カルト的人気映画『冷たい熱帯魚』『凶悪』と、ハリウッドリメイクも決定しているインドネシアの傑作『ザ・レイド』の製作陣が贈る、空前絶後の劇毒エンタテインメント『KILLERS/キラーズ』。
東京とジャカルタを舞台に、インターネットを通じて出会ったサイコキラーたちが、想像を絶する世界に導くサイコサスペンスです。
サディスティックな残忍さと独自の美意識を貫くサイコキラー・野村を演じるのは、強烈な個性と演技が国内外で高く評価される北村一輝さん。その美しい容姿で女性に近づき虐殺を繰り返していきます。北村さんの役へのハマりっぷりがものすごく、生々しいゴア描写(とにかく音がリアル!)に震え上がります。
今回は北村一輝さんに映画出演への感想や、役作りのポイントなど色々とお話を伺ってきました。
――『KILLERS/キラーズ』は、日本とインドネシアの合作というなかなか珍しい作品ですよね。また、残虐なのに目が話せない独特なストーリーも魅力的でした。脚本を最初に読んだ時の感想を教えていただけますか?
北村:インドネシアと聞くとバリ島のイメージが強く、ジャカルタと聞いてもピンとこず、どんな映画を撮るんだろう? バリに行けるのかな? と思ったりして(笑)。脚本を読んだら、ものすごくハードなストーリーで、監督の過去作品を観た時に、日本には無い独特の熱は一体何なんだろうと衝撃を受けましたね。
――確かに「俺達は撮りたい映画を撮ってるんだ!!」という熱が伝わってきました。
北村:監督と初めてお会いした時にも感想を聞かれましたが、正直に「脚本に共感できなかった」と伝え、逆に監督に「なぜこの映画を撮りたいのですか?」と尋ねました。監督は、ハリウッドなどと比較すると制作費も少ないアジア映画が世界からどう見られているのか、という世界基準で物事を考えていると。「アジアでもこんな映画が撮れるんだという事を証明したかった」と聞き共感しましたね。
――予算が少ない中でより工夫や表現が光ってくるという。
北村:彼らの技術や考え方が世界に通用していると感じ、純粋に作品に参加したいと思いました。。現場での技術や表現力にも驚きましたが、仕上がりは、他の人が考えつかない発想やセンスに溢れていて、予想を遥かに超えていましたね。
――北村さんが演じた野村は、独自の美意識を持つサイコキラーということで、強烈なキャラクターで。映画の中の事とは思えないほど怖かったです。
北村:怖いですよね。ただひたすら殺していく。監督は2人とも邦画にも詳しく、特に、三池崇史監督のファンでもあり、暴力描写や殺人シーンについては現場で色々と聞かれたり、話しをしました。
――英語でのセリフまわしにも挑戦されていましたね。
北村:叫んだりするシーンは大変でしたね。とにかく監督が世界に通用する映画を作りたいという事で、「日本人がイメージする英語は絶対にやめてくれ」と言われました。字幕をつけたく無いので、実際に通じる英語を喋って欲しいと、現場にも英語の先生がたくさんいましたし、何度も撮り直しました。
――北村さんはこの野村の様な凶悪な役から、正義感あふれる刑事、公開待機作品の中では猫に萌える侍など、本当に色々な役柄に挑戦されていますよね。
北村:「個性的で変わっている役が得意」というイメージを持たれることもありますが、そんな事は無く、自分としては監督から指示を受けたまま演じているつもりです。台本を読んで「この役俺がやるの?」と驚くことは無いですね。色々な役柄をオファーしていただくのは本当に有り難いです。僕は映画でもドラマでも監督の考えている事、物語の“コマ”になれれば良いなと思っていて。ディスカッションはしますけど、なるべく監督の思い通りに動きたいと思っています。
――決まった役を自分がどう演じて、その結果が観客の目にどう映るかが大切という事ですね。
北村:作品自体についてもジャンルにこだわらずフラットに見ますね。ホラーだからダメ、ラブコメだから良いとか、公開規模に捉われたり、そういった考えは一切無いです。プライベートでは映画はほぼ観ないです。撮影が始まる前、勉強の為に観るというつもりで、資料のような意識です。『KILLERS/キラーズ』も、やはり、客観的には観れそうにもないので公開してどんな反応が返ってくるのか楽しみです。
――公開前からホラー、サイコ映画好きの間ではかなり話題になっているので、映画館にはたくさんのファンが訪れるんじゃないかな、と勝手に予想しています。
北村:スリラー映画が苦手な方もいるかと思いますが、監督の色や音のセンスで観やすく仕上がっていると思いますのでこの機会に出来るだけ多くの人に観て頂けたら嬉しいですね。
――どうもありがとうございました!
『KILLERS/キラーズ』
http://www.killers-movie.com
【キャスト】北村一輝、オカ・アンタラ、 高梨臨 、ルナ・マヤ、黒川芽以、でんでん、レイ・サヘタピー
【製作総指揮】ギャレス ・エヴァンス『ザ・レイド』
【監督】モー・ブラザーズ(ティモ・ジャヤント、キモ・スタンボエル)
【脚本】ティモ・ジャヤント、牛山拓二
【製作】日活、ゲリラメラフィルムズ
【協力】ポイント・セット
【配給】日活
【ストーリー】人を殺人の標的としてしか見ていない殺人鬼の野村は、無機質な部屋で女を殺害し、その様子をインターネット上にアップする。ジャカルタでジャーナリストとして活動するバユは、偶然見つけたその動画を見てしまい、残酷さの中に漂う美しさに魅了される。そしてある日、強盗に襲われたバユは身を守るために反撃し、強盗を殺害。その死の瞬間を撮影し、ネットに投稿する。今度はその映像を見た野村がバユに共感を抱いていく。
(C) 2013 NIKKATSU/Guerilla Merah Films日本・インドネシア/原題『KILLERS』/R18+/サンダンス映画祭 2014 正式出品
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