運転者がいなくても、自由にどこへでも連れて行ってくれるというロボットカー、人工知能が搭載された自動運転車は、その実用も間近だといいます。
日産自動車は、先日開かれたニューヨーク国際自動車ショーで、2016年に自動運転車、いわゆるロボットカーの販売を世界に先駆け日本ではじめると発表しました。トヨタ自動車では、すでに交通事故死者ゼロを目指す安全技術として、高速道路での自動運転技術を公開しており、運転のいらない車が町を走るという夢のような話がいよいよ現実味をおびてきました。
こうした先端技術の実用は第四次産業革命といわれ、規制のちがうアメリカやヨーロッパでは、先行して社会実験が続けられていました。日本も技術的には世界水準にあるそうですが、ハードなどの設備基準や事故をした際の責任の所在などを特定する点など法律上の課題が多いことから実用には慎重な姿勢が続いていました。それが今回の発表で大きな転換期を迎えたのではないかと思いました。
過疎化や高齢化のすすむ地方では、相次ぐ路線バスの廃止が続き、さらにこれまで地域の日常生活を支える移動を担ってきたボランティアの方々自身の高齢化も進んでいるために運転手のいらないロボットカーには期待する声が多く聞こえます。
「外出支援・移動・移送」サービスは、「家事援助・ホームヘルプ」、「配食給食」、「デイ・ミニデイサロン」、「コミュニティカフェ・居場所」と同じように日常生活支援サービスの中に位置づけられています。その調査報告書をみると地域活動を支えているボランティアは60代が66%という内容で、高齢者が超高齢者を支えている地方の現状がわかります。国は生活支援コーディネーターを育成し、彼らをサポートする中間支援組織の必要性を求める声に応えようとしていますが、自動運転のできる自動車のような日本のモノづくり技術を社会に活かすためには、地域の特性に応じて、スピーディに制度を見直す必要があると思いました。
【篠塚恭一しのづか・きょういち プロフィール】
1961年、千葉市生れ。91年株SPI設立代表取締役観光を中心としたホスピタリティ人材の育成・派遣に携わる。95年に超高齢者時代のサービス人材としてトラベルヘルパーの育成をはじめ、介護旅行の「あ・える倶楽部」として全国普及に取り組む。06年、内閣府認証NPO法人日本トラベルヘルパー外出支援専門員協会設立理事長。行動に不自由のある人への外出支援ノウハウを公開し、都市高齢者と地方の健康資源を結ぶ、超高齢社会のサービス事業創造に奮闘の日々。現在は、温泉・食など地域資源の活用による認知症予防から市民後見人養成支援など福祉人材の多能工化と社会的起業家支援をおこなう。
ブロマガ会員ならもっと楽しめる!
- 会員限定の新着記事が読み放題!※1
- 動画や生放送などの追加コンテンツが見放題!※2
-
- ※1、入会月以降の記事が対象になります。
- ※2、チャンネルによって、見放題になるコンテンツは異なります。
THE JOURNAL
THE JOURNAL編集部
月額:¥550 (税込)
コメント
コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。