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第1回大山村塾・結城登美雄のあるものさがし

2012/04/15 11:51 投稿

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千葉県鴨川市内で、新しい地域活動が生まれました。関東各地で桜の見頃を迎えた先週末の7日、地元民が中心となり「大山村塾」(塾頭:高野孟)を発足させました。

この地域づくり運動にTHE JOURNAL編集部から上垣・西岡が参加しました。写真と映像を中心に、当日の塾の様子をレポートします。4月7日付の高野論説「鴨川市で「大山村塾」発足! ── 第1回講演会を盛大に開催」とあわせて御覧下さい。

☆ ★ ☆
▽  大山村塾とは? フォトレポート ▽

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「大山村塾」の文字が会場入口に。「大山地区のことだけを考えようという訳でなく大山公民館を会場とするのでそうなっただけのこと。松本村の松下村塾が明治維新の原動力となったように旧大山村のこの塾が平成維新の源となるかもしれない」(大山村塾HPより)と、塾名の由来を見ると、開放的に、志高くといった印象。

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THE JOURNAL編集部が会場に着くと、すでに満席に近い状態。会場を見回すと、"THE JOURNAL"ブロガーの顔が。甲斐良治氏(農文協)、二木啓孝氏(BS11編成制作局長)、篠塚恭一氏(日本トラベルヘルパー協会理事長)...と大集合でした。

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まずは高野孟塾頭が挨拶。大山村塾とは...「地域末端に生きる"下々"の者たちが、たとえささやかであっても自分らで事を起こして、何ほどかマシな世の中を作るために動き始めなければならないという思考と行動の模索の現れです」

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そして結城登美雄氏の講演です。テーマは"THE JOURNAL"の結城ブログにもあった「『ないものねだり』から『あるものさがし』へ」

《講演要旨》(※以下記事は4月9日に配信された「高野孟のTHE JOURNAL」を転載したものです)

 地域づくりというが、 地域とは何か。個人があって家族があって、その家族の集まりが地域だ。家 族のことを考えるのが地域づくりである。家族を英語でファミリーと言うが、その語源を辞書で調べるとラテン語のファミリアで、その言葉から英語のファー マー(農民)という言葉も派生したという。つまり、一緒に耕して一緒に食べるのが家族ということだ。日本でも100年前、いや50年前まではそうだったのに、耕すことと食べることが離れてしまったのが今の社会である。

●米と村

 従来、青森 県に稲作が伝わったのは鎌倉時代とされてきた。ところが南津軽郡田舎館村垂柳遺跡の発掘で、弥生時代の畦で区画された水田の跡が発見さ れ、2000年前からこの地で水稲栽培が行われていたことが明らかになった。私は司馬遼太郎が大好きで多くの影響を受けているが、彼が青森県など東北地方 で米を作っていることについて「何でこんな寒冷地に本来は南方のものである米を無理矢理作るのか」と言っているのはどうかと思う。

  東北では、11月末から3月末、4月中旬まで5カ月間、雪に閉ざされて、その間は食物が採れない。その期間は縄文時代であれば南に移動したりして 凌ぐのだが、いつも生きることへの不安に晒されていた。その人たちが米に出会って、美味しくて栄養価があり保存もきく米があれば長い冬を乗り切ることが出 来ると思い、「希望の作物」として米を育てた。その東北の民の切実な思いを抜きに、経済効率だけで「こんなところで米を?」と言ってはいけない。

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結城登美雄「自然を生かす技を持っているのが地域です。『私はこれなら出来るぞ』ということから始めていきましょうや」

 田んぼがあって冬を越せるから「村」が生まれた。江戸時代に開墾が盛んに行われて、小さな村がたくさん出来た。 当時は、補助金がないどころか、米に4割の年貢が課せられて、それでも村は潰れずに300年も400年も続いてきた。明治初めには、人口約3,000万人の9割が村に住んでいて、7万 1,314の村があった。平均すると60〜70戸、370人の後に言う大字が村の原型だった。村は、自分たちで村をよくしようという力を持っていたが、この50年、カネに頼るようになり、補助金目当てに公民館を建てたり文化会館を建てたりして、それでもあれがないこれがないと、「ないものねだり」ばかりするようになった。特に男はそうで、自分らの住むところはダメだダメだと思ってきた。そうではなくて、この村にも大切なものがあると気付く「あるものさがし」は女が得意だった。

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まさしく車座座談会といった光景。結城氏の「『よい地域』であるための7つの条件」に深くうなづいてました。

●7つの条件

 いい地域づくりのための7つの条件がある。

 第1は、いい自然の風土があること。3・11は、人工ではダメで、自然の上に暮らしを営んでいることを忘れるなという警告だった。もう一度、暮らしの土台を見直さなくてはならない。

  第2は、 

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