「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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今回は、2020年05月12日(火)配信その1をお届けします。
次回は、2020年7月7日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2020/05/12配信のハイライト(その1)
- 定額給付金と「仕事やった感」問題
- 緊急事態宣言とは何なのか
- コロナに関するSIRモデルと「説明できない日本の幸運な状況」
- 集団免疫とエチルアルコール配布について
定額給付金と「仕事やった感」問題
山路:また今日も、コロナの話になっちゃうんですけど。
小飼:ねえ。
山路:前回、緊急事態宣言、今回の放送までには解除されているかどうか、アンケート取って、7割の人が解除されてないだろうと言って、私は解除されているほうにかけたんですけども、皆さんのほうが正しかったですね。
小飼:でもそうはいっても3対1くらいなので、だからちゃんと十分な数の少数派はあると。
山路:いやいや、これただその緊急事態宣言という、解除とか言うけれど、いまだにまだ何を持ってして解除っていうことが、はっきりしてない。
小飼:そもそも緊急事態とは何だといって「~しないで下さい。お願いします。」と言えるだけで、「~するな。」まで言えないんですよ。
山路:何か店もやってたりやってなかったりとか。何となく非常に普通に通勤しているサラリーマンは通勤してるし、なんだかよくわからない、しかし。
小飼:なんといっても、通勤辞めろって言ってないしね。ただ東京都みたいに少しはアグレッシブに、休んだら協力金出しますよというところも出てきて。それでそうだ、質問だ。協力金といえば、全員が貰える協力金、1人10万円のやつ。
山路:はいはい。先、そっちからやっていきますか。
小飼:さっそく聞いてみましょう。はい、お願いします。皆さん10万円貰いましたか? あとのほうが人が多くなってよかった。まあいいや。
山路:ええと。
小飼:そうなんですよ。1番の、まだ申し込みが始まってないというのはですね、これ自治体ごとで、始まったところというのは5月1日にいきなり始めてくれたんですけれども、僕が住んでるここ、東京都中央区はですね、今週の金曜日です、申込み開始できるように。
山路:ああ、そうなんだ。3日後なんだ、へえ。
小飼:何でこんなに遅いのか。
「カードが届いてない」(コメント)
「月末から書類が届くらしい」(コメント)
小飼:マイナンバーカードがあれば出来るという、Web申請のほうが先だというのは、どこの自治体もほぼ共通してるらしいですけどね。
(スタッフ:じゃ結果出しまーす。)
小飼:はい、お願いします。おお、でももう2割いらっしゃいますね、受け取った、申し込んだというのは。
山路:私も申し込んだ方ですね。
小飼:いつ? 何日でした?
山路:確か、始めますよって初日のところではなかったんですけど、2、3日後には確かもう申し込めるようになって。
小飼:2、3日ほう。
山路:iPhoneからマイナンバーカードで、やりましたけどね。
小飼:ということは「申し込んだ」が2割いるということは、少なくともこの2割の方というのは、マイナンバーカードをお持ちなわけですね。マイナンバーカード、なんちゅう名前だ。
山路:アハハ。
小飼:でも日本語で言ってもな、個人番号カードだから、カードは結局入っちゃう。
山路:弾さんは、マイナンバーカードは持ってない?
小飼:じつは持ってます。
山路:いやそれにしてもあの、マイナンバーカードでの申し込み、簡単みたいな話あったけども、私いちおうそのマイナンバーカードのための暗証番号もきちんと控えて、パスワード管理ソフトで管理してみたいなことをやって、何とか申し込んだんですけど、あれめちゃめちゃわかりづらいですよね。
小飼:わかりづらい。
山路:わかりづらい。そもそもの仕組みがわかりづらい。あれパスワードがあって、署名用のパスワードがあって、それ以外にも暗証番号が4通りくらいあって。
小飼:要するに複数の機能を抱き合わせていて、そのどの機能にアクセスするかによって、別々のパスワードが割り振られているというふうに考えればいいんだけども。
山路:だけどそれが、結局なんの時に使うものなのかっていうのも、よく説明されてないし。
小飼:でもそもそも、あれですよね、もう現代のスマホ使い、特に日本の場合は半数がiPhone使いですけれども、が、わざわざ別のカードを使う都度押し当てて、カードのほうに鍵が入っているという状況はもうかったるくて、やってられないけどね。
山路:うんうん。
小飼:というのもiPhoneそのものが、いろんなところで鍵として使われているじゃないですか。
山路:なんかあんなのソフトウェア的に出来なかったのかなと思いますけどもね。そのiPhone自体を管理するような方向で。
小飼:そもそもの設計で、iPhoneを鍵にするというふうにいうと、それはiPhoneを持っている人はいいんですけども、iPhone以外のスマホもカバーしないことには。それはちょっと公平性があれでしょう。
山路:そういうアプリ的なものを鍵として配布するっていうのは、物理的なカードを配布するよりもよっぽど難しいことなんですかね?
小飼:なんだけれども、たとえばじゃあiPhoneで既存のSuicaを読み取って、iPhoneのほうをSuicaにしましょうという時には、1回だけ読むでしょう。
山路:ええ、ええ、ああいう感じのことが。
小飼:うん、だからああいう感じの設計というのは、当初から出来たはずなのに、何でしなかったんだろうね?まあ設計した人たちの未来を読む能力というのか、こうすれば皆使ってくれるんじゃないのというのが、あまりになさすぎますよね。
山路:これコメントで「2つパスワード使った」「パスワード3つくらい作った」ああ、2つパスワード使ったというのは、2回位パスワードを間違えたということなのかな?
小飼:どうなんでしょう。じつは確か4種類あるんですよね。4種類あるんだけども。
「パスワード間違った人いるのかな?」
小飼:ええと3回間違えると、ロックされちゃうんでしたっけ? あれって。
山路:5回でしたかね?
小飼:5回だっけ?
山路:なんかあの。
小飼:とにかくあのGOROmanさんが。
山路:そうそう、パスワードの残機を表示するツールを作った(笑)。
小飼:表示するという。
山路:アプリを開発して。それをしかも、自分が何回間違えたのかもわからないというのは凄い仕様だなと思うんですけどね。皆さん、何かこうトラップには引っかからないで、出来たんでしょうかね? この2割の人っていうのは。しかもあのインターフェイスが相当最悪なんですよね。いやあ、あれがなんか本当に出来る人はいるのかな? という話なんですけど。
小飼:まあ10万円、もちろん1人ではなくて、1世帯まるごと申し込めるみたいなんで、たとえばうちの場合、もし申し込めるとしたら40万円になるのか。まぁでもそれはおいといても、まあn十万円なわけじゃないですか。それも考慮にいれたとしても。他方で個人事業主とか、中小企業の主というのは、企業名義であれば200万円、個人名義であれば。
山路:ああ別の制度ですよね、いちおう。
小飼:そう、100万円申し込める、あっちはマイナンバーカードいらないんだよね。
山路:あっちはなんかスムーズに出来るらしいですよね。
小飼:そう確定申告の写しがあれば。
山路:なんかあの差は何なんだ? っていう。あっちは経産省マターでしたっけ?
小飼:ええと経産省になるのかな、中小企業庁なので、直接やっているのは。
山路:うん、持続化給付金というやつですよね。
小飼:そうそう。
山路:あの辺というのは、個人事業主だったらちょっと上手くやれば、貰える可能性が高いんで。
小飼:でもそういうことじゃなくて、片やマイナンバーカードがなくても100万円出してくれるわけじゃないですか。もちろん目的がぜんぜん違いますし、やってる役所も違うんですけども、でも基本的に名寄せをするというところは同じですよね。
山路:うん。
小飼:まず誰かを特定して、その人の口座を特定して。そこにお金を。そこまでわかればあとはお金を振り込むだけ。そのええと、なんだっけ? 持続化給付金、まあ要は100万出るほうですね、個人事業主の。そっちのほうというのは、もちろん住所があって。フォトID、要は顔写真が入ったIDがあるだけでは駄目で、確かに売り上げが減りましたとかっていう記録も必要なんですけれども。まあそれにしても、全部写真で、全部Webで申し込みが出来て、確かにいったん申し込んじゃうと、これ忘れたとか、ここの数字が間違っているっていうのを直せない、要は直す部分がある場合はメールでこういう間違いがありましよとみたいなんが来て、それでやっと直せるようになるみたいですけど、それは。
山路:そんなに緩いんだ。
小飼:まぁでもそれはさておき、要はマイナンバーカードの類というのはいらないわけですよ。マイナンバーカードに相当する、要するに自分が誰かというのを証明するというのは運転免許証でもいいし、マイナンバーカードでもいいし、の写真をとって送ると。
山路:うーん、なんかこうこんなにややこしいマイナンバーカードの給付の仕組みみたいなことを、無理矢理させる必要ってそもそもなかったんじゃないかという気がする。
小飼:そもそもなかった。だからマイナンバーカード使わせるっていうのは、どこから出たんでしょうね? 当然住所と氏名と生年月日があれば、役所のほうでは何処の誰かというのは、ID出来るわけですよ。
山路:マスク届くんですよね。
小飼:うん、そういうことです。でもマスクの場合は、誰がではなくて、住所だけなので。
山路:ああ、そうか。
小飼:宛名はないみたいなので、まあそれはおいといても、役所のほうは住所・氏名・電話番号があれば、何処の誰かというのはわかって、そこからマイナンバーが必要だっていうのは調べもつくわけですよね。要はやる気の問題なわけですよ。
山路:やる気か、結局は。結局そこにいくんだ。何かそのマイナンバーカード、かなり混乱起きてるみたいで、そのシステムが。その……。
小飼:しゃっくりしてる。
山路:しゃっくりしてるという。しかもこのシステムが、アクセスが上手くいかなくなって、混乱しているっていうやつっていうのは、それぞれのユーザーのシステムじゃないんですよね。
小飼:でも問題はマイナンバーよりも、ほとんどの人がマイナンバーではなくって、ねえ、紙に書いて貼付する書類があったら、貼付して、それを郵送するか窓口に持って行くわけでしょう。だから役所のほうで、それに書いたものというのをデータベースに転記するわけでしょう。口座番号とか。凄い労力の無駄だよね。
山路:結局マイナンバーカードがちょこっと使ってても、ぜんぜんそれは作業の効率化にはなっていないっていう。
小飼:そう! 1番作業を効率化したいところっていうのは、デジタルな、情報のデジタルな筈なんですよね。だから審査するのは人間だとしても、予め、もうデータベースに口座番号が入っている状態と、それを今から手で書きます、というのでは手間がぜんぜん違うよね。
山路:アハハ。なんか何も活かされてないわけですよね。
小飼:だから紙の給付にしても、確定申告でやっているみたいに、フォームを埋める所というのはWebでやります、最後は印刷しますと。それだってかなり手間は減らせた筈なんですよね。それであればOCRが効きますもん。紙は無駄にはなるんだけども、まだしもでしょう。
山路:そうか、いちから手書きで。
小飼:役所の人がこれをやんなくていいというのは、凄い。
山路:あれ、海外の新聞でこんな記事が出てました。「日本ついにデジタル化か」と。アハハ
小飼:アハハ
山路:これはあのマイナンバーカードではなくて、保険証の、ああ保健所のそういう連絡についてのデジタル化の。
小飼:コロナ届けだっけ。
山路:デジタル化のやつなんですけど、コロナの感染者の数とか、あるいは死亡者、そのデータというのは、今までFAXで送ってたのを、ようやくデジタルにしたというか、まあそれぞれの保健所のホームページに載せて、それを厚労省が集計するというやり方に変えたというだけなんですけども、なんか、アハハ。ただしPCR検査の結果のデータというのは、まだ紙でどうもやりとりしているらしいですね、紙でFAXを使って。何百枚とかっていうのを手入力して、集計しとるみたいですけどもね。アハハ。何かコメントは?
小飼:ええと、この手の徒労仕事っていうのは、1番の問題は「仕事した気になっちゃう」っていうことじゃないですかね。だって話聞いてるだけでさ、なんか一仕事やった! みたいな感じに。
山路:いや、するする。
小飼:なりませんか?
「呆れてる」(コメント)
「だからミスるんじゃん」(コメント)
「PCRも手書きFAX」(コメント)
山路:なんか憎んでるとしか思えないんですけどね、効率化することを。
小飼:うん、というのか、ちゃんと紙に手書きしないと仕事した気にならないと。それを紙に書いてあるものを改めてコンピューターに入力しないと、仕事した気にならないと。だけども最終成果物というのは、コンピューターの中にデータがあるというだよね、この場合。
山路:の筈なんですけどもね。それをもしかしてゴールとして、みんなが設定出来てないんだろうか。
小飼:でも何人がかりで入力するんでしょうね。
山路:それでなんか保健所の殆どの要員が手を取られてしまいそうな気がしますよね。しかもさっきの死者とかの数のことでいうと、厚労省、結局いろいろ問題が多かったものだから、改めてそのデータとかを集計し直してるもんだから、今までとまた数がズレてきちゃってる。いきなり死者の数が何かこう100人くらいポンと増える日があったりとか。
小飼:いきなり5000人くらい退院していることになっているんだよね。
山路:いやもうこれ、厚労省のデータ参照していろいろデータ作ってる海外のサイトなんかも、めちゃめちゃ困るんじゃないかなと思いますけどもね。これに関しては何というか、まあまあちょっとずつそういうふうにシステムを作って何とか楽にしようとは、今しているみたいなんですけれども。
「加藤は土下座しろ」(コメント)
山路:加藤ってあの厚労省の大臣のことですかね?
小飼:ああ。
「誰もデータ信用しないよ」(コメント)
「日本人より中国人のほうが気付けていたのが間違い」(コメント)
小飼:でもあったじゃないですか、あのデータ入力を再外注したらいけないと言われてたのに、中国に外注して、
山路:ああ、何だっけ?
小飼:中国に外注したほうは正しくて、
山路:アハハ、あったな日本で。
小飼:自分で目でやっているのは間違いだらけだったっていうのはありましたよね。今回、ほんとに膨大な数の紙からコンピューターへの入力というのが、役所のほうの手間で発生するんですけども、これって本当に外注なしでやるつもりなんでしょうかね?
山路:ここんとこでそもそも仕組みがなかったところで、外注とかやって、云々、個人情報云々カンヌンということを、追求される可能性があるから、安全策を取る役人には何かできなさそうな気がしますけどね。
小飼:え? どういうこと? 言ってる意味がわかんない。
山路:そういう外注して集計とかするのって、いろいろ決まりとかあるんじゃないですかと思って、そんなことないですか。
小飼:基本的には、いやもうそれはどういう受注条件にするかでしょう。
山路:ふーん、法的な問題はあまりなさそうかな。それは大丈夫なんですかね?
小飼:法的な問題はないんじゃないかな、基本的に。だから基本的に業者に発注する時に、その業者に再外注はしちゃ駄目よっていう契約で縛ることっていうのは出来るけど。それは契約の縛りであって、法の縛りではない。
山路:そうか、個人情報の氏名とかさえ抜いてあれば、別にそういうところへの問題はないっていうことかな。いやどうしてんだろうな? 本当に。専門の業者がいたりとかしないのかな? いたら、もうちょっと日本のこういう書類仕事って効率化出来ているような気がするんですけどね。いやまあ本当に、ちょっとこの海外からも揶揄されるくらい、日本遅れてるっていう話なんですけどもね。
小飼:いや遅れてるとかいうレベルではなくて、何でこういう、徒労が好きなんだろうね?
山路:まぁ本当にやり甲斐なのか、あるいは日本の給料が人件費が安かったから好きなように使えたのか。
小飼:大阪とか特に、もっと凄いよね。もともと人も物も減らしておいてから、あれだよね。
山路:人手を使ってやらせる。
小飼:うん、人手を使ってやらせるわけだよね。
山路:なんか……。
小飼:それで人気が上がるとかっていうんだから、本当あれだよね。まあなんで日本人が大阪人のマネしなきゃいけないの?
山路:日本人と大阪人は違う概念なんですか? それは(笑)
小飼:いやもうもはや、分岐が始まってるんじゃないか。
山路:大阪人と? 大阪人にとってあまりにも失礼でしょうが、それは(笑)
小飼:そうそう。
山路:いや大阪の人にも。
小飼:いや、それは残りの人類に対して失礼なんじゃないの?
山路:ああ、そうなの? (笑)
小飼:うん。
「維新のマッチポンプ作戦」(コメント)
小飼:いや作戦ではないんでしょうね。
山路:作戦ではない?
小飼:いや、だから一生、雨合羽着てればっていうふうにしか思わんね。
「雨合羽、届いたんだろうかな? 結局」(コメント)
「自民の後に維新だったら地獄ね」(コメント)
小飼:でも紙に書かせて、それを改めてコンピューターに入力するというのは、紙に書く人というのは、コンピューターもポチポチ出来るわけです、基本的に。だから直にポチポチさせりゃあいいじゃん。
山路:これは結局、指揮系統っていうか、何をどうするのかっていう仕組みがないから、こういうふうになっているんですかね?
小飼:いやそもそも仕組みが嫌いなのかな?
山路:うーん。結局、誰が責任を持って司令塔になってこうやってるっていう流れが、あんまり見えなくないですか? たとえば厚労省のデータやりとりしている人も、誰が紙でやれって言って、あるいはWebでやるって変えたのか、誰が責任を持って。
小飼:それは凄い感じる、それは感じる。
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