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●書誌情報

どんな本?

デスマーチ真っ只中のプログラマー、”サトゥー”こと鈴木。仮眠を取っていたはずの彼は、気がつけば見たこともない異世界に放り出され、そして目の前には蜥蜴人の大軍? 夢か現実か、ここにサトゥーの旅が始まる!

●読みどころ
小説投稿サイト『小説家になろう』で連載され、PV数が8000万超を記録している人気作品の書籍化。
主人公・サトゥーに起きていることはゲームのようでありつつ、異世界での生活はなかなか現実的という世界観が新鮮である。
そして、異世界に放り出されたというのに、元の世界に戻ることは二の次で観光をし始めるという、主人公のほのぼのとした考え方はツボ。そして、イラストのかわいさは必見。

●レビュー
オススメ度:★★★★☆
読了時間:約3時間30分

さて、筆者はこちらの作品、書籍で読むのが初めてである。

読了後、『小説家になろう』に公開されている方も軽く読んでみたが、Web版のものより読ませ方が工夫されていて、ぐっと読みやすくなっているので、Web小説で読んでいる人が書籍版を読んでみてもいいと思う。

サトゥーの落ち着きっぷりは中身がいい大人だからか? ほとんど無敵状態だからか? かなり頭が回ると思えば、鈍いところもあり、結構マイペース。

強くて、金持ってて、かわいい女のコに囲まれて……と人生イージーモードまっしぐら。なのに紳士ヅラして控えめにしていやがるのが、若干ムカっとくるが、憎めないタイプだ。

女のコは初々しく慎ましやかなお嬢さんと、元気ハツラツで明るい宿屋の娘さん、あどけない猫耳・犬耳の幼女と、真面目一辺倒な凛々しい少女……と、よりどりみどり。

ハーレム状態の割に、ラブハプニングは控えめなほうじゃないかな。というより、サトゥーが冷静すぎるだろう。もうちょっとドギマギしようぜ。

異世界をゲーム設定で冒険する話といえば良いのだろうか。なかなか人に説明しづらい世界観で新鮮だった。

ゲーム特有のご都合主義が通ってる……と思いきや、かなり現実的にシビアだったりする。レベル最強で怖いものなしと思いきや、肝心なものがなくて難儀する。

「なんだそりゃ!」と、ニヤニヤ笑ってしまうストーリー展開が面白い。この巻では、まだまだ謎が解き明かされないので、どうオチをつけていくのか、とても気になるところである。

ただ、筆者はプログラマー用語をあまり知らないので、ピンとこないところがちょこちょこあった。タイトルとか。今後は、用語解説を巻末だとかにオマケで付けてもらえるとうれしい。

●詳細情報
書籍名:デスマーチからはじまる異世界狂想曲
著者:愛七ひろ
価格:1200円(税抜)
出版社:富士見書房

※表紙画像、書誌情報は集英社のコミックス・書籍検索サイト『BOOKNAVI』より

http://www.kadokawa.co.jp/product/301401000417/

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