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結城登美雄の食の歳時記<麦編・その3>
宮城の小麦の生産量は南部小麦の岩手には及ばないですが、そのかわり大麦が東北の中ではダントツに一番です。特に六条大麦は2,170トン(2012年)を生産しています。東北全体の収穫量は2,350トンですから圧倒的に宮城が六条大麦で頑張っていることがわかります。
六条大麦はどんなふうに食べられるかというと、一番は麦茶です。夏には煎った麦茶を何杯も飲みます。日本では、緑茶が一般化するまではお茶と言えば麦茶のことだったと言われています。そういう麦茶を今なお宮城の大麦が支えています。
また大麦は押し麦にして、ご飯と一緒に麦飯として食べます。牛タンは麦飯と一緒に食べるのが宮城のスタイルです。これは宮城の麦の文化の一端を表しているものかもしれません。
大麦を煎ってから石臼などで粉にすると「こうせん」というものになります。昔はこれがおやつでした。茶碗に入れてお湯を注いで練って食べます。「またこうせんかよ」と思ったものですが今では懐かしく思われます。そのこうせんを使ったのが
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