拝啓 橋下徹大阪市長様

来週27日に満95歳を迎える中曽根康弘元総理が9年前に新潮社から上梓の「自省録 ── 歴史法廷の被告として」を、今日のSTVラジオ生放送で紹介しました。いわゆるオビには、次のように綴られています。

<総理の一念は狂気であり、首相の権力は魔性である>

ひるがえって、この6月に生誕44年目をきざむ市長の慰安婦問題をめぐる最近の言の葉は伝わる限りにおいて、国内外を問わず思想信条も問わず不可解この上なく、地域ジャーナルに加わる一員として累推できる術を持ち得ません。

ただ、もし一国の政(まつりごと)を近く遠くの未来に担われたいのなら、29歳の衆院初当選時に政界の青年将校とささやかれ自認もなさっていた中曽根語録へのご感想をぜひ、お聞きしたく思っております。

それが堆積なさっておられる多様な歴史認識を窺い知る一助になろうと存じまして。
日々、公務遂行にご精励ください。


【プロフィール】中村美彦(なかむら・よしひこ)
1941年東京都生まれ。 早稲田大学商学部卒。 札幌を本拠とするフリージャーナリストとして、政治・経済・地域・文化を初め様々なジャンルを対象に、テレビ・ラジオ・講演などを通して鋭い評論活動を精力的に展開している。