「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
今回は、10月16日(月)に配信した、株式会社バンクCEO 光本勇介さんとの対談テキスト(全3回)をお届けします。
- 小飼弾の論弾10/16「対談:バンクCEO 光本勇介さん 話題沸騰の買取アプリ『CASH』はお金の未来?」 - ニコニコ動画
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次回のニコ生配信は、11月27日(月)20:00の「小飼弾のニコ論壇時評」。今時のニュースを小飼弾がズバズバ斬っていきます(21:00頃からは、通常の「小飼弾の論弾」になります)。
お楽しみに!
2017/10/16配信のハイライト(その2)
- 株式会社バンクCEO・光本勇介さん登場
- ローンチで申込件数1万個超えCASHというアプリ
- ローンチ当日の大混乱はどうでした?
- 少額資金のニーズがあるかどうかを、CASHで実験
- 人を査定するよりモノを査定するほうが簡単
- お金が先に振り込まれる画期的なシステム
- 予想以上に「いいひと」が多い国、日本
- 与信判断はどこまで簡便化が可能か?
- きちんと取引をした方が得をする
株式会社バンクCEO・光本勇介さん登場
山路:お待たせいたしました。株式会社バンクCEOの光本勇介さんにお越しいただきました。
光本さんは、CASHというサービスを立ち上げられ、大変な勢いで話題になりましたね。
光本:はい、ありがとうございます。
小飼:会社の名前がバンク。これ、日本の商法は許しているんですよね。
例えば「何々銀行」を屋号に使う場合、本当に銀行業をやっていないとだめなんですよ。銀行ですとか証券ですとかなんとか生命ですというのは勝手に名乗れないんですよ。
山路:しかしあのソフトバンクがありますからね。
小飼:そうなんですよ。だから僕はすごい引っかかるんですけどね。
僕がなんでそんなところに引っかかったかといいますと、かつて日本の商法ではアルファベットの屋号は使えなかったんですよね。カタカナ書きじゃないといけなかった。比較的最近できるようになったんですけど、もしそうだとしたらアルファベットで書かれた意味というのを見なくていいのかなというふうに考えたんですけれど(笑)。
山路:いきなりなんかすごいところから(笑)。思わず光本さんも面食らいますよね。
光本:いちおう法務局で認めていただいて、無事登記できました。
小飼:特に文句言われませんでした?
光本:そうですね、すんなりと。
小飼:たしかあれは法務局ごとにユニークであればいいんですよね。だから別の法務局に行って同じ屋号を申請したら、通っちゃうということか(笑)。
ローンチで申込件数1万個超えCASHというアプリ
山路:まずはこのCASHというアプリ、こういう画面になります。
小飼:アプリだけなんですよね。
光本:そうなんです、今は。
山路:商品を写真でパシャリと撮ると、査定されてすぐに名前通り、キャッシュが振り込まれるという。6月に最初にローンチされた時は、ものすごい勢いで査定申し込みがあって、何件でしたっけ、7000件でしたっけ。
光本:結果的には1万個以上のアイテムが送られてきましたね。
山路:実際に1万個以上。
光本:1回止めたタイミングで集荷依頼がもう1万。
小飼:醤油パックを写真にとって、iPadとキャプション付けたら2万円振り込まれたというケースがあったそうですが、醤油パックは送られてきました?
光本:全然来なかったです。
山路:申込が殺到して3億6千万円が現金化されたという、話を聞いているだけで内臓が縮まるみたいな話だったんですけれど。初日に、いったんサービスを停止されたんですよね。
光本:そうですね。
山路:「このサービスは大丈夫なのか?」といった記事が、いろいろなメディアに上がりました。最初、デジタル質屋だと言う人は多かったですよね。質屋というのはご自身では名乗られていないんですよね。
光本:質屋としてやる場合は、質屋業の免許を取らなければならないでしょう。
山路:CASHは質屋ではなく古物商と考えればいいんでしょうか。買取を極限まで簡略化した古物商?
光本:その通りです。すごい簡単に言っちゃうと即金の買い取りアプリですね。
小飼:物が来る前に金が振り込まれるというところが一番新しいところではないかと。ただ、最初は15%の手数料払うと商品を取り戻せるというのがあったおかげで質屋なんじゃねという見方も出て。でもそれはリニューアルのときになくしたんですよね。
光本:元々私たちは、モノを買い取った価格と、販売した価格の差分で利益を上げるビジネスモデルでやっていこうと思っていました。買取をキャンセルされた場合は機会損失分として手数料をいただこうというつもりだったのですが、質屋のように見えるというコメントをいただいたことは認識しています。
ローンチ当日の大混乱はどうでした?
山路:当日の混乱ぶりは、現場の状況はいかがでした?
光本:ありがたいことでもあるんですけれども、私たちの想像をはるかに超えて話題にしていただき使っていただいていたので、当初に予定していたよりもお金が勢いよく出ていってしまいました。夜になったら落ち着くかなと思っていたんですけれどもドンドン勢いを増していって。また、10時にリリースして16時間後には、1万個のアイテムが集荷依頼されていました。その時社員は5人くらいだったのですが、1万個のアイテムが自分たちのオフィスに届くということがわかっていたので、これはもう……。
小飼:トラックの写真を公開されていましたよね、リニューアルの時に。
光本:本当は止めたくなかったんですけれども、もう止めざるを得なかったというのがあります。
山路:もう翌日とかそれぐらいから荷物が届き始めるわけですよね。
光本:はい。夜中の時点でサービスを止めて家に帰って。次の日の朝早くに私の携帯が鳴って、何かなと思って取ったら運送会社の担当者の方からの電話で。「トラック丸1個分が今オフィスの前へ止まってるんですけど、これどうすればいいですか?」っていう電話で次の日起こされました。ここから先は有料になります
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