日本時間で3月3日に発表となった第86回アカデミー賞。
そのなかで主演男優賞(マシュー・マコノヒー)、助演男優賞(ジャレッド・レト)、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞したのが『ダラス・バイヤーズ・クラブ』だ。日本でも2月22日より劇場公開されている。
●『ダラス・バイヤーズ・クラブ』ってどんな映画?
マコノヒーが演じるのは、賭博と酒と女の日々を送るデタラメな男・ロン。彼はある日突然、「HIV陽性で余命30日」と宣告される――が、落ち込むどころか特効薬を求めて東奔西走。ある時は神父に成りすまし、ある時はパイロット、ある時はビジネスマンルックで世界中を飛び回り、最新薬を集める。
HIVの薬を国内に持ち込んだ彼は、患者たちにさばき始めるが、ゲイ・コミュニティーに嫌悪感を持つロンが販路を広げるのは難しかった。そこで登場するのがジャレッド・レト演じる美しいトランスジェンダーのレイヨンだ。ロンはレイヨンを仲間に引き入れ、“ダラス・バイヤーズクラブ”という組織を立ちあげ、会費制で無料で薬を配り、多くの顧客を得て勢いづいていく。しかし、彼らの前に立ちはだかったのは、AZTという薬の投薬を推奨しはじめた医師に製薬会社、そして政府だった――。
今作は、司法と孤軍奮闘し“生きる権利”を訴え続けた一人の男の7年間の記録。マイナスから発するエネルギー溢れる姿は、見る人誰をも魅了し、勇気と希望を与えてくれる。
アカデミー賞でのジャレッド・レトの写真(Twitterより):https://twitter.com/TheEllenShow/status/440319159109316608/
●例の少ない“主演男優賞&助演男優賞”のダブル受賞
『ダラス・バイヤーズ・クラブ』が成し遂げた“主演男優賞&助演男優賞”のダブル受賞は、アカデミー賞の長い歴史の中でも例の少ないことだ。以下がその作品群である。
『我が道を往く』(1945) ビング・クロスビー/バリー・フィッツジェラルド
『我等の生涯の最良の年』(1947) フレデリック・マーチ/ハロルド・ラッセル
『ベン・ハー』(1960) チャールトン・ヘストン/ヒュー・グリフィス
『ミスティック・リバー』(2004) ショーン・ペン/ティム・ロビンス
『ダラス・バイヤーズクラブ』(2014)マシュー・マコノヒー/ジャレッド・レト
アカデミー賞のスタートは1929年。85年の歴史の中でわずか5作品だというから驚きである。
今作の役を演じるためにマコノヒーは21キロの減量、レトは18キロの減量をもって役に臨んだという。その演技の出来は、今回の受賞の報を聞けばお分かりだろう。
映画『ダラス・バイヤーズ・クラブ』は新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国で上映中。大きなスクリーンで珠玉の作品を是非ご覧あれ。
公式サイト:http://www.finefilms.co.jp/dallas/
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=pHsEYmLtbvM
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