7月9日、世界的オーディオ機器メーカーの山水電気が、約3億5000万円の負債を抱えて、東京地裁より破産手続開始決定を受けた。
山水電気は1944年に創業。1980年代のオーディオブーム時代にはステレオアンプを中心に500億円以上の売上があったこともある世界的音響機器メーカーとして知られたが、その後のブームの衰退やデジタル化の波などで経営が悪化。イギリスや香港の企業からの支援を受けて経営再建を目指したが、ついにその歴史に幕を下ろすこととなった。
ところで、日本では堅実なアナログアンプのイメージしかない『SANSUI』だが、実は他にもさまざまな製品を販売していたことをご存知だろうか。特に香港資本が入って以降の中国市場向け製品はバラエティ豊か。では、中国の大手オンラインストアで販売されている『SANSUI』ブランドのカオスっぷりをご覧いただこう。
圧力鍋、電磁調理器、電気ケトル、ドライヤー、液晶プロジェクター。家電全般がそろっている。「¥」は円じゃなくて元。どれも安すぎて不安になるレベルだが、ユーザーレビューはいいので一応問題なく使えるのだろう。
万歩計やBluetooth機能の付いたカラフルな健康腕時計と、16.5インチ超薄型ポータブルDVDプレーヤー(約4800円)。デザインセンスは悪くない。『アナ雪』の画像をはめ込んでいるのは問題ないのだろうか。
全取扱商品中、最高価格のフロア型スピーカー。約93万円。音響機器メーカーのスピーカーだから悪くはないのだろうが、これならもう少し出してB&Wとかを買いたくなる価格帯だ。
詳しくは説明できない“MP4プレーヤー”。約4800円。これらの怪しげな中国向け製品は、中国における『SANSUI』ブランドの製造・販売を担う『山水电子』の手によるもの。さすが中国としか言いようがない。
画像:『天猫』および『成都銀行』より引用
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