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【結城登美雄の食の歳時記#38】食べる側の心得「功の多少を計り、彼の来所を図る」(禅と食編・その4)
日本料理や家庭料理のルーツとも言える、精進料理を追い求めた道元禅師の考え方や、食べ物の作り手の心得を書いた「典座教訓」についておはなししてきました。道元さんは作り手だけではなく、それを食べる側にも作法を問いかけています。作る心と食べる心が向かい合ったとき食はすなわち禅、仏の心に出会える。そんな願いが込められているようです。そんな食べ物の心得を説いたのが「赴粥飯法(ふしゅくはんぽう)」です。私たちが日常の中で食事をとるとき手を合わせて「いただきます」といって箸をとってご飯やおかずや汁物をいただく。その食べ方のありよう。食べ終われば再び合掌して「ごちそうさま」といって箸をおく。この作法も道元さんをはじめとする禅宗の影響が色濃いのです。
祝い事の「ハレの日」の食事。あるいは法事などの食事はもちろん、食生活の隅々にまで精進料理の影響があります。赴粥飯法(ふしゅくはんぽう)は(ここまで387文字/1,225文字中)
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