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【結城登美雄の食の歳時記#20】1400万人が住む中山間地域の村々(中山間地域編・その1)

2013/05/23 13:20 投稿

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  • 地元学
  • 食の歳時記
  • 結城登美雄
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和歌山県海草郡紀美野町(撮影:THE JOURNAL編集部)

「海外からの旅行客を増やそう」

日本を世界にアピールする声が高まっています。富士山の世界遺産登録がニュースになるように、日本の“ウリ”は何と言っても豊かな自然です。

日本の国土の約7割は森林、山地ですが、その地域(中山間地域)には全国人口のわずか約12%しか住んでいないためか、都市部で住む人々の意識からはつい忘れがちになってしまいます。

今回の「食の歳時記」は、そんな地域の人々や農業をテーマにした「中山間地域編」です。

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【結城登美雄の食の歳時記#20】(中山間地域編・その1)

 「中山間地域」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

 我が国では農業地域の特性ごとに、農業地域を市町村ごとに4つに分類しています。

【1】
都市的地域、これは宅地率が60%、人口密度が1キロ平方メートル当たり500人。言ってみれば仙台市、石巻市、名取市、富谷町、柴田町といった都市が都市的地域に分類されます。

【2】
平地農業地域というものです。これは林野率が50%未満で、田や畑がある耕地が20%以上とあるところ。角田、渡、山本、大里、松山、三本木この辺が平地農業地域といわれます。

【3】
山間農業地域といわれるもので、林野率が80%以上で田や畑が10%未満という七ヶ宿(しちかしゅく)町、鳴子、旧花山村(現・栗原市)、女川町、旧津山村(現・登米市)この辺りが該当します。

【4】
中間農業地域で、ちょうど都市的地域や平地農業地域、山間農業地域との間にあたるところです。ここは白石市、蔵王町、丸森町、川崎町、大和町(たいわちょう)、旧川桑町(現・気仙沼市)などが該当します。

こんなふうに4つに分類されている中で、山間農業地域と中間農業地域はあわせて、通称「中山間地域」と分類されます。一般的には川の上流地域といったほうがわかりやすいでしょうか。傾斜地が多くて、農業をやる上で条件が厳しいので「条件不利地域」とも言われます。そのために段々過疎化が進行していたり、高齢化で農業が難しくなって耕作放棄が増えているようなんですね。


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日本の全人口あたりの中山間地域(上記【3】【4】を足した地域)の人口割合。全国的(左)に見れば1割強だが、東北6県(右)では3人に1人が条件不利な中山間地域に住んでいる。比較してみると全国統計では見えない景色が広がっていることがわかる(2010年総務省「国勢調査」と東北農政局『平成20年度東北食料・農業・農村情勢報告』を元に作成)

そうはいっても、中山間地域というのは日本国土の中の約7割の面積を占めています。
中山間地に住む人たちの数は約1400万人(2010年総務省「国勢調査」)で日本の人口の約12%です。東北の中山間地域の人口は317万人で、東北人口のうちの32.8%の人が中山間地域に住んでいます(2008年東北農政局「東北食料・農業・農村情勢報告」)。しかももっと大事なことは、中山間地域の農業産出額は、全体の35%も占めていることです(2011年農林水産省「生産農業所得統計」)。(無料ここまで862文字/1,603文字中) 

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