2013年も残すところ1か月を切りました。つまり、今年は作者が亡くなってからもしくは法人名義で公表されてから50年目に当たり、来月から新たに『青空文庫』他のアーカイブで公開されるパブリックドメインの作品が出て来るということです。
そこで、今回から複数回に分けて生前の作品が来年からパブリックドメインになる主な人物を紹介して行きます。
●野村胡堂(1882-1963、代表作『銭形平次捕物控』)
1882年(明治15年)、岩手県生まれ。東京帝国大学法学部を卒業後、報知新聞記者を経て1931年(昭和6年)、文藝春秋『オール読物』創刊号で発表した『金色の処女』が以後26年間で長編・短編を合わせて383編に及ぶ『銭形平次捕物控』シリーズ第1作となった。
代表作の『銭形平次捕物控』は何度も映画やテレビ時代劇化されており、東京都千代田区の神田明神には日本作家クラブが寄贈した顕彰碑『銭形平次碑』が建てられている。
現在は『青空文庫』で『銭形平次捕物控』全383編や『奇談クラブ』他の作品が公開に向けて入力作業中。
●長谷川伸(1884-1963、代表作『瞼の母』)
1884年(明治17年)、横浜市生まれ。兵役除隊後、横浜毎朝新聞記者を経て都新聞(東京新聞の前身)へ移籍し“山野芋作”のペンネームで時代小説を書き始める。都新聞を退職した後、妻の死で執筆が停滞するも舞台脚本に活路を見出し『掏摸(すり)の家』『沓掛時次郎』などの秀作を発表した。
代表作は1936年(昭和11年)発表の戯曲『瞼(まぶた)の母』。時代劇における“股旅物”というジャンルを確立した第一人者と評される。『青空文庫』では戯曲を含む21点が公開に向けて入力作業中。
●山之口貘(1903-1963、代表作『思弁の苑』『鮪に鰯』)
1903年(明治36年)、沖縄県生まれ。日本美術学校を中退後、佐藤春夫と知り合い鍼灸院に勤めながら詩を発表する。1938年に最初の詩集『思弁の苑』を刊行。亡くなった翌年の1964年(昭和39年)に遺作となる4冊目の詩集『鮪に鰯』が刊行された。
『青空文庫』では『鮪に鰯』やエッセイなど16点が公開に向けて入力作業中。
●岡本良雄(1913-1963、代表作『あすもおかしいか』『ラクダイ横丁』)
1913年(大正2年)、大阪市生まれ。早稲田大学文学部在学中に早大童話会へ入会し、児童文学の研究と創作に業績を残す。戦後は創作童話や昔話の再話を精力的に発表したが、森村学園の講師を務めていた1963年に胃がんのため49歳の若さで亡くなった。
『青空文庫』の入力作業リストには未登録。
(その2に続く)
画像:銭形平次碑(from flickr YAHOO!)
撮影者:y kawahara CC-BY 4.0
※この記事はガジェ通ウェブライターの「84oca」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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