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「輸出主導型」の定義がよくわかりませんが、日本の輸出額対GDP比率は高度成長期から10%程度でした。近年でも10~15%程度です。また、日本は1950年から1964年まで毎年貿易赤字でした。その後も黒字になったり赤字になったりしながら1981年以降黒字が続くようになりました。この数字を見る限り、「輸出主導型」とは言えないのではないでしょうか。「輸出主導型」という言葉の意味の定義をお願いします。

日本の輸出対GDP比率、輸入対GDP比率推移 1955年-1991年
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_20.html#Kodoseicho

輸出入総額の推移
http://www.customs.go.jp/toukei/suii/html/nenbet.htm

 今のところアベノミクスの金融緩和は戦前にデフレから脱却するときの金融緩和と同じ効果を挙げています。
 戦前の場合、1931年12月の金本位制離脱宣言、1932年11月の国債日銀引き受けによって予想インフレ率が上昇しました。予想インフレ率上昇の影響は資産市場に波及し、為替は円安にふれ、株価が上昇を始めました。そして、1932年後半から物価が上昇に転じました。ちなみに、この頃アメリカでは失業率が1929年の3%から1933年の25%へと上昇している最中であり、さらにこの間にGDPが40%も減少しています。今回の円安、株高について田中さんは欧米の景気回復によるものだと仰っていますが、過去の事例を見ると日本の金融政策などの方針転換の影響は無視できるものではないと思います。
 現在は2012年2月に日銀がインフレ目標政策のようなものを始めたことや2013年4月に欧米と同様のインフレ目標政策を始めたことなどの影響で、2013年4月現在、予想インフレ率が1.6%まで上昇し、円安が進み、株価が上昇しています。(http://www.bb.jbts.co.jp/marketdata/marketdata05.html)。
 外国為替市場や株式市場などの資産市場に変化が表れるとそれが徐々に実体経済に波及します。バブルが崩壊したとき、株価が1989年12月、地価が1991年9月をピークに下落に転じましたが、大卒求人倍率は1991年3月卒がピークで(http://www.rsq.jp/info/recruting-news/2235.html)、1990年の実質GDP成長率は1989年とほぼ同じで5.57%(http://ecodb.net/country/JP/imf_growth.html)、失業率は1990年から1992年まで横ばいでした(http://ecodb.net/country/JP/imf_persons.html#lur)。
 現在は資産市場の変化が実体経済に波及している最中です。
 
 インフレということは需要に対して供給が足りないということなので、借金をして設備投資をしてモノやサービスの供給を増やせば、確実に儲かります。また、インフレになると予想実質金利が下がるので借金をして投資をしやすくなります。そして、供給を増やすためには人を雇う必要がある(少なくとも短期的には)ので失業率が下がります。実際、日本の失業率とインフレ率は負の相関関係にあります(http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_40.html#Filipps2)。ただし、解雇規制緩和やTPPなどによって、このきれいな負の相関関係が崩れてしまう可能性があると思っています。
 格差を解消するために失業率を下げるということが大事なことのひとつだと思いますが、失業率を下げるためにもデフレから脱却する必要があります。
 また所得再分配によって格差を是正することができますが、今はデフレなので税収の源である名目GDPが増えず、仮に税率を上げたとしても景気の悪化によって税収は増えません。税収を増やすためにもデフレから脱却する必要があります。
 田中さんはアベノミクスで格差が拡大すると仰っていますが、格差を是正するためにも財政出動とインフレ目標政策による内需主導のデフレ脱却は重要なことだと言えます。

No.2 140ヶ月前

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