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自己啓発本によくあるデタラメ4選

2014/09/30 07:30 投稿

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keihatsu

オリバー・バークマンの書籍『解毒(The Antidote)』に出てくる「自己啓発本によくあるデタラメ4選」が面白かったのでメモ。いずれも科学的にきっちり否定されたネタばかりなんで、もし今後は本の中で見かけても無視しましょう(笑)。

・デタラメ1 怒りは発散すべし
なぜデタラメなのか?
「怒ったら叫ぶなり枕を殴るなりして怒りを発散させよう!」などと言いますが、これは完全に逆効果。アイオワ州立大の研究によれば、感情の発散は怒りを呼び戻すだけで、かえってフラストレーションが溜まっちゃう。

代わりにどうすればいいのか?

研究にあたったブラッド・ブッシュマン教授いわく、「怒りを発散するよりも紛らわせることを考えた方がよい」とのこと。コメディ映画や音楽で気分を変えて、怒りが自然に消えていくのを待つほうが、結局は精神衛生にいいらしい。ちなみに、怒ったときに運動で感情を発散するのもNG。体を動かしたいときは、ヨガやストレッチをしましょう。

・デタラメ2 落ち込んだらポジティブなイメージを描け!
なぜデタラメなのか?
「落ち込んだらポジティブシンキング!」というのも自己啓発の定番(ナポレオン・ヒルとかね)ですが、研究によればマイナスなイメージから無理に気をそらすのは完全に逆効果。不安やストレスを頭から追いだそうとすると、人間の脳は逆にネガティブなイメージに集中してしまうものらしい。

代わりにどうすればいいのか?

ストレスや不安を感じたときは、信頼できる人に相談するか楽しい場所に行くのが一番。友人・家族・セラピストなどに気持ちを打ち明けつつ、パーティや公園・ショッピングモールといった自分の気持ちがわき立ちそうな場所に行ってみるのが、結局はストレスを解消する最短ルートなんですな。

・デタラメ3 目標を具体的に思い浮かべれば実現する!
なぜデタラメなのか?
「目標をビジュアル化すれば成功できる!」なんてことも言いますが(神田昌典氏の本とかね)、スポーツ心理学の研究ではゴールを想像しても成果は上がらなかった。心理学者のシェリー・タイラーいわく、ビジュアル化は成功した自分のイメージで気分が良くなるだけで何の効果ももたらさないどころか、せっかく設定した目標の意味もなくしてしまうそうな。

代わりにどうすればいいのか?

単純に目標を達成したイメージを思い浮かべるのではなく、ゴールに必要な作業を明確にして、それぞれのステップをイメージトレーニングしてみる。 UCLAが行った実験では、単に「良い成績を取った自分」をイメージした学生よりも、「図書館で勉強している自分」を思い描いた学生のほうが成績はよくなった。

・デタラメ4 アファメーションを使えば自尊心が高くなる!
なぜデタラメなのか?
「アファメーションでポジティブな自己暗示をかけよう!」なんてのも定番の自己啓発ネタですが(マーフィーとかね)、心理学の見解は否定的。テキサス大のウィリアム・スワン教授いわく「人間の自尊心は周囲の評価によって常に変化するため、自分で何度もポジティブな暗示をかけても意味がない」とのこと。さらに、もともと自尊心が低い人だとアファメーションは有害なケースも多いんだそうな。

代わりにどうすればいいのか?

自尊心を高めるには他人からの評価を高めるしかない、というのが心理学の結論。したがって、どうしても自信が持てないなら、自分をほめてくれる人と積極的につきあっていくしかない。そのうえで、周囲の高い評価に合うように自分を鍛えていくのがベスト。

・まとめ
そんなわけで、科学的に正しくない定番の自己啓発ネタ4選でした。ここで紹介した研究はいずれも10年以上も前のものなんですが、いまだにアファメーションとか目標のビジュアル化を扱った新刊は見かけますからねぇ。注意したいものです。

執筆: Yu Suzuki

掲載: Buzz+(バズプラス) http://buzz-plus.com

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