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【第12回】政治家に訊く:石井登志郎

2009/10/22 17:57 投稿

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───────【基本情報】───────

名前:石井登志郎(いしい・としろう)
政党:民主党
選挙区:兵庫7区
生年月日:1971年5月29日
血液型:A型
座右の銘:意志あるところに道あり
趣味:園芸、マラソン
好きな食べ物:明太子、鯛
お気に入りの店・ショップ・ブランド・グッズ...など:ユニクロ
ホームページ:http://www.toshiro.jp/

───────【質問事項】───────

Q1:なぜ政治家になったのですか?

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近くに政治家が今も現役でおりますし(伯父は石井一[いしい・はじめ]民主党参議院議員)、政治家を意識する家で育ったのは勿論なんですが、身近だったからこそ「何で政治家?」という明確な答えが決定的に無いまま、社会人となったんです。

卒業後、神戸製鋼に勤めていたんですが、企業というのは、儲けを出すことがすべてにおいて「善」なんですね。社会的にいいことでも、赤字になったら会社は存続しないので、それは善ではない。当時、僕はアルミの屑(くず)を買っていた。アルミのスクラップを使うというのは、環境面によくても儲けにはならない。そうすると企業は使わないわけです。「社会における善」と「企業社会における善」が違う。一方で政治が、環境税をかけるとか、アルミのスクラップを使いやすいように税金を工夫するとか、そうすれば社会の善が企業の善にもなる。繰り返すと、「社会にとって善であることと経済的に善であることを繋げることが出来るのが、しくみ創りであり政治なんだ」と会社に入ってから「政治」を意識しました。

Q2:政治家になる前はどのような仕事や活動をしていましたか?

神戸製鋼でサラリーマンでした。アルミの原料部で、資材を買う部署にいました。最終的にはビール缶とかサッシとかエアコンのフィンの一部とかになるわけですが、それを作るための原料を買う仕事をやっていました。社会人での原体験は、今日までの人生に影響を及ぼしたと思う。

Q3:どのような政策にいちばん力を入れていますか?

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政策という前に僕が絶対やりたいのが「インターネット選挙の解禁」です。今は日本のシステムは、選挙が始まったらインターネットをフリーズせざるえない状況なんですよ。単にインターネットを使い選挙をするという目的だけでなく、これは民主主義のすそ野を、政治家サイドが閉ざしている、というわけなんです。

理想的なのは、投票率100%に近づくために、個人が個人の責任によって一票を投じる、その投票率100%の形に近づけていくための改正なり規制、改革をやっていきたい。政権交代もしたわけですし、民主主義改革の一環で、これをやっていきたいと思っています。

Q4:日本をどのような国にしたいですか?

僕の政治理念。

「政治の本質的な役割は市場の失敗、つまり経済で出来ないことをやることだ!」

ということなんですが、会社で、つまり経済活動にのっとってすべてがうまく回るなら、極端な話、政治がいらないわけです。経済活動で出来ない回らない、つまり手の届かないところに政治の役割がそこにある。まずこの考え方が基本的に根底にあるんです。

2つのことが言えるのですが、経済の原理にのっとってまわるものはそれでいい、そのために規制があるなら、その規制は撤廃していかなければならない。一方で経済の論理からこぼれ落ちた環境問題、教育問題は政治がしっかりやらなければならない。すべての分野に手を出したくなるが、特に今の環境と、文部科学委員なので、教育分野に関して大いに物申していきたいと思っています。

Q5:地元で抱える一番の問題点は?またそれに対しどういう対策をとっているか?

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[子供を]学校に通わせている父兄が多い町なので、日本の教育はどうなっているんだ?など、教育をしっかりやって欲しいという意識を持った方が多い。

─教育というのが選挙区の課題ですか?

今までの教育論は、道徳といえば社会が良くなるとか、学校の教師が悪い、数が少ない、とか、何が悪いかかにが悪い、というところでしたが、これからは誰かに任せておいて回るという時代じゃない。広がった発想で言えば、コミュニティースクール、一部の人達だけでなく地域の人も関わって頂く。学校の先生は汲々としているわけです。例えば、モンスターペアレンツというのがいる。学校側があんたおかしいよ、と言ったら問題になる。でもコミュニティースクールの父兄が5〜10人いて「あんたおかしいよ」といったらしゃーないで済むんです。学校の先生にすべてを任せ、数を増やして何かが解決するというスキームは現実問題難しいわけです。

一方で、「よみ・かき・そろばん」の基礎的素養が足らない人もいる。おちこぼれを出さないために、学校の先生はどうしてもそちらに目がいく、上の方の目指す子供は放置されるから塾へ行く。しかしどっちも大切なんですね。教師を増やす経済状況でもないし、教師が増えたらおちこぼれにかかりっきりになるだけで、上の方を目指す子供は放置されるから塾へ行くわけです。ならば教師だけが勉強を教える、指導する、それに限る必要がないわけで、手薬煉(てぐすね)ひいて待っている人は社会に沢山いるのだから、社会のリソースを活用してモデルを広げていけばいいわけです。

─学校運営協議会、これでかなり変わっていく?

属人的ケースもあれば、システム的なものもあるわけです。今、その二つの差を検証しているところです。単に教師のやる気の問題か、あるいは父兄の協力の度合いの問題なのか・・・。ただ根底にあるのは、どこかの誰かに罪をなすりつけるわけでなく、そこにいるすべての人に責任と可能性を自覚していただいて教育を立て直していく、そういう必要性があるということだと思います。

Q6:今回の「政権交代」をどう感じていますか?

僕は非現職から現職になった。これは大きく変わった。先ほども西宮市の副市長さんがいらして地域の要望をいただいたんですが、現職であれば野党であっても来たのかも知れないが、今まで自民党支持していた業界団体の方が、ご挨拶に来ていただいて、皆さんの要望を聞かせていただく機会が増えた。

一方で、先輩方が政務三役はじめ内閣を回してらっしゃいますが、今までは野党だから気軽にモノが言えたわけです。「ネット選挙解禁しろ~!」というのも、「自民党は投票率を下げたいんだ、おかしいじゃないか?」と言えたが、今は、「おかしいじゃないか!」いう立場じゃない。言うだけではなく、おかしいものを変えられるようになった。自民党政治のように、これが悪い、かにが悪いとスケープゴートを探すのではなく、今度は、なんにせよ結果を出さなければならない。予算のつけ方にしても、要望ではなく決める方なんですから、これには責任を伴うと感じています。

Q7:民主党は政権を維持できますか?

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語弊を恐れずに言えば、民主党政権の役割がある限り続けばいいと思うんです。まず、民主党の政権の役割は「日本の大掃除」をする、それをした後にまだやれというメッセージを国民からいただかなければ続かない。でも大掃除を20年もやってたらいけないわけです。仮に、1期2期やった、3年、5年、7、8年やる、その後、国民の生活が第一だと、で子育て支援が第一だという理念より、日本の大掃除をして欲しいというニーズが強かったわけで、それが終わった時、今後の民主党の考え方を理解して頂けるか、次にはその山が来ると思います。

Q8:国民・支持者にいまいちばん言いたいひと言を!

ローマは一日にして成らず。成果を出したいと焦る気持ちはありますが、環境、教育というフィールドは、目に見える成果を感じて頂けるまでには時間がかかるかもしれません。しかし真面目に取り組んでいきますので、あたたかく、時にに叱責(しっせき)を頂きながら、ローマは一日にして成らずという言葉のとおり頑張りますので、よろしくお願いいたします。

Q9:読者からの質問

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インターネット選挙に関しては、どの様に秘匿性(ひとくせい)を担保したらいいのでしょう。この国は、イージス艦の情報すら漏れてしまう位、役所のセキュリティが一番信頼できません。また、電子投票には強制的な投票の恐れがついて廻ります。バソコンの側に誰かいてもチェックできません。宗教団体や利益団体が個人の投票行動を縛る事になりませんか?(投稿者: em5467-2こと恵美 | 2009年10月18日 17:06)

まず、ネット選挙の解禁があって、電子投票の問題があって自宅から投票するという、アメリカアリゾナ州の共和党、民主党予備選挙であったんですが、それだと、うちにいて奥さんの名前で旦那がクリックしてとかなるので・・・。

─解析をしても、「誰がそれをおこなったか」が結局特定できないわけで、他人名義で投票したり、お父さんの意思で家族全員が投票とか、あると思うのですが?

投票コードにしてみても、民主主義にしてみても、コストとメリットがあると思うんです。家でクリックして投票するってのは、わざわざ投票所へ行かず、着替えもせずやれるというメリットがある。それにはいまおっしゃったことが、かなり乗り越えなくてはならない問題となるわけなんですけど、でもこれを乗り越えるだけのコストを掛ける成果があるのかどうか、それに踏み切るかどうかなんです。

アメリカで、なぜこれが続いているかというと、国土が広大なのが大きいわけです。選挙も確定申告も「近くて5キロ」とか離れているわけですから。このようにこれにかけるコストがメリットより勝るならやるべきなんです。ですが日本は、ピコピコ歩いて行けるところに[投票所が]あるわけです。今は期日前に、駅前とかショッピングモール投票出来るようになってきている。

個人が固定できる技術はないので、まだすぐにはできないでしょうね。

─電子投票もそうですが、オンラインで個人を特定する場合、現在、アナログ・デジタル含め難題が幾つかあると思われます。西暦と昭和の混在、JISキーボードで入力できない旧漢字名、また、役所間が紙ベースでやりとりすることによるミスと、都度発生する多種[免許証番号、年金手帳番号、健康保険者番号など]の番号や文字列。つまり、現在、いろいろな番号が個人を取りまいていますので、これを統合するのも難しいだろうし...森内閣のIT戦略以降、どの担当者(11人?)も国民総背番号制に踏みこめていない、というのもありますが、もろもろどうお考えですか?

これは究極の行政改革で、国民総背番号制というのも、導入するコストとメリットなわけです。国家管理が大変だという人もいるわけで、ですが国家管理の管理の仕方が見えるようになれば、不穏当な情報流失がないようなシステムになればいいわけです。社会保険庁と税務署が違うだけでこんなに問題になる。統合することにより、かなり行政コストはカットされる筈ですよね。自分がどれだけ税金払ったか、どれだけ、かにした、どうしたっていうリスクをどれだけ排除出来るか。メリットとして年間100億円の行政コストがカットできる、そこのストーリーが国民の皆さんに納得されるか、なんですよね。そこは勉強しないといけないですね。

日本はセキュリティーに優れてはいますが、最後は原発にしても人為的なものにかかるわけです。そこを極端な話、大きな罰則を設けるとかトリプルチェックなど設ければ、技術にもましてセキュリティーが整うと思うのです。

─以前、泥棒に入られた経験があるのですが、その際、刑事さんと話してて、「インターネットを経由して個人情報が漏れることよりも、ポストから請求書を盗んだほうが早いんだ」と言うのです。いくら[ネットの方が]安全と言われても、国民性からして心配性だし、それも踏みこめない原因の1つだと思うのですが。

だから、それもコストとメリットなんです。自民党が進めてこなかったわけは、あまりにもリスクが大きいと踏んだからなんです。あることないこと書かれて炎上したり、裏社会の"2ちゃんねる"が表に来る、そこにリスクがある。戸別訪問は駄目なのに戸別訪問をOKした時、どこぞの党が200人300人戸別訪問に出す、物量の差で負けてしまう、格差が生まれるリスクがあるから駄目なんです。とまっているのは政治家の怠慢さもあるけれど、天秤にかけたときに、リスクを伴う、リスクが重い、だからとまっているものが多いわけなんです。

電子投票なんかね、今、8時に選挙が終わり、9時に開票。むちゃくちゃ早くて1時間、大体3時間かかる。インターネットならカードをひとつのところに集めてきて(神戸の場合)128個のカードを集めれば20分くらいで終わる。ネットで繋がってたら5秒でいく。でも今は3時間で手作業でやる。3時間を3秒にすることは、専用ケーブルであってもネズミが齧るとかそれはリスクになる。ネットで繋がってたら5秒でいく。車なら20分だけど、また再選挙というリスクとか。3時間を3秒にすることは痛快で面白いし、悶々とした時間がないことによってドキドキしなくていいというのはあるけれど、3時間を3秒にすることは、どれだけのリスクとコストがかかるか、を考えると止まっているんです。インターネット選挙というものは中傷されるのが当たり前で、リスクを過大評価しているわけだからやるべきだと思うんです。

次の参院選までは現実問題は厳しいです。法案を見ると、ただ中傷されたら、例えば誰かが「石井登志郎が浮気した」と書き込みしたとする、事実でないものは削除できて止められることが出来るわけです。しかしパソコンの特定しプロバイダー等は情報を、選管に出さなければならない規定があるわけです。民間のこうした企業に対するリスク管理のガイドラインを作らねばならない。準備には1〜2ヶ月以上かかるだろう。今の臨時国会はとおらないでしょうし、来年の通常国会も2〜3月ですから、参院選も目指しますが、その先に形になればご理解いただけるんじゃないか、と思う。

───────【こだわり】───────

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細いペン!

─時代はどちらかというと「太い」流れじゃないですか?

そうなんですかね...なぜ細いペンか...なんだろう、ゴツいのが嫌なんですよね。

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いいペンてゴツいでしょう?ゴツいといろいろ[あちこちに]あたるんだよね〜

かさばるのは嫌ですね。

最近は財布持ってるんですけど、そういう意味では"マネークリップ派"だった...だったんだけど、「ちょっと柄悪い」と言われてね、しょうがないから財布にしたんですけど。

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