今回はメカAGさんのブログ『疑似科学ニュース』からご寄稿いただきました。
■絶対当たる手相占い
植村さんが指示されて尾行リポートした対象人物の最寄駅付近、通り道、会社の付近に「手相占い」が待ち構えたのだ。そこで、いきなり声を掛ける。「あなたの家には、大きないちょうの木がありますね」何でもいいから、その人間の住居の特徴を言い当てるのだ。植村さんの尾行リポート通りなのだが、当人からしたらびっくり仰天だ。これは当たる占い師に違いないとなる。
「街頭の手相占いが詐欺商法の入り口に!? 「30人に1人は騙されますよ...」」 2013年12月25日 『TOKYO BREAKING NEWS』
http://n-knuckles.com/street/downtown/news000937.html
ほんとにこんなことをあるのかねぇ。でも「まさか、そこまでやらないだろう」というようなことをやるのが手品だし。競馬の予言で「あたった」レースだけを放送するとか。
こんなこと考えてると、よく芸能人とかがテレビで話してる「ありえないことがおきた」ってのも、こういう商法のターゲットにされてるんじゃないかと思えてくるな。売れっ子芸能人なら金を持ってるだろうし、オカルトとか信じやすそうだし。たとえ成功率は低くても、成功した時に得るものはすごく大きいかも。
そこまでして勧誘に失敗したら、「そこまでした」メリットを享受した人はどこにもいないんだから、逆にいえばそんなことをするメリットがないんだからするわけがない、なのに起きたんだからこれは絶対本物だ、と。
芸能人の周りでよく変なことが起きるというのも、こう考えると納得してしまいそう。単に話題作りのために、あることないこと喋ってるだけかと思ってたけど。
* * *
なんかの本に手品師の話が書いてあった。著者は偶然ホテルのバーとかで手品師に居合わせたらしい。手品師は座るやいなや、そっと手品の種を同伴者に気づかないようにテーブルの影に置いた。同伴者からは見えないが著者からは見えたという。
んで、もしここで同伴者が「なにか手品を見せてくれ」と言ったら、手品を披露する予定だったのだろう。同伴者にしてみれば、自分が手品をせがんだ時がスタートなのだから、それ以前に手品師がタネを準備しておくなど思いもよらない。だから驚くわけだ。自分が誘ったバーなんだから、種も仕掛けもないはず。なのに何の変哲もないグラスから、手品で何かを取り出した!と。
ところが同伴者はその時はたまたま手品をリクエストしなかった。すると手品師はタネを回収して普通に帰っていったという。多分その手品師はこれまで何百回もそういうことをしていたのだろう。時折頼まれる手品のリクエストのために。人を驚かすにはこれぐらいやらなければならないのだろう。
もしここで、せっかく準備したのだからと、手品師の側から「手品を見せてあげましょうか」と言い出したら台無しになるのだよね。あくまで相手に主導権があるように見せかけなければならない。客は自分が主導権を握ってるつもりで、実は手品師の手のひらで踊っている(笑)。
執筆: この記事はメカAGさんのブログ『疑似科学ニュース』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2014年01月08日時点のものです。
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