伝説のプロレス団体UWFインターナショナルでデビューして、キングダム、リングス、PRIDEと渡り歩いた日本格闘技の生き証人金原弘光が格闘技界黎明期を振りかえる連載インタビュー。今回は先日引退を表明したダン・ヘンダーソンについて!
――金原さんがリングスKOKで対戦されたダン・ヘンダーソンが引退します。最後の試合となったマイケル・ビスピンとのタイトルマッチも凄い試合でした。
――ダンヘンはその時々で一番稼げる場所を転々としましたね(笑)。
金原 あの歳であそこまでやるって凄いことだと思うよ。歳を取ってくるとさ、運動するだけでキツイんだよ(笑)。
――動くだけでしんどい(笑)。
金原 今回の試合だけ見ると、まだまだやれそうだけど、コンディションを維持をするのが大変。俺もいまでもトレーニングをするのは苦じゃないけど、試合に勝つためには追い込まないといけないでしょ。
――追い込みが難しいわけですね。
金原 しかも総合格闘技は全身を使うでしょ。歳を取ると身体も衰えてケガをしやすいからね。減量すると水分が足りなくなって筋肉繊維が切れやすくなって肉離れもしやすくなるし。
――ダンヘンって5歳のときからレスリングを始めて、バルセロナとアトランタ五輪に出場して、その後はMMAで闘い続けて、40年間ずっと戦闘モードだったということですよね。なんちゅう精神力と体力ですかね(笑)。
金原 やっぱりレスリングのオリンピックに出るヤツって身体能力がとんでもなく高いよね。昔、日体大レスリング部に練習に行ってたけど、みんな体力がハンパじゃないし。
――実際にKOKで戦ってみてもそこは感じました?
金原 あのときは1日2試合だったんだよね。1回戦はジェレミー・ホーン、2回戦はダンヘン。前田(日明)さんから「キツイかもしれんが頼むな」って言われて。
――ひえ〜(笑)。
金原 当時ジェレミー・ホーンは20連勝してるときかなんかだし、ダンヘンはオリンピックレスラーだし。やっぱりオリンピックレスラーの体力と強さは感じたよ。関節技は荒っぽさがあったけど、とにかくフィジカルが強かった。体重は同じなのに力がとにかく強いんだよ。
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