● 少子高齢化の時代到来
韓国の国会立法調査処は、8月22日、少子化が改善されないなら、「韓国は2750年には消滅する」という見通しを明らかにした。
現在、韓国の人口は5043万人だが、合計特殊出生率(15歳から49歳の女性が一生に産む子どもの平均数)が1.19人のままなら、2056年に4000万人になり、2100年には2000万人へと半減すると予想されている。2200年には300万人まで人口が急減、2256年には100万人になり、その後は500年かけて徐々に消滅していくと予測されている。
韓国の深刻な少子化は以前から指摘されてきた。テレグラフ紙によると、2006年に英オックスフォード大学のデビッド・コールマン教授が「韓国は世界で初めて、少子化によって消滅する国となるだろう」と予測している。
これは日本とて例外でない。内閣府によると、現在の出生率のまま推移すると100年後、2110年の日本の人口は4286万人、つまり現在の3分の1近くまで落ち込む。高齢化率は41.3%、2012年現在の24.1%から大幅に上昇する。これが日本の最もあり得る100年後の未来だ。
さらに長期でみると、2200年には人口1千万人以下と、現在の10分の1以下に縮小、そして3200年には消滅するという推計もある。人口減少が加速度的に進むという点では、韓国の推計とさほど大きな差はない。
● 晩婚による、卵子の老化
晩婚も問題だ。女性の卵子は年齢とともに年を重ね、35歳の女性が出産できる可能性は20歳代の半分になる。しかし、多くの女性はこの事実を治療に来て初めて知るという。 晩婚化が進む現代、不妊は先進国共通の課題だ。日本も特異な状況にある。
30代~40代になると体は健康なのに、妊娠の可能性が低いと告げられる。その理由は「卵子の老化」だという。卵子は、年齢とともに妊娠しづらくなる性質がある。幸い我が家は、両親が高齢であるのもかかわらず2人の子宝に恵まれた。「卵子の老化」の原因はなんだろうか?
「卵子の老化」の原因を、米ニューヨーク医科大が突き止めた。それによると、卵子のもとになる「卵母細胞」のDNAが傷ついた際、その修復能力が衰えていた・・・。
チームは、生後11~12カ月のマウスと、生後4~5週の若いマウスの卵母細胞の遺伝子を比較。高齢のマウスほど、傷ついたDNAを修復する4遺伝子の働きが低下していることを発見した。また、4遺伝子のうち、乳がんの発症を抑える「BRCA1」を人工的に失わせたマウスは、通常より半分しか卵母細胞を作れなかった。
さらに、この遺伝子に異常がある24人(平均34.8歳)の血液検査から、卵巣中の卵母細胞の数を推計すると、異常のない60人(同36.3歳)に比べて数が半分程度に減っていたという。
チームは「発見を生かして卵母細胞のDNAを修復できれば、卵巣の老化速度を遅らせることもできるかもしれない」としている。
「卵子の老化」による不妊をさらに深刻化させる一因は、男性側にもある。 不妊の原因の半分は男性側にあるが、夫が不妊の検査に行きたがらず、ようやく治療が始まった時には、妻の卵子が老化しているというケースが後を絶たない。専門家は「早くに気付いて治療すれば、自然妊娠が見込めるケースも多い」と指摘する。
●不妊? 諦めるのはまだ早い
女性の卵子は年齢とともに年を重ね、35歳の女性が出産できる可能性は20歳代の半分になる。しかし、多くの女性はこの事実を結婚後に初めて知ることが多い。子供が欲しいときには、子供をさずかるタイミングを逃してしまうわけだ。不妊は先進国共通の課題といえる。
高齢になると妊娠しづらいといっても、不可能なわけではない。だが、子づくりについては、普段あまり話題にできない雰囲気がある。少子高齢、晩婚化の時代に、子を授かる方法がわからないというのは問題だ。
タレントの東尾理子が、ブログで不妊治療公開し話題になっている。8月27日、フジテレビ系「ノンストップ!」で、第2子妊娠へ向けた不妊治療を公開し続けている理由を語った。
東尾はまず、妊娠へ向けて6月26日から長男・理汰郎君の断乳を実施。今月21日には病院を訪れて諸検査を受け、25日には人工授精のため採卵した。
それらの経過を、東尾はブログで細かく伝え続けている。それは前回、初めて妊娠に挑戦した際に不妊治療に関する情報が不足、困った経験があったからだ。
「何も悪いことではないし、恥じることではないし隠すことでもないのに、何となく社会の雰囲気が、言わない方がいい、みたいなところがあって…」だから東尾は、これから不妊治療を受ける夫婦のためにも、自分の経験を報告し続けている。現代女性を代表して不妊治療の実際を発信し続けてほしい。
東尾理子オフィシャルブログ「Route-R」
http://ameblo.jp/riko-higashio/ [リンク]
●不妊治療法にはどんな方法があるか?
さて、少子高齢、さらに晩婚化により、ますます不妊治療の必要性は増してくる。そこで、不妊治療について、どんな方法があるかまとめておきたい。
不妊治療でまず勧められるのが、タイミング法とホルモン療法である。
1.タイミング法とは 基礎体温表や超音波、尿検査により、排卵日を予測。 それに合わせて夫婦生活を営むよう指導される。不妊治療の最初の段階として行われる。
2.ホルモン療法とは ホルモン剤による排卵を誘発させる治療法。排卵に障害があったり、黄体機能不全により子宮の内膜に排卵が着床しないといった場合に行われる。飲み薬と注射薬がある。
次に勧められれるのが、人工授精や体外受精という方法。
3.人工受精(AIH)は 排卵予測日に、男性精液をより分けて子宮に注入する治療法。タイミング法やホルモン療法で妊娠しなかった原因不明な不妊症や、男性の精子に問題がある場合に有効な手段として考えられている。
4.体外受精は、女性の卵巣から卵子を体外に取り出して、男性の精子と受精させ、数日の培養後、細胞分裂(分割)が始まれば、女性の体内(主に子宮内)に戻すと言う治療法である。一般的に試験管ベイビーと言われたのがこの方法である。
5.代理出産という方法は、卵子はあるが、子宮がんで子宮を全摘した場合や、さまざまな不妊治療が失敗に終わった最後の手段として、自分以外の女性(代理母)のお腹を借りて、妊娠・出産をしてもらう方法である。
画像 ICSI(体外受精法) パブリックドメイン
■関連記事
デング熱、国内感染69年ぶりに発生! 地球温暖化で拡大する熱帯性感染症
第54回ノーベル物理学賞 ボルン「量子力学の確率解釈」、ボーデ「コインシデンス法」
伊東家の食卓「納豆で合成洗剤を減らせる裏技!」の正体は“サーファクチン”?
ウマは耳で意思疎通する?謎の多い動物の行動・コミュニケーション
コメント
コメントを書く