突然ですが、東京都千代田区の神田(かんだ)という場所をご存知でしょうか。首都圏以外にお住まいの方なら、オタクの聖地と呼ばれる秋葉原の隣街というと、なんとなくイメージしていただけるかと思います。
神田は由緒のある街で、少なくとも江戸時代から神田という地名は使われています。また、旧東京市(現在の東京都ですね)が発足した当時も神田という地名は使われ、番地が整理されていました。
そのせいか、JR神田駅の周辺は、神田という名前を冠した地名が数多く存在します。
東神田(ひがしかんだ)
西神田(にしかんだ)
外神田(そとかんだ)
神田神保町(かんだじんぼうちょう)
神田小川町(かんだおがわちょう)
神田須田町(かんだすだちょう)
神田駿河台(かんだするがだい)
神田錦町(かんだにしきちょう)
このように「東京都千代田区神田」で検索していたただくと、神田という地名を冠した土地が多いことがおわかりいただけると思います。
■神田の名前を返せ 三崎町と猿楽町の論争
神田を冠する地名が多いのは、地図で確認いただけるかと思います。ところがJR水道橋駅(東京ドームがある場所ですね)にほど近い場所にある三崎町(みさきちょう)、猿楽町(さるがくちょう)という街は、神田という地名を冠していません。
もともと千代田区は、昭和22年に麹町(こうじまち)区と神田区が合併して出来たのですが、当時は神田三崎町(かんだみさきちょう)、神田猿楽町(かんださるがくちょう)というように、神田の地名を冠していました。
その後、郵便物の誤配などを理由に、三崎町、猿楽町という地名に変わったそうですが、地元の方の中には、猿楽町、三崎町という地名に違和感を持つ方もいらっしゃるようです。
世界的に有名になった秋葉原の隣町で、江戸時代からの由緒の有る町です。また、猿楽町や三崎町は出版社をはじめ、文化に親しむ風土があるため、神田というブランド地名をつけた地名に戻そうという運動が以前から続いており、論争は千代田区議会に持ち込まれています。
千代田区議会に提出された議案ですが……
JR水道橋駅の近くに存在する三崎町と猿楽町に、「神田」という地名をつけた名前に戻そうという趣旨のようですね。
「もともと、そういう地名だったんだし、町が栄えるだろうから悪くないんじゃない?」そう考える人も多いようです。とはいえ、会社などは、封筒や名詞を刷り直したりしなければいけませんから、結構な費用がかかります。そういったわけで、反対されている方もいるようですね。
それに対し、反対意見も出されています。
9月17日からはじまった千代田区議会では、石川雅巳千代田区長が、三崎町と猿楽町の町名を、それぞれ神田三崎町、神田猿楽町に戻すよう、議案として提案しています。
千代田区議会では29日から三崎町と猿楽町の名称を代えるか話し合う予定ですが、もし可決されても実際に町名を変更するのは4年後になるとのこと。
個人的には、どちらもいい名前だと思います。とはいえ、一度決めると変更が大変ですから、よく話し合ってほしいですね。
※写真は千代田区議会ホームページより https://kugikai.city.chiyoda.tokyo.jp/
※この記事はガジェ通ウェブライターの「松沢直樹」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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