木憂流迦選手の再契約の話も、堀口選手のUFC離脱が確定するかなり前からしており、最終的にファイトマネーとか細かい条件で合意したのが、たまたまタイミング的に堀口選手が抜けたあとになっただけなんですね。ですからみなさんが思っているほど、日本人選手は何人ぐらいが必要だみたいな「枠」というのは存在しないんです。
――シンプルに優秀だったら契約するってことですね。
ヒラタ UFCは世界のトップのファイターたちと契約する、というのがモットーですから。井上直樹選手の対戦候補は3人くらいいたんですけど、みんな20歳や21歳で。各国からイキのいい若手を集めてくるんですね。日本の19歳20歳で将来性のある若手は、井上直樹選手と那須川天心選手の2人だったんですけど。
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