今回はKFCトライアスロンクラブさんのサイト『KFC TRIATHLON CLUB』からご寄稿いただきました。
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■TBS番組「噂の!東京マガジン」に苦言を呈す(KFC TRIATHLON CLUB)
2014年5月25日(日)放映のテーマ「トレイルランニング」に関して
●【作為的な番組作り】
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我々が取材に協力し、5月25日(日)13:00から放映されたTBSテレビの番組「噂の!東京マガジン」で取り上げられたトレランの内容が、余りにも実態とかけ離れた、先にシナリオありきの、ひどい作為的な番組でした。
高齢者の反トレラン派ハイカーの意見「トレランは接触の危険があり、迷惑千万!」を中心に取り上げ、その他のインタビュー内容は一切放映しない、或いは、加工して放映すると云うもので、余りにも偏った内容でした。
これでは取材に協力した成木自治会や参加者の皆さんだけでなく、トレラン大会で村興しに取り組まれている全国の過疎地域の皆さんに大迷惑であり、大ダメージを被ってしまいます。それに全国のトレラン愛好家も同様です。
現在、トレラン大会は、その性格上、村興しに非常に有効な手段となっています。だから、以下は、取材に協力した者として、また、村興しに協力している者として、その番組作りのいい加減さを公表しようとしたものです。
●【先にシナリオありきの取材】
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そのシナリオとは、トレランは山の暴走族、善良なハイカーを危険に陥れている反社会的スポーツ、だから、許せない、と云う内容のものです。
おそらく、昨年の鎌倉市のトレラン大会禁止条例と以前から存在する高尾山でのトレイルランナーとハイカーの軋轢の2例情報をヒントに、この番組向きのテーマとして「行ける!」と安易に踏んだのでしょう。
すなわち、山の新参者であるトレランを「悪」として番組を作り、世間(視聴者)に怒りを覚えさせ、視聴率を稼ごうと云う、番組作りにはよくある安易な手法です。
常に観光客で賑わう高尾山や鎌倉アルプスは、日本では特別な場所です。ここでのトレラン大会は無理があることは誰にでも分かります。しかし、それを成木地区のような過疎が進む全国の他の地域にも当てはめて放映すること自体、大間違いです。
●【質(たち)の悪い番組】
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この番組は辛口番組と云うことで通っていますが、過去の放映分も含め、一事が万事このやり方なのでしょう。質(たち)の悪い番組です。実際に取材を受けてみると、その手法がよく分かります。
例えば、地元の人たちや参加者のインタビューに関しては、シナリオにそぐわない内容なので一切放映しない、或いは、都合の良い部分だけを残し、その他はカットしてしまう等々、シナリオに合致するように加工してしまう。質(たち)の悪いやらせ番組と何ら変わりません。
一旦、マスメディアであるTVで放映されてしまうと、残念ながら我々下々の者はその不当性を訴えるだけの術は持ち合わせていません。このようにメディアによって世論操作が行われていくのでしょう。かつての原発安全神話のように。
●【取材依頼の経緯】
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「第4回TOKYO成木の森トレイルラン」(以後、本大会と称す)大会開催日の3日前、2014年5月8日(木)昼過ぎ、TBSテレビの番組「噂の!東京マガジン」の制作担当を名乗る狩山と云う女性から大西に電話がかかってきました。
その内容は、その週末(11日)に開催の本大会の取材に関するものでした。過去に何度もマスコミ取材を受けたことはありますが、彼女との会話の中で「何か変?」を感じました。それは「運営に行政(青梅市役所)が関係している大会ですか?」と重ね重ね尋ねること。取材には行政が関係していること、或いは、していないことが重要の様子です。
過去にこんなことを尋ねられた取材はありません。運営はKFCと地元の成木7丁目自治会が主で、行政は運営には関係していないと答えました。それならば、地元自治会の代表者と話しがしたいと云うことなので、メールを送信してくれれば、代表者である中島さんの携帯を伝えると答えました。
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直感ですが、行政が絡んでいなくて、トレラン大会を運営する団体は胡散臭いと思っているように感じました。おそらく鎌倉や高尾山での取材で、そのように思い込んでいるのでしょう。さらに、なぜ、関西弁を話す人間(大西)が青梅で大会を開催しているのかと、いぶかしげに尋ねてきました。こんな質問も初めてです。
最後に大会の資料が欲しいと云うので、本大会が把握できる資料(大会のスケジュールやコース図、それに4年前に立ち上げた経緯等々)を返信メールに添付して送りました。
その後、中島さんと話をしたようで、正式に取材申入れの連絡が入りました。後になって思えば、もし、行政が運営に絡んでいれば、取材には来ていなかったように感じます。なぜなら、彼らのシナリオとは違ってくるからです。彼らのシナリオでは「トレラン大会は、お上の許可を取らず、勝手に山を走り回って、ハイカーに迷惑を掛けている反社会的スポーツ」なのです。
●【現場取材の実態】
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大会当日(11日)朝、電話で話した狩山さんと、その上司に当たるディレクター藤林氏の2名が河辺駅から選手用の無料バスに同乗し、会場へやってきました。
狩山さんは名刺を差し出しましたが、藤林氏は出そうとはしません。普通は、取材対象に対して、初対面の時に名刺を差し出すものです。この時点で「何かの良からぬ意思」を感じました。
さっそく、中島さんを始めとする地元成木地区の役員の皆さん、それに大西のインタビューをスタート前の準備の合間に行いました。皆それぞれの立場から本大会は村興しイベントであると説明しました。しかし、驚いたことに、この運営者サイドのインタビュー内容は一切放映されていません。なぜなら、シナリオには合致しないからです。
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彼らは10:30のスタートシーンを映した後、先回りして、黒山山頂(約10㎞地点)から奥で撮影したいという。その要望を受け、その時間帯に手の空いていた救護班の市川さんがスタート地点から常盤林道終点(黒山山頂から約1.5㎞下方地点)まで車で2人を送って行きました。そこからは約20分の歩きです。
黒山山頂の誘導スタッフによると、その2人は11時過ぎに黒山山頂へ到着したそうです。その時間帯にはほとんどの選手は黒山まで到着していません。因みに、トップの黒山到着は11:20です。
市川さんは取材の2人を林道終点へ送り届けた時、11時半に常盤林道終点まで迎えに来て欲しいと頼まれていました。藤林氏は用事があるから、部下の狩山さんひとりの残して、帰りたいと云うことでした。撮影は狩山さんが一人で行いました。そして、藤林氏は大会会場からタクシーで昼前に帰って行かれました。すなわち、彼は、レースをほとんど見ていないと云うことです。
帰り際、会場にいた大西に名刺を手渡されました。それにはTBSの下部に小さな字で「所属(株)フラジャイル」と印字してありました。それまでTBSの社員と思っていましたが、下請けの制作会社の社員でした。
レース後の表彰式会場で、狩山さんは地元成木自治会の役員さんや参加者の皆さん、それにボランティアの地元の人たち等々、多方面から多くの人にインタビューしていました。しかし、トレラン肯定派のインタビュー意見はすべて無視し、結局、山道を暴走するハイカーにとって危険な反社会的スポーツという切り口だけで放映していました。
●【今日に至るまでの経緯】
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本大会のコースである岩茸石山山頂から権尻峠までの約5㎞区間は、4年前に、大会を開催するにあたって、誰もが歩けるように我々が整備したものです。
それまでは人がほとんど通らず、コース脇の木の枝が伸び放題でコースを房いていたり、蜘蛛の巣が張っていたり、道が消えてコースの分からない部分も多々あました。また、急坂の石段は崩れて誰もが歩ける状態ではありませんでした。それらを整備し、第1回大会を開催しました。
その後も、コースの維持管理を行い、その結果、歩きやすくなって、一般のハイカーもやって来るようになったと云う経緯があります。ほとんどのハイカーはこれらの経緯をご存じないでしょう。しかし、ご存じのハイカーも多少はいます。そして、わざわざトレランレースを観戦に来られるハイカーもいます。ハイカー皆が反トレラン派のように放映されていましたが、実際はそうではありません。
●【司会者と出演者の無責任発言】
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司会の森本毅郎や出演者の笑福亭笑瓶、清水國明、風見しんご、深沢邦之たちも、その加工された放映部分だけを観て、トレランはハイカーを危険に陥れる反社会的スポーツ、と厳しく論じていました。
しかし、我々KFCは16年前からトレラン大会を運営していますが、実際にハイカーがトレイルランナーと接触して、転倒したり、怪我を負ったりしたと云う話は一度も聞いたことがありません。マラソン並みに速く走れるのはトップの数名だけで、ほとんどの選手は駆け足程度です。それに、歩きの部分もたくさんあります。それがトレランレースと云うもので、マラソンとは別物です。また、練習中のトレイルランナーが山中で転倒骨折して動けなくなったハイカーを発見し、救ったこともあります。
出演者らは山のことは何も知らないし、トレランレースの事も何も知りません。残念ですが、トレランを知らない世間の人も同様に思うでしょう。まさに番組の作り手の意図通りの反応です。これを見た参加者や地元成木の人たちは、さぞ、悔しかったことでしょう。
実際、TBSに抗議したいと云う声も多々ありました。出演者たちは、無責任に論じず、少しは勉強してから論じて欲しいものです。彼らの無責任発言で傷つく人がたくさんいるからです。
また、同じコースで常時大会が行われているような番組構成でしたが、同じコース(山)では年に1回の開催が一般的です。
さらに、司会者森本は「どこの許可も取らずに・・勝手気ままに開催している等々」と厳しく断罪していましたが、これはシナリオに沿った無責任発言です。我々は警察の許可、消防署への届け出、山の所有者である地元の人たちの承諾、それにコースの整備等々、やることはすべてやって開催しています。すべての主催者が勝手気ままに運営していると云うのは大間違いです。人生色々、トレラン運営も色々です。
それに番組では最初から最後まで青梅(成木地区は青梅市です)のことを”奥多摩奥多摩”と連呼していました。このようないい加減な取材、無責任な放映内容で恥ずかしくないのか、TBS。もっとしっかりした、まっとうな番組作りを行ってもらいたい。
●【最も責任を負うべきは番組スポンサー】
さらに、この番組作りにお金を出しているドコモやソニーと云った錚々たる番組スポンサーも一蓮托生です。スポンサーなら番組内容に注意を払う義務があります。こんな質(たち)の悪い番組を放映した最大の責任は、それを容認しているスポンサーにあります。
こんな無責任な番組から「トレラン=反社会的スポーツ」というイメージが作られていくのです。トレラン大会で村興しに励む地域の人々やトレラン愛好家にとっては迷惑千万です。そして、これを真に受け、規制好きのお上は、規制を掛けようとするでしょう。その結果、世界的にも人気の高いトレランというスポーツが日本から衰退してしまう。
●【せめてもの反撃】
一旦、TVで作り上げられたイメージを払しょくすることは困難ですが、少しでも「噂の!東京マガジン」の番組作りの実態を分かってもらえれば、また、本大会運営に関わられた成木地区の皆さん、参加者の皆さん、それにKFCスタッフの怒りが少しでも治まれば、と思いこのレポートを書いた次第です。
執筆: この記事はKFCトライアスロンクラブさんのサイト『KFC TRIATHLON CLUB』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2014年06月27日時点のものです。
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