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東京スカイツリータウン『東京ソラマチ』内に2012年5月22日に開業した『すみだ水族館』。個人的に行った時は、入り口で漂うアロマの香り、超大型のネイチャーアクアリウム水槽(自然界を水中に再現する水槽)、クラゲの飼育環境を鑑賞できるアクアラボ(水生生物研究施設)、国内最大級の室内プール水槽などあまりにも他の水族館とは一線を画した展示物に衝撃を受けたものです。難しいビル内での水族館運営だからこそ行っている工夫や試行錯誤について、すみだ水族館 広報室 主任の村木健治さん(以下、村木さん)にお話しを伺ってきました。

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●進化の過程を実体感!
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――入り口入ったら直ぐアロマが香ってくるじゃないですか。こういうコンセプトの水族館ってあまり聞いた事がないんですよね。

村木さん:そうですね、あまり無いと思います。非日常の空間に入ってきて、先ず最初にアロマでリラックス効果を得て頂いて、次のネイチャーアクアリウムの水草水槽に続き、原始的な生き物であるクラゲの展示、と生物の進化の流れをイメージしています。

――癒やし効果として見てもアロマ、植物、クラゲという流れは抜群に良いですよね。

●世界最大級のネイチャーアクアリウム!
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――そしてこの超大型のネイチャーアクアリウム。自分でアクアリウムをやっているから分かりますが、これの維持ってどれだけ大変なんだろうって思うんですよね。

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村木さん:こちらを製作した天野尚さんは7mのネイチャーアクアリウムは世界で一番大きい水草水槽だと仰っていました。この状態を維持する為にアクアリウムブランドのADA(アクアデザインアマノ)さんと共同で管理していて、21時の閉館時間以降にメンテナンスをしています。

――掃除や水草のトリミングを深夜にやっているんですか! でも、それぐらいしないとこの維持は無理ですよね……。

●クラゲのアクアラボ!
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――クラゲのアクアラボを展示するだけでも珍しいですが、飼育員の方々が作業している姿も見れるようにしているのには驚きました。

村木さん:ただ、クラゲを見て綺麗だと言ってもらうだけでなく、生き物を育てている飼育員の情熱や愛情を直接感じていただきたくて、このような形にしました。我々は『すみだ水族館』を通して生き物自体の素晴らしさを伝えると共に、こういう部分についても伝えていきたいと考えています。

●絵画のような水槽、アクアギャラリー!
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村木さん:ここはアクアギャラリーという絵画のようにレイアウトされた水槽が並んでいるエリアです。アート性を重視していますが生き物の生態を考慮した内容となっています。

――水槽を平面的にレイアウトするスタイルは珍しいです。視覚的に楽しみながら生き物を観察できますね。

●葛飾北斎と水生生物!
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村木さん:芸術家の葛飾北斎は墨田区に縁があると言われています。『富嶽三十六景』などがとても有名ですがナマズやドジョウなど我々にとっても身近な水生生物の絵も描いていて、ここではその絵と実際の生き物を見比べる事ができます。

――当時と今で時代背景は変わっていても生き物の見た目は変わってないでしょうから、北斎が見ていた生き物をいま見てるんだと思うとロマンチックですね!

●試行錯誤から生み出された一つの答え、360度水槽!
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村木さん:ここはサンゴ礁エリアとなっていて360度どこからでも見れる水槽が並んでいます。その理由ですが、当館がビルの中にあるものですから床荷重的に大きい水槽を多く置くのが中々難しいので、水槽の見える面を増やして色々な所から見れるようにしました。

――それですと通常の壁側の水槽と比べてメンテナンスがし難そうですが、どうやって行っているんでしょうか?

村木さん:ここは上に登って上部のスペースからメンテナンスをしています。大変ではありますが、我々が出した一つの答えとしてこういう形を取りました。

●東京スカイツリーの象徴『チンアナゴ』!
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村木さん:この水槽には『チンアナゴ』と『ニシキアナゴ』を敷き詰めているのですが、全部で634匹います。これは東京スカイツリーの高さ(634メートル)に合わせた数にしようと開業の時に決めて、維持し続けています。また、我々独自の取り組みとして『チンアナゴ』は数字の1に似ていて群れる性質があるので、1年の中で1が一番多い11月11日に記念日登録をして毎年イベントを行っています。

――この大量の『チンアナゴ』の数にそんな秘密があるとは……! 数の管理は大変そうですが名物の一つですよね。

●ペンギンの常識をぶち壊す、屋内開放型水槽!
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――私が前に『すみだ水族館』に来た時に一番驚いたのはこのペンギン水槽です。ペンギンというと可愛いけども臭いがキツイ生き物という認識だったんです。それが室内なのに全く臭わないのは本当に衝撃でした。

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村木さん:屋内の開放型水槽でペンギンを飼育する事がそもそも常識外れなんです。なので、臭いを吸い取る吸気口を岩の中に数ヶ所設置し、空調を調整して風向きをコントロールしています。そして何より大事なのはこまめな掃除ですね。定期的にスタッフが潜って水中掃除機で掃除をしています。

●昭和初期の金魚屋台を再現!
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村木さん:こちらは金魚屋台を復刻させたものです。昔はこのように屋台で金魚を売っていた方たちがいて、そういう方から実際に使われていたものを譲っていただき、職人に当時の雰囲気を再現もらったものを展示しています。

――じゃあ、これは本物なんですね! 金魚の屋台があるのは知りませんでした。今もあったらアクアリウムの普及になるんじゃないかと思うんですけどもね。

●ワークショップ常時開催中!
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村木さん:当館はワークショップに力を入れておりまして、こちらのスペースにてプリントTシャツの作成やちょっとした工作などを行っています。作業を通して生き物へ興味や愛着を持って頂きたいと考えています。

――今やっているペンギンのスタンプTシャツは、直ぐに作れて価格も安いのでとても利用し易いですね。お客様も多く、活気があります。

●小笠原の海を再現した東京大水槽!
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村木さん:大水槽は小笠原諸島の海をイメージして作られています。正面だけでなく、上や横のアクアスコープなど多角的に鑑賞できるようになっています。

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――きらびやかな魚ばかりでない水槽はリアルな日本の海って感じがとてもします。観賞用スペースが各所にあるので色々な見方ができますね。

●ペンギンは現代の恐竜?!
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――今年の夏は『福井県立恐竜博物館』の恐竜骨格を展示した夏休みイベントを行っていますが、何故水族館で恐竜なのでしょうか?

村木さん:水族館と恐竜って一見関連性がなさそうですが、ペンギンの遠い祖先は恐竜ですからこれは時代を超えたコラボ企画なんですよ。それに研究家の中には「ペンギンは現代の恐竜だ!」という人もいるんです。

――ペンギンが恐竜! これからはペンギンを見る目が変わりそうです……! 本日はありがとうございました。

●デザイン性の高いグッズと可愛いスイーツ!
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出口にあるグッズショップには館内で使っているアロマオイルや人気の生き物を模したグッズが販売されています。シックなデザインで実用的なアイテムが多かったです。

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そして何と言っても人気なのがこちらの可愛い『水族館和スイーツ』。視覚的に華やかなのでお土産に最適です。価格は210円(税込)。

●『すみだ水族館』総括!
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『すみだ水族館』はビルの中にあるため床荷重に制限がありますが、それを補ってあまりある工夫と努力のつまった水族館です。特に入り口のネイチャーアクアリウム、臭わないペンギン水槽は必見。他の水族館を知っていればいるほど驚くこと請け合いです。スタイリッシュ&ヒーリングと下町情緒が融合した新しい形の水族館『すみだ水族館』、これはかなりオススメしたいです。

『すみだ水族館』

所在地: 〒131-0045 東京都墨田区押上一丁目1番2号

     東京スカイツリータウン・ソラマチ5F・6F

電話番号:03-5619-1821(9時~21時)

営業時間:9時~21時

休館日: なし(年中無休)

一般料金:大人2050円、高校生1500円、中・小学生1000円、幼児600円

『すみだ水族館』公式サイト
http://www.sumida-aquarium.com/

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