L→R HAKUEI / Ryuji
――メジャー1stアルバムを作るにあたって、テーマやコンセプトなどはありましたか?
HAKUEI:具体的なテーマやコンセプトはなくて、あるとしたらメジャーにいって日和ったと思われないこと(笑)。いい意味で、アグレッシブにアップグレードしたいなと思っていました。
Ryuji:アルバムは“404”というタイトルなんですけど、それはメジャーにいこうが、どこにいこうが、未だにThe Brow Beatの魅力の底は見えないよということを表しているんです。今回の制作はそうい
う意識に則って進めていった印象がありますね。俺はポップになればなるほど、苦手分野になっていくんですよ。だから、今回みたいに暗かったり、重たかったり、激しかったりする曲が多ければ多いほど制作のスピードは早い。だから、すごく楽しかったです。
――『404』は、よりアグレッシブさを増すと同時に洗練感やキャッチーさにさらなる磨きがかかっていることが印象的です。一言でいうと、いい曲が並んでいますね。
HAKUEI:ありがとうございます。今回は本当にがんばって曲を書きました。日々ハードルを上げていって、それこそ身を削りながら書いていった。だから、曲がいいと言ってもらえると嬉しいです。
Ryuji:『404』の曲は全部気に入っているし、自分が作った「ハミングバード」という曲はいいものになったんじゃないかなと思います。前作のシングルで「21グラム」という重いテーマの曲を出させてもらって、「ハミングバード」は自分がいける限界まで重くしました。重たすぎて歌詞カードに歌詞を載せないことにしたんですけど、こういう曲を書けたことに満足している。だから、ぜひ聴いてほしいし、歌詞を知ってほしくないわけじゃないから、歌詞もしっかり聴いてもらえるといいなと思っています。
――「ハミングバード」は、本当に衝撃を受けました。苦しさや痛みが伝わってくると同時に、サビは美麗かつ浄化されるような世界観ですよね。どうしたら、こういう曲が作れるんだろうと思いました。
Ryuji:この曲はまずサビのメロディーが頭に浮かんで、これはすごくきれいで壮大な世界を作れるなと思って。それに対してめちゃめちゃ陰鬱な歌詞を書いたら面白いものになるんじゃないかなと思ったんです。それを形にできたのは、一緒に曲を作ってくれる(渡辺)壮祐さんの力が大きかったですね。ここはこういうニュアンスにしたいとか、こういう楽器を使いたいというようなザックリした俺の注文に、壮祐さんは的確に応えてくれたんです。
HAKUEI:「ハミングバード」は、僕もすごく気に入っています。自分は、どうだろう? ……どの曲も好きで、1曲だけあげるのは難しいですね。
――では、こちらからいかせていただきますが、HAKUEIさんが書かれた「荒野の旅人」はメロディアスかつ冷たい空気感で、これも新境地です。
HAKUEI:「荒野の旅人」は僕の中ではニルバーナとか、オルタナ系のバンドのヒリヒリしたイメージから入っていったんです。出発点がそうだっただけで、違うものになっていると思いますけど。
Ryuji:「荒野の旅人」はすごくカッコいい。荒涼としていて、退廃感みたいなものがあって。デモの段階からそういう世界観が、できあがっていたんです。
HAKUEI:デモを作った後に、仮で“荒野の旅人”というタイトルをつけたんですよ。そうしたら、スタッフやRyuji君に、この曲はまさに“荒野の旅人”という雰囲気だから、そういう歌詞にしてくださいと言われたんです。なので、果てしない旅をしているときに自分はどんなことを思うのかということを考えながら歌詞を書きました。“花鳥風月”という言葉で始まって、“世界にはそういう美しいものがあるよね。でも、僕は砂の上を歩いている”という。そういう歌詞になっています。
――旅人というワードから始まって、人生を描いた感のある歌詞になりましたね。他にも、和が香る世界からアッパーな“電脳系”に移行する「大和歌」や「紅蓮華」を書かれた草野華余子さんのペンによる「銃声」なども注目です。
Ryuji:「大和歌」は単純に、若者にウケろと思って作った曲です(笑)。この曲は最初に1番のAメロのメロディーが出てきて、これだけで曲を作れるなというくらい、いいメロディーが浮かんだなと思ったんですよ。なんなら、途中で世界が変わってしまうというイレギュラーなこの曲に使ったのを、ちょっと後悔している(笑)。それくらい、いいメロディーができましたね。2番以降のサイバーなパートは壮祐さんに、ちょっと前に流行ったトランスとかダブ、EDMのイメージでズバズバに音を足してくださいといって形にしてもらいました。
HAKUEI:「銃声」はポニーキャニオンさんが提案してくださって、全然違うジャンルの作家が書いた曲をThe Brow Beatなりに昇華できたらカッコいいものになるんじゃないかなという興味が湧いたんです。それで、やらせていただくことにしました。
Ryuji:アニメとタイアップした前回の「ハレヴタイ」(2021年7月)もそうだけど、重たいロックだけじゃなくてみんなが聴きやすいようなロックもあるとThe Brow Beatの幅がさらに広がるし、より沢山の人に聴いてもらえるきっかけになると思うんですよ。だから、絶対にそういう曲はあるべきだと思っていて、今回の話も面白いんじゃないかなと思いました。
――草野さんの個性が色濃く出た楽曲を、The Brow Beatらしく仕上げていることが印象的です。さて、『404』は充実したアルバムに仕上がりましたし、同作を携えた全国ツアーが5月6日から始まります。
Ryuji:『404』を作ったことでさらに曲が増えたので、今度のツアーはセットリストが一新することになると思うんですよ。それが、すごく楽しみですね。自分が昔好きなバンドのライブに通っていた頃は毎回違う曲をやってくれたほうが嬉しくて、今回のThe Brow Beatはかなり曲が変わるので、来てくれる方も相当楽しんでもらえると思う。なので、期待していてください。
ライター 村上孝之
カメラマン 菅沼剛弘
ヘアメイク 北瞳
スタイリング 沼倉龍徳
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4月21日(木)18:00 零[Hz]
4月22日(金)18:00 LIQUID / DEATHROLL / 鬱くしき日々。
4月25日(月)18:00 ZOMBIE / BabyKingdom
4月26日(火)18:00 The Brow Beat
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HAKUEI(PENICILLIN / The Brow Beat) × HIZUMI(ex-D'espairsRay / NUL.) リラックス対談!第1回(全2回) 『あとはもうタクシーに乗るときとかも小さいホワイトボードみたいなヤツに行き先を書いたりして、一切喋らなかった。(HAKUEI)』
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