連休中に読んだ本の中では、米原万里さんのエッセイ集『旅行者の朝食』(文春文庫)が面白かった。
書名の由来となったロシア小咄や、新大陸の「発見」によって旧大陸にもたらされたジャガイモが「悪魔の食いもの」として気味悪がられ、ロシアに受け入れられたのは19世紀も半ばすぎであったこと、それも17世紀にピョートル大帝が「いま朕の目の前で食って見せなければ、その場で打ち首にいたす」と農民たちを脅したり、19世紀初頭の「デカブリストの乱」でシベリアに流刑になった青年将校たちが同地の農民の窮乏を救うため、ジャガイモを栽培し食べた者には金貨を与えるなどしてようやく主食となったことなど、「目からウロコ」の「食と農」の話題の連続だった。
なかでも「ウォトカを最も美味しく飲める理想的なアルコール比が39度でも41度でもない、40度である」という世界的歴史的大発見をしたのが周期律を
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