超党派の議員連盟による「TPPを慎重に考える会」(会長:山田正彦衆院議員)は10月24日に第41回勉強会を開き、議員と官僚による問答が40分ほど繰り返された。
 当日の勉強会のテーマは18日に来日したウェンディ・カトラー米国通商代表部(USTR)代表補と日本政府のやりとりについて。官僚側は内閣府、外務省、経産省、農水省の課長クラスが並び議員による質問に答えるはずだったが、回答内容はHPに掲載されている程度のことにとどまった。
 国家戦略室の川村内閣参事官が「前原大臣から(カトラー氏に対して)国内には賛成意見もあるが反対、慎重な意見もあると伝えた」というと、山田氏は「『慎重な意見もある』んじゃない!『民主党のPTとしては慎重な意見としてまとめている』ということを伝えたのか」と詰め寄った。川村参事官の説明では、カトラー氏は政権与党内(民主党PT)でTPPに慎重な意見があることを把握しているとのことで、前原国家戦略担当相から改めて説明はしなかったとのこと。
 確かに実際には米国側には日本の国会議員の反対意見は伝わっており、日本農業新聞によるインタビューによると、カトラー氏は「日本国内で様々な議論があるのを承知」し、その上で「日本の決断を待っている」と答えている(USTR代表補「互いに誤解解き 日本の決断待つ」日本農業新聞 2012.7.22)。
 日本の決断の方向性はどこへ向かっているのか。勉強会を終えた山田正彦議員は「国民に情報を隠し、事前交渉を水面下で着々と進めているとしか思えない」とTHE JOURNAL編集部のインタビューに応えて会場を後にした。

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