主要3キャリアが定額通話サービスの提供を発表して話題になる中、NTTドコモは高品質通話が特徴のLTEを利用した音声通話サービス『VoLTE』を6月24日から開始しています。実際にその音質のよさは感じられるのか、『VoLTE』対応端末と非対応端末を使って検証してみました。
検証に利用したのは、『VoLTE』対応端末の『Xperia Z2』と、非対応端末の『Xperia Z1f』。『VoLTE』の特徴である“高音質通話”“ビデオコール”“高速マルチアクセス”“スピーディな発着信”の4項目でその実力を見てみることにしました。『VoLTE』の速さや通話品質を実現できるのは、『VoLTE』対応端末間の通話のみ。そのため、『Xperia Z2』は2台用意しています。
●女性との通話でよく分かる高音質
まず、最大の特徴である高音質の通話について検証してみることに。『VoLTE』非対応の『Xperia Z1f』と対応端末の『Xperia Z2』との通話、『Xperia Z2』同士の通話を比較してみます。
『Xperia Z1f』と『Xperia Z2』間の通話はFOMAの3G回線を利用したもので、従来の携帯電話の通話音声と変わらない音質。
続いて『Xperia Z2』同士の『VoLTE』による音声通話を試してみます。通話時に「HD」の文字が表示されるのが『VoLTE』で通話している証拠。音声はどのように聞こえるのでしょうか。
最初は男性同士で話してみたところ、あまりよく違いが分からなかったのですが、女性と話してみると音質の違いが明らかに。電話を通して聞いた声ではなく、耳元で話しをしているようにクリアに聞こえるのです。これは、従来の通話が300Hz~3.4kHzの音声周波数帯域だったのに対して、『VoLTE』では50Hz~7kHzの帯域に対応するため。女性の声の高音域がよく聞こえるのです。
●音質・画質とも優れるビデオコール
次に、『VoLTE』で追加されたビデオ通話機能『ビデオコール』を試してみます。通話アプリで電話番号を表示後、「ビデオコール」のボタンをタップしてかけられるほか、音声通話の途中で右上のビデオカメラのアイコンをタップすることで切り替えが可能。
つながると、音質・画質ともかなりの高品質。『Skype』アプリのビデオ通話と比較しても、音声と映像がくっきりと感じられます。
●通話中もLTEで高速通信できる“高速マルチアクセス”
従来の3G回線による通話では、通話中は3G回線につないだ状態を維持するため、その間に別のアプリなどでネットに接続すると3Gの速度でしか回線が利用できませんでした。『VoLTE』では、通話にも通話中のネット接続にもLTE回線を利用できるので、高速通信のメリットを享受できることが特徴。これを“高速マルチアクセス”と呼んでいます。
『Xperia Z2』と『Xperia Z1f』を通話状態にして、別のアプリでそれぞれネットにつないでみます。ドコモ夏モデル発表会でデモしていたように、まず『Googleマップ』を利用してみました。
渋谷区代々木2丁目を表示後、「東京駅」を検索。『Xperia Z1f』では電波表示のところにFOMA回線を利用していることを示す「H」が表示されている一方で、『Xperia Z2』では「LTE」の表示が。『Xperia Z2』が既に東京駅を表示しているのに対して、『Xperia Z1f』はまだ地図の詳細を読み込んでいる途中。圧倒的な差がつきました。
次に、『YouTube』アプリで動画を再生してみます。LTEで接続する『Xperia Z2』はすぐに再生を開始した一方、3Gで接続する『Xperia Z1f』はまだ動画を読み込み中。同時に再生を開始したにもかかわらず、再生時間には20秒の差がついてしまいました。
電話しながらほかのアプリを使うことはあまりないかもしれませんが、たとえば外出中にテザリングでパソコンをネットにつないでいるときに電話がかかってきても、『VoLTE』ならLTEの高速通信のパフォーマンスを落とすことなくネットを使えるということになります。
●発着信の速さを検証
最後に、『VoLTE』の特徴であるスピーディな発着信を検証します。『Xperia Z2』と『Xperia Z1f』で同時に『Xperia Z2』に電話をかけて、どちらが先に着信するか見てみました。
結果は『Xperia Z2』の勝ち。発信から着信までの時間が従来の半分になったという『VoLTE』の実力を確認することができました。1分1秒を争うビジネスの場では、少しでも早くつながることが機会損失を防いでくれるかも。
家族や恋人と話をするときは高音質の通話や鮮明なビデオコールを活用し、仕事中は高速マルチアクセスやスピーディーな着発信で差をつける。オンもオフも手を抜かないデキる男(女性もね)は『VoLTE』を選ぶべきかもしれません。その場合、電話をかける相手も『VoLTE』対応端末にしてもらうのをお忘れなく。
VoLTE(ボルテ) | エリア | NTTドコモ
https://www.nttdocomo.co.jp/support/area/volte/index.html
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