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2017年一発目のイベントを終えたRIZIN。旗揚げ当初と比べて選手の若返りが図られたイベントにはポジティブな雰囲気が漂っている。こうなったら「ラ・ラ・ライジン♪」と明るく踊るしかない!!  というわけで、大晦日を振り返るインタビューが好評だったRIZIN広報・笹原圭一氏に明るい未来について語っていただきました。RIZINの夢の国なのか――?


<前回記事>
【1万3000字の激語り!!】RIZIN広報・笹原圭一インタビュー「RIZINはいま何を考えているのか?」
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――横浜アリーナのプロレス格闘技興行ってあまりいい印象がないんですね。だからってわけじゃないでしょうけど、最近はあまり使用されてなかったですし。

笹原 ボクもそこが気になってましたねぇ。横浜アリーナのバックステージには、いままで行なわれた過去のイベントの名前が一覧になってるんです。「なつかしいな……」って眺めていたら、『PRIDE.2』と『ハッスル2』の名前もあって。

――うわあ……伝説のズンドコ興行の!!(笑)。

笹原 どちらにとっても横アリ初進出だったんですが、もうイヤな記憶しか蘇ってこない(笑)。大会前にそんなものを見ちゃって不吉な予感しかしなかったんですけど、フタを開けてみたらほとんどが好試合で。

――面白かったです。でも、笹原さん。いい興行のあととは思えないほど、疲れきった顔をされてますね(笑)。

笹原 いやあ、もう疲れましたね。なんでこんなに疲れたんだろ? 思い出すだけで疲れますねぇ。

――笹原さんはやることが多そうですね。

笹原 メインの広報以外にも、イベント全般に関わっているので、何かあると「笹原、アレどうなってる?」と来るわけです。「んあー」とか言ってしらばっくれられれば楽ですけど、まぁ当然そんなことできないので、走り回ったり、調整したりで。それが終わってホッとしたというより、次回に向けて改善しなきゃって考えると、吐き気がするほど疲れるわけです(笑)。

――「ゴールのないマラソン」なんですね(笑)。

笹原 ホント大変ですよ。たとえば決められた人間しか控室に入っちゃいけないとか、いろんな決まり事があるんですけど、格闘家や関係者ってけっこう自由な方が多いじゃないですか(笑)。

――「◯◯選手の応援に来ました〜!」ってパスもないのに控室にズカズカと入ってくるイメージがあります(笑)。

笹原 警備員がいても、選手や関係者と一緒に紛れて入ってきちゃう場合があるんですよ。あとは、「リングサイドに〇〇さんが勝手に座ってます」とか「私の分の弁当が足りないんです」とか、とにかくありとあらゆる報告や、相談事が来るわけです。それを一つずつ捌いてたら「10年持つ身体が3〜4年しか持たない!」みたいなことですよ。

――ストロングスタイルな役回りなんですね(笑)。

笹原 今回も規定より多い人数で入場しちゃった選手もいましたし。「止める間もなく入って行っちゃったからどうしようもなかったです」という報告があったんですけど、「テメェ、死ぬ気で止めろ!」と言いたいんですけど、運営のシステムがまだまだ完璧じゃないという現実もあるし、選手や関係者側にも「まぁこれくらいなら許されるでしょ」みたいなところもあるわけです。

――そういえばPRIDEやDREAMと違って入場がスッキリしてたのはそういうことなんですね。

笹原 そうなんです。今回から一緒に入場できるのはセコンドだけにしたんですよ。みんなあの花道を歩きたいんで、制限しないと平気で20人くらいで入場してくるんですよ。

――グレイシートレインとシュートボクシングのセクシーなラウンドガールだけですよ、大人数でも許されるのは!

笹原 あと今回のRIZINには、じつは蝶野(正洋)さんが来てたんですよ。KINGレイナと戦ったジャジー・ガーベルトと蝶野さんは仲がいいんです。

――ああ、ドイツ繋がり。蝶野さんの奥さんはドイツ人ですもんね。

笹原 そうそう。ジャジーって小さい頃から両親が不在の環境で育っていて。ジャジーは蝶野さんのことを“日本のお父さん”として慕ってるんです。それで大会数日前に蝶野さんのマネージャーから「激励に来たい」という連絡があったんですよ。蝶野さんと会うのは破壊王(橋本真也)の葬儀以来になるのかな。そのあとボクは『ハッスル』で蝶野さん風のキャラクターに扮して「アイ・アムGM!」って好き勝手に叫んでましたけど(笑)。

――それはガッテムな再会ですね(笑)。

笹原 で、たとえ蝶野さんでも、規則として選手の控え室には入れないんです。そんなことを言ったら「なんで俺が控え室に行けないんだ!エーオラー!」とか言われるんじゃないかとビビリながら説明したんです(笑)。まぁ当然ですけど、蝶野さんは非常に紳士で、そんなワガママを言うこともなく、運営本部にジャジーを連れてきて、そこで談笑してもらったんです。

――そこで無理をいわないのが蝶野さん。大人ですねぇ。

笹原 蝶野さんクラスの大物ならジャジーの控室に連れて行っても誰も文句は言わないんでしょうけど、ルールをこうと決めたら、誰かが絶対に守ってピリピリした空気を出しておかないと、運営って回っていかないですからね。 

――今年のRIZINは大会数が増えてますから、もっと忙しくなりそうですね。

笹原 次は7月ですけど、ゴールデンウィークがあいだに入ってるんで、じつはもう時間がないなぁ。カードも決めなくちゃいけないし、もっと運営も強化しなくちゃいけないし、やることは山積みです。

――今回のRIZIN横浜大会は2007年一発目の興行でしたが、2006年の一発目と比較すると顔触れはガラリと違いますね。

笹原 圧倒的に若返ってますよね。昨日の一夜明け会見に出た選手で30代は川尻(達也)選手ひとりだけですからね。大会を通してPRIDE経験者は川尻選手だけですし、男子も女子も新しい選手が出てきてることは喜ばしいことです。

――カードからして昨年より充実してますが、なかでも堀口(恭司)選手の獲得は大きいですね。

笹原 いやあ、全然違いますよね。イベントに説得力が出てきますし。それにしても堀口選手は本当に強かったなあ……。戦った元谷(友貴)選手は試合が始まって数分で「これはヤバイ……」って堀口選手のレベルの高さを感じたそうですし。
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――
その元谷選手は大ケガを負ったそうで。

笹原 靭帯を損傷して、目と耳もケガしているみたいで、全治3ヵ月らしいです。元谷選手だから最後まで立っていられたんだと思いますよ。

――元谷選手クラスでも、こうなっちゃうんだという驚きがありました。

笹原 差はあるんだろうなとは思っていましたけど、あらためてそれを見せつけられて、試合を見ていて言葉を失いましたもん。で、今年はその堀口選手を軸にバンタム級GPをやりますけど、フライ級にもいい選手がたくさんいますし、軽量級の選手は本当にチャンスがありますよね。

――当初はクロン・グレイシーの階級に合わせたGPの開催を予定してましたよね。

笹原 そうなんですよ。『FUJIYAMA FIGHT CLUB』の「誰がギャビを殺るのか」じゃないですけど、「誰がクロンを殺るのか」というテーマでGPをやりたかったんです。クロンとは交渉して最終的にはGPに出ること自体に前向きな回答をいただいてたんですけど……ひじょうにですね、アレがお高いんですよね(笑)。

――ハハハハハハ! 決勝まで残ったら大変なことになってしまうほどアレですか(笑)。そこはグレイシーですねぇ。

笹原 そこはホントに妥協しませんよ。クロンって親父のヒクソンに猛反発してるんですけど、そこは親父譲りです(笑)。

――技術と精神、そしてマネジメント能力を受けついでいる(笑)。そこは日本におけるグレイシーの商品価値がわかってるということですよね。

笹原 クロンはONEやベラトールとも話をしていたみたいですけど、グレイシーの価値が一番わかっているのは日本じゃないですか。

――でも、その話を聞いてちょっと安心しました。そんなにアレがお高くなってるということは、いまのところUFCやベラトールは手を出さないだろうなって。

笹原 でしょうね。UFCなんかは「イチからやってよ」という話になるでしょうし。

――今後もクロンはRIZINに継続参戦するということですね。

笹原 ワンマッチで出てくることになると思います。クロンのことなので、何を考えているのかわからないですけど。「バンタム級に落としてGPに出る!」とか言い出しても私は驚きませんよ(笑)。

――そのクロンの階級のGPを断念して、バンタム級GPが浮上したと。

笹原 やろうと思えばフライ級GPもできたんですけど、フライには新しい選手が多いのでしっかりと炊いてからやりたかったんですね。バンタムには所(英男)選手や(山本)アーセン選手もいるし、そこに以前バンタムでやっていた堀口選手が入れば面白そうじゃないですか。




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