東京地裁は6月30日、陸山会事件で検察から証拠請求されていた調書を大量に不採用にした。調書が不採用となったことで検察側の立証が困難になるのは必至で、判決にも大きな影響を与えることは確実だ。調書の不採用を受け、被告人の一人である石川知裕議員に話を聞いた。
※インタビューの最後に、7月7日に発売された石川知裕議員の新著『悪党 ── 小沢一郎に仕えて』の紹介コメントも掲載しています。
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石川知裕氏(衆院議員)
──東京地裁は6月30日に陸山会裁判で石川議員ら3人の被告の調書を却下しました
裁判官は公正中立な立場で判断をされるわけですが、決定を聞いてうれしかったです。
──調書はどの程度の数が不採用になったのでしょうか
大久保、池田、石川の3人で38通の調書があり、私の調書については15通のうち10通が完全に不採用、残り5通が一部不採用となりました。
やはり大きかったのは、聴取を録音をしていたことによって水掛け論にならなかったとです。この点に関しては、録音をすすめていただいた佐藤優さんに 非常に感謝しています。また、取り調べの可視化にも一つの前進になり、特捜部の手法そのものも今後問われてくるのではないかと思います。
──被告の主張によって、これほど大量の調書が不採用になったのは異例ですね
東京地検特捜部が証拠請求をした調書が、これだけの数で不採用になるのは例がないと聞いています。いままでは検面調書の特信性が絶対的な信頼を裁判所に与えていたわけですけが、近年の特捜部の手法が裁判所に不信感を与えたのではないでしょうか。
私は、検事ひとりひとりが不正を行っているわけではないし、立派な方々だと思います。正義感に燃えて、国家にのために巨悪をのさばらせないために働 いているのだと思う。私自身も、検察官個人に対して恨みはありません。しかし、組織体として動くと、特捜部長をはじめ配属された検事が、特捜部に在籍して いる約2年間で「何か成果を出さなければ」となる体質に問題がある。佐藤優さんはこれを「集合的無意識」と話していましたが、全体の意思として動いてきた ことを変えなければいけない。そのきっかけとなる調書不採用だったのではないでしょうか。
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