■新刊レビュー『校閲ガール』
●書誌情報
どんな本?憧れのファッション雑誌の編集者を夢見て、根性と気合と雑誌への愛で、 激戦の出版社の入社試験を突破し 総合出版社・景凡社に就職した河野悦子(こうの・えつこ)。
しかし、「名前がそれっぽい」という理由で(!?)、悦子が配属されたのは校閲部だった。
入社して2年目、苦手な文芸書の校閲原稿に向かい合う日々。 「こんなところ早く抜け出してやる」とばかりに口が悪い演技をしているが、 段々自分の本性がナマイキな女子であるような錯覚に陥ってくる毎日だ。
そして悦子の原稿や周囲ではたびたび、ちょっとしたトラブルや事件が巻き起こり……!?
【目次】
第一話 校閲ガール!?
第二話 校閲ガールと編集ウーマン
第三話 校閲ガールとファッショニスタとアフロ
第四話 校閲ガールとワイシャツとうなぎ
第五話 校閲ガール~ロシアと湯葉とその他のうなぎ
エピローグ 愛して校閲ガール
●読みどころ
サクサクとテンポ良く読めるエンタメ小説。気分転換に最適。
出版社の裏側や、校閲のお仕事について、ちょこっと学べて楽しい。ミステリー要素も軽く入っている。
ハッキリとした悦子の言動は好みが分かれるところ。
●レビュー
オススメ度:★★★☆☆
読了時間:2時間30分
悦子はゆとり世代という設定。かく言う筆者もゆとり世代だが、やりたくない仕事から抜け出すためにナマイキな女子を演じているというのはちょっと……。演技とはいっても、ここまでヒドい言動はどうかと思う。思考には何となく知性を感じるので、彼女のキャラクターをなかなか掴めなかった。
怖いもの知らずにズケズケと、的確なツッコミや、わかりやすい返しをするところは小気味良く面白い。
半分くらい読んだところで、恋する悦子がとても微笑ましくなってきて、作品のことを想い、仕事に己を入れることと、忠実に仕事をこなすことのどちらを取るかで揺れる姿に、とても共感できた。
様々なトラブルに対して、ブーブー文句を言いながらも、きちんと面倒を見ているのだから、ちょっと笑ってしまう。
はじめは嫌悪感すら抱き、「周りにこんなコいたらイラっとしそうだなー」と今も思うけれど、気がついてみれば悦子を憎めない自分がいた。
●詳細情報
書籍名:校閲ガール
著者:宮木あや子
価格:1200円(税別)
出版社:KADOKAWA メディアファクトリー
※表紙画像、書誌情報はKADOKAWA メディアファクトリーホームページより
■関連記事
浦安市公式「女子はパンツが食い込むことありますか?」と謎ツイート 「不正アクセスによるもの」とのことだが…
『ルパン三世』放送中に画面の約3分の1を占める巨大広告が! テレビ離れの原因はこれか……
「24時間連続シフト」や「ワンオペ」……閉店騒動に揺れる『すき家』の過酷労働が赤旗に掲載される
ロボット掃除機×萌えキャラ!? シャープが本気で“妹キャラの掃除機”を開発している模様
中国と台湾との“サービス貿易協定”を一時撤回! 台湾助かったね
コメント
コメントを書く