ドイツ北部に、“ウォルフスブルク”という街がある。なんか聞き覚えあるぞと思った方は、サッカー日本代表の長谷部選手がいたチームの本拠地といえば分かるかも。フォルクスワーゲン本社の所在地であるこの街は、フォルクスワーゲンが自動車を生産するために建設された産業計画都市といった側面があり、“アウトシュタット”という人気の観光名所が存在する。アウトシュタットとは、ドイツ語で「自動車の街」という意味で、文字通りフォルクスワーゲン工場も見学できる一大テーマパークとなっている。
●“アウトシュタット”の概要と沿革
アウトシュタットは、ハノーバーから約70km離れ、「モビリティ(流動性)」をテーマに、自動車の歴史から最新技術や情報、そして自動車とそれをとりまく社会の未来像までを体感できる施設である。フォルクスワーゲングループのフェルディナンド・ピエヒ前会長は、ドイツ全体の高い失業率が社会問題とされていたことへの対策としてアウトシュタットの建設を決定し、2000年のハノーバー万博開催に合わせてオープンした。25ヘクタールという敷地面積は、なんと東京ドーム5個分! フォルクスワーゲンの車が作られているウォルフスブルクという街をもっと身近に感じてもらうことによって、ユーザーとのつながりを強めることでウォルフスブルクに価値創出しようという狙いが込められている。
●アウトシュタットの施設
・フォルクスワーゲンの価値を楽しみながら理解できる、グループフォーラム
アウトシュタットの中心となるグループフォーラムでは、フォルクスワーゲングループの各ブランドが共有する4項目の価値(安全性/社会的責任/品質/環境への配慮)を体験することができる。来場者はその価値を情報として知るというより、低燃費を目標に運転したり、自分の体の重さを感じたり、好きな車をデザインしたりしながら実感する体験型のアプローチが大切にされている。実際に運転について学び(仮免試験・運転シミュレータもある!)、パーク内専用免許が発行される子供専用スペースは、大人も遊びたくなるほどの充実度!
・フォルクスワーゲングループ傘下ブランドの個性をアピールする、パビリオン
“フォルクスワーゲン”を筆頭に、フォルクスワーゲングループ傘下ブランドである、“シュコダ”“セアト”“アウディ”“ランボルギーニ”“ポルシェ”といったメーカーなどのパビリオンが施設内に点在している。各メーカーの設計思想的な特徴や、メーカーの所在地である国の歴史などがパビリオン毎に特徴豊かに表現されている。あの轟音を体感できる“ランボルギーニ”パビリオンは必見!
・モビリティとその歴史を伝えるミュージアム、タイムハウス
巨大なガラス張りのミュージアム内には、自動車の歴史と並び、自動車史を飾る数々の名車が展示されている。映画やネットで見たことがあるような車たちは、本当にここでしか見られないほど貴重なものばかりでテンションが上がること間違いなし!
・フォルクスワーゲンの納車センターとオートタワー
あなたがどれほど忙しい弾丸ツアーでアウトシュタットを訪れたとしても、絶対に見逃して欲しくないのがコチラ。各400台の新車を収容できる2つのタワーはまさに壮観! 納車センターから運ばれた新車は円柱状の立体駐車に次々と上っていき、ユーザーへの納車時には中央のロボットアームが新車をユーザーの眼前に持ってきてくれる。ユーザーが待ちに待った“新車との出会い”を演出するための施設である。
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