ガケ書房という無謀な本屋が始まって、10年経ってしまいました。
最初に、『ガケ書房様』という荷物が届いたときは大笑いしました。
「こんな冗談みたいな感じで考えた名前に<様>がついてる!
しかも、宅配便の宛名にちゃんと印字されて送られてきてる!」
・・・あれから10年。毎日、良い意味でも悪い意味でも奇跡のような日が続き、
なんとかかんとか、その場所は続いてきました。僕は、店主の山下賢二と言いまして、
その場所を切り盛りしている張本人です。書店業界は考えるのも億劫な位、下降線を
辿っています。書店業界というよりも、本という物体へのニーズが著しく低下しています。
「読書離れ」という言葉も薄ら寒いほど、元々少なかった読書人口に更に拍車をかけるように、
スマートフォンが普及し、ちょっとした待ち時間から通勤・通学時間、暇つぶしや余暇の時間まで、
文庫本や漫画、新聞など印刷物を持ち歩く人々がどんどん減ってきています。
本屋を営むということは、現代社会においてなんとも非効率な仕事のひとつです。
「なんのためにやってるんだろう?」「こんなに儲からない仕事って・・・」
好きで始めたのだからとか、文化を担ってるんだとか、なんとなく格好良い?とか、
いろいろ始める動機というものはありますが、やっぱり始める時より続けている時のほう
がそのやっている理由というものを真正面から突きつけられます。それも定期的に。
たとえば、生活といううすのろ(copylight by 佐野元春)から。
または、やる気という輪郭のない心の着地点から。
2月13日の金曜日にガケ書房はオープンしたのですが(バレンタインデーをかわす
ところが偉い!)、そろそろリニューアルをしていこうと思っています。
本屋をやっている理由を自分自身の中で明確にするために。
まず、ガケ書房を入って左のゾーンにあった2つの大きなCD棚を無くしました。
視界が開けました。今は、机が入ってホホホ座というグループのフェアをしています。
http://www.facebook.com/pages/%E3%83%9B%E3%83%9B%E3%83%9B%E5%BA%A7/386588224756913
予定では、ここのエリアは何ヶ月かの月替わりでのショップコラボゾーンにしようと思っています。
それから今月24日に和歌山県新宮市にある元小学校の教室を使って、本屋をオープン
する予定です。ほかの教室では、自家製窯焼きパン屋さんとカフェが営業しています。
コンビニも何もありませんが、山・川・天然温泉・星・農作物などが豊富です。
店内の本棚は、村に元々あった本棚を使って展開する予定です。
こちらに詳しく → http://gakekuju.tumblr.com/
昨日までずっと、そこに並べる本の発注をしていました。
<この日のガケ書房>では、そういった日記的な裏側をチラ見せしていく所存です。
次回更新は、ある日突然の<この日>に!
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