1940年体制の解体によって失われた時代が始まったというのは違います。バブル崩壊後に政府と日銀が政策を誤り、デフレ対策が行われなかったあるいは行ったが途中でやめてしまったために失われた時代が続いたのです。1940年体制の解体によって失われた時代が始まったというなら、日本以外の国の経済成長率が1990年代以降、日本より高い理由が説明できません。ただ、私も株主資本主義は反対ですし、年功序列や終身雇用などは残すべきだと思います。 どうも田中さんはデフレの弊害を甘く見ているように感じます。デフレのときは失業率が上昇し、実質賃金が減少します。失業率と自殺率のグラフは同じような動きをしています。名目GDPと高い相関がある税収が減少するため社会保障に使えるお金も減少します。デフレはさまざまな問題と関係しています。 企業が銀行からの借り入れによって資金を調達する仕組みは未だに生きていると私は思います。株価の上昇により、新株時価発行による資金調達がしやすくなる面もありますが、一方で株式を保有する銀行や企業のバランスシートが改善します。これにより企業の信用が高まり、より有利な条件でお金を借りることが出来るようになります。銀行は含み益が増大し、貸し出しに積極的になります。さらに、全国の銀行の預金超過額(=実質預金-貸出金)は2000年ごろから増え続け、2013年の6月末時点で約183兆円もあります。 所得格差についてですが、ジニ係数で見ると1980年ごろから持続的に上昇しています。田中さんの仰る1940年体制の時代から上昇が始まっています。1940年体制の解体によってもたらされたかどうかは検討の余地があると思います。 >tsutomizuさん 基礎的財政収支は1年前の名目GDP成長率と強い相関があります。すなわち、1年前の名目GDP成長率が高いときは基礎的財政収支の赤字は減少する傾向にあります。 また、名目GDP成長率が高まると長期金利よりも名目GDP成長率のほうが高くなる傾向にあります。名目GDP成長率>長期金利になると、基礎的財政集が黒字にならなくても、政府債務残高/GDPは一定値に収束します。名目GDP成長率<長期金利になると基礎的財政収支を大幅な黒字にして国債の償還をしなければなりません。 橋本政権のときに消費税率の引き上げ、所得税の特別減税打ち切り、医療費負担増大などによって9兆円の増税を行いましたが、名目GDPが減少したために、税収は減少しました。平成9年度の一般会計税収は53.9兆円でしたが、平成10年度は49.4兆円に減少しました。 近年、ヨーロッパ諸国で緊縮財政を行っていますが、大失敗しています。イギリスでは2011年1月に、付加価値税率を17.5%から20%に引き上げましたが、税収は減少しています。PIIGS諸国では政府債務残高は増加を続けています。 アベノミクスによって、短期的には政府債務残高/GDPが上昇しますが、中長期ではデフレ不況から脱却し、財政健全化を達成できる可能性は今より上がります。 ちなみに日本国債は100%円建てなので債務不履行になることはありません。 インフレ率と失業率の関係 http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_40.html#Filipps2 名目、実質賃金の推移 http://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/zaisei/report2009/pdf/section2.pdf 10ページ 失業率と自殺率の関係 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34156?page=5 名目GDPと税収の推移 http://www.katsumaweb.com/document/kochokai20120613_jonen.pdf 3ページ 全国銀行預金・貸し出し等速報 http://www.zenginkyo.or.jp/stats/month1_01/entryitems/yokashi02383.pdf ジニ係数の推移 http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4660.html 1年前の名目GDP成長率と基礎的財政収支対GDP比率の関係 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/35852?page=3 名目GDP成長率と長期金利の関係 http://www.katsumaweb.com/document/kochokai20120613_jonen.pdf 9ページ 一般会計税収の推移 http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/010.htm 英国は景気が回復する前に増税し、財政再建に失敗した http://real-japan.org/wp-content/uploads/2013/05/8f9186bedd75d2d1f7e808d0165932eb.jpg PIIGS諸国の政府総債務残高(対GDP比)の推移 http://ecodb.net/exec/trans_weo.php?d=GGXWDG_NGDP&s=1980&e=2013&c1=GR&c2=ES&c3=PT&c4=IT&c5=IE&c6=&c7=&c8=
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THE JOURNAL
(ID:23354051)
1940年体制の解体によって失われた時代が始まったというのは違います。バブル崩壊後に政府と日銀が政策を誤り、デフレ対策が行われなかったあるいは行ったが途中でやめてしまったために失われた時代が続いたのです。1940年体制の解体によって失われた時代が始まったというなら、日本以外の国の経済成長率が1990年代以降、日本より高い理由が説明できません。ただ、私も株主資本主義は反対ですし、年功序列や終身雇用などは残すべきだと思います。
どうも田中さんはデフレの弊害を甘く見ているように感じます。デフレのときは失業率が上昇し、実質賃金が減少します。失業率と自殺率のグラフは同じような動きをしています。名目GDPと高い相関がある税収が減少するため社会保障に使えるお金も減少します。デフレはさまざまな問題と関係しています。
企業が銀行からの借り入れによって資金を調達する仕組みは未だに生きていると私は思います。株価の上昇により、新株時価発行による資金調達がしやすくなる面もありますが、一方で株式を保有する銀行や企業のバランスシートが改善します。これにより企業の信用が高まり、より有利な条件でお金を借りることが出来るようになります。銀行は含み益が増大し、貸し出しに積極的になります。さらに、全国の銀行の預金超過額(=実質預金-貸出金)は2000年ごろから増え続け、2013年の6月末時点で約183兆円もあります。
所得格差についてですが、ジニ係数で見ると1980年ごろから持続的に上昇しています。田中さんの仰る1940年体制の時代から上昇が始まっています。1940年体制の解体によってもたらされたかどうかは検討の余地があると思います。
>tsutomizuさん
基礎的財政収支は1年前の名目GDP成長率と強い相関があります。すなわち、1年前の名目GDP成長率が高いときは基礎的財政収支の赤字は減少する傾向にあります。
また、名目GDP成長率が高まると長期金利よりも名目GDP成長率のほうが高くなる傾向にあります。名目GDP成長率>長期金利になると、基礎的財政集が黒字にならなくても、政府債務残高/GDPは一定値に収束します。名目GDP成長率<長期金利になると基礎的財政収支を大幅な黒字にして国債の償還をしなければなりません。
橋本政権のときに消費税率の引き上げ、所得税の特別減税打ち切り、医療費負担増大などによって9兆円の増税を行いましたが、名目GDPが減少したために、税収は減少しました。平成9年度の一般会計税収は53.9兆円でしたが、平成10年度は49.4兆円に減少しました。
近年、ヨーロッパ諸国で緊縮財政を行っていますが、大失敗しています。イギリスでは2011年1月に、付加価値税率を17.5%から20%に引き上げましたが、税収は減少しています。PIIGS諸国では政府債務残高は増加を続けています。
アベノミクスによって、短期的には政府債務残高/GDPが上昇しますが、中長期ではデフレ不況から脱却し、財政健全化を達成できる可能性は今より上がります。
ちなみに日本国債は100%円建てなので債務不履行になることはありません。
インフレ率と失業率の関係
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_40.html#Filipps2
名目、実質賃金の推移
http://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/zaisei/report2009/pdf/section2.pdf 10ページ
失業率と自殺率の関係
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34156?page=5
名目GDPと税収の推移
http://www.katsumaweb.com/document/kochokai20120613_jonen.pdf 3ページ
全国銀行預金・貸し出し等速報
http://www.zenginkyo.or.jp/stats/month1_01/entryitems/yokashi02383.pdf
ジニ係数の推移
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4660.html
1年前の名目GDP成長率と基礎的財政収支対GDP比率の関係
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/35852?page=3
名目GDP成長率と長期金利の関係
http://www.katsumaweb.com/document/kochokai20120613_jonen.pdf 9ページ
一般会計税収の推移
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/010.htm
英国は景気が回復する前に増税し、財政再建に失敗した
http://real-japan.org/wp-content/uploads/2013/05/8f9186bedd75d2d1f7e808d0165932eb.jpg
PIIGS諸国の政府総債務残高(対GDP比)の推移
http://ecodb.net/exec/trans_weo.php?d=GGXWDG_NGDP&s=1980&e=2013&c1=GR&c2=ES&c3=PT&c4=IT&c5=IE&c6=&c7=&c8=