事情通Zがプロレス業界のあらゆる情報を線に繋げて立体的に見せるコーナー「プロレス 点と線」。今回は対戦相手が難航した飯伏幸太のIGF大阪大会について!
――新日本プロレス「BEST OF THE SUPER Jr」リコシェ vsウィル・オスプレイの大空中戦が絶賛されまくる中、90年代最強外国人ベイダーが「プロレスはダンスや体操じゃない!」と張本勲ばりに「喝ッ!」を入れましたね。
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――新日本プロレス「BEST OF THE SUPER Jr」リコシェ vsウィル・オスプレイの大空中戦が絶賛されまくる中、90年代最強外国人ベイダーが「プロレスはダンスや体操じゃない!」と張本勲ばりに「喝ッ!」を入れましたね。
事情通Z 「これはプロレスか、プロレスじゃないのか」……いつの時代にも巻き起こる議論だよね。こうやってアーダコーダ考えることもプロレスの魅力のひとつであって。
――そして、いつの世も、じつは否定されると求心力は高まります。やっぱり人間って自分が信じているもの、応援してるものを否定されると燃えるじゃないですか。
Z 世界中からオスプレイvsリコシェが注目され、おおいに議論されたことで箔が付いたって感じはある。この試合映像を期間限定ながらYouTubeで無料公開した新日本は「しめしめ……」と思ってるはず(笑)。
――こうなると、この試合に否定気味のコメントを出す人間が狭量っぽく見えちゃうんですけど、これって好き嫌いの話でもあるじゃないですか。
Z そこは人それぞれの好みになるよね。たとえば、いま全日本プロレスのジュニアヘビー級チャンピオンは青木篤志選手なんだけど、竹田誠志選手や佐藤光留選手を相手に関節技中心の攻防をやっている。そこはあえて狙ってやってるわけじゃないと思うけど、「新日本がその方向なら、全日本はこうだ!」ってコントラストが分かれてていい感じなんだよね。だから、どのスタイルでファンを熱狂させるのかって話で。
――「プロレスかどうか」ではなく「どのプロレスで勝負するか」と。そこで本題ですけど、どこで勝負したいのかが伝わってこないのが我らがIGFなんですよね。
Z リコシェvsオスプレイから無理矢理IGFに話を結びつけるあたり、さすがIGFのことを最も真剣に考えているマスコミだ(笑)。IGFは数ヵ月に一度の興行ということもあって、行き当たりばったりになりがちだし、MMAも混ぜたりしてて勝負したいスタイルが見えてこないのはたしかだね。
――前回のメインの小川直也vs青木真也も、格闘家としての個性を活かすわけでもなく、水平チョップの応酬をしたり、どこかで見られるプロレスだったりして。多くのプロレスファンはIGFを見たことないから、凄く尖ったプロレスをやってるイメージを持ってると思うんですけど。
Z 実態が見えづらい北朝鮮みたいなもんだ。
――鈴川(真一)選手のシングルマッチはおかしなことをやりがちなんですけどね。前回の天田ヒロミとの異種格闘技戦はどう見ても制約ありのガチンコでしたし。
Z 届きづらい試合なのによく身体を張るよね(笑)。ちなみに多くの選手たちが今回の大阪大会から「IGFの体制が変わった」と公言してる。いつも以上にドタバタしちゃったのはそのせいなんじゃないかな。
――IGFの中国進出に力を入れてるIGF関係者の会社が大阪にありますし、今回の大阪開催はそのラインなんでしょうね。
Z でもまあ以前からIGFの現場自体は変わってないというか、誰かが仕切ってる感じはしない。
――ああ、たしかにIGFって現場監督が不在の印象が強いんですよね。MMAルールを導入する前は、宮戸(優光)さんが現場監督的な役割をやってましたけど……。
Z 結局、猪木さんの娘婿サイモン猪木さんが団体のトップに変わりはないんだけど、リング上の方向性をバンと打ち出すわけでもない。「いつもと違う」といえば、今回は外国人選手が王彬(ワン・ビン)選手だけで、インディ系の選手がたくさん上がったこと。あとギリギリまで「猪木さんが会場に来ないんじゃないか」っていう噂もあった。
この続きと、保坂秀樹、橋本真也の不倫と死、クリス・ベンワー、BABYMETA×NXT、リコシェ vs. オスプレイ論争などの記事が読める「13万字・詰め合わせセット」はコチラ
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