2月18日、タイの首都バンコクで、中央省庁街を占拠していたデモ隊を排除するため、機動隊が出動した。盾を手に隊列を組んで待機していたその時、対峙する反政府デモ隊側から、なんと手榴弾が投げつけられた。盾に当たり地面に転がった手榴弾に気付いた機動隊員は、イチかバチかで手榴弾を蹴り返そうとするのだが、その瞬間手榴弾が爆発。この動画の場面では、2人の機動隊員が死亡し、複数が負傷したと伝えられている。
タイでは昨年11月以来、インラック首相の退陣を求める反政府デモが続いている。
インラック首相は、2006年の軍事クーデターで政権を追われ海外亡命したタクシン元首相の妹。彼女を擁するタイ貢献党は2011年の総選挙で過半数を獲得し政権の座に就いたが、タクシン元首相の帰国の道を開く恩赦法を上程したことに与党民主党が反発。インラック首相は下院を解散して総選挙実施を呼びかけたが、首相の即時退陣を求める武装デモ隊が中央省庁を占拠し、総選挙を妨害している。
農村部と都市部の低所得者層から圧倒的な支持を得ているタイ貢献党に対し、都市部の中産階級を基盤とする民主党は総選挙で一度も勝利したことがない。そのため民主党は、民選による下院を解散し、利益団体の代表からなる人民議会の設置を求めるなど、独裁的な主張を押し出してきている。
これに対しインラック首相側は、あくまでも話し合いによる解決を目指しており、デモ隊の排除に際しても「穏便な処置」を再優先している。
仮にも民主的手続きに則って誕生したインラック政権に対し、最近では首相を殺害するとまで言い始めた武装デモ隊を率いる民主党の主張は説得力を持たず、タイ国民からも軍幹部からも、そして国際社会からも理解されていない。タイ政局の先行きはまだ不透明だが、「微笑みの国」の智慧でタイの「民主主義」を取り戻してもらいたいものだ。
画像:LiveLeakより引用(赤丸は筆者)
動画:Anti-Democracy protester throw hand grenade at riot police(LiveLeak)
http://www.liveleak.com/view?i=654_1392735073
※この記事はガジェ通ウェブライターの「ろくす」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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